【これからの見通し】リスク選好の動き継続か、中国めぐる摩擦あれど世界経済の牽引期待
【これからの見通し】リスク選好の動き継続か、中国めぐる摩擦あれど世界経済の牽引期待
市場はリスク選好の動きが続いている。米英などでワクチン開発が進展しており、昨日はジョンソン英首相が来週7日からファイザーのワクチン導入を開始するとも報じられている。株式市場は、ときおりの調整売りを交えながらも上昇軌道に乗っている。全般に来年に向けた経済回復ムードが広がっているようだ。
そのなかでは中国をめぐる摩擦が再燃していることが気がかりだ。豪州の輸出品に対する中国の差し止め措置が広範な品目にわたってきている。鉄鉱石など主要産品に波及しないのかどうか不安な状況になっている。米下院は対中強硬案を可決しており、民主主義のリーダーを標ぼうする米国が中国に対する風当たり姿勢を強めてきている。バイデン政権に移行後もこの図式には変化はなさそうだ。
しかし、中国の経済回復は目覚ましく、一部には来年のGDP成長が10%に迫る水準と予測する向きも出ている。米国の追加支援策と相まって、世界経済のけん引役が期待されるところだ。
為替市場ではドル安傾向が続いている。そのなかでもユーロドルの上昇が際立っている。1.20の心理的水準をしっかりと上抜けており、足元では1.2040-50レベルがサポート水準として足固めしてきている状況だ。続いて1.2080-90レベルがサポート水準に。このあとの海外市場では1.21台での取引が定着してくるのかどうかが注目される。
一方、ポンドドルは不安定な動きだ。英国とEUとの貿易交渉決裂に対するリスクが高まってきており、突発的なニュースに振れやすくなっている。ユーロ相場の強さの一端には対ポンドでの強い動きも加わっている。
このあとの経済指標発表予定は、トルコ消費者物価指数(11月)、ドイツ・ユーロ圏・英国などの非製造業PMI・確報値(11月)、ユーロ圏小売売上高(10月)、ブラジルGDP(第3四半期)、米新規失業保険申請件数(28日までの週)、米非製造業PMI・確報値(11月)、米ISM非製造業景気指数(11月)など。主要な金融当局者の講演イベント参加予定はなし。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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