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【来週の注目材料】V字回復へ~米第3四半期GDP速報値

為替 

米国の第3四半期(7-9月期)GDPが29日に発表されます。
第2四半期は新型コロナウイルスの感染拡大によるロックダウンなどの影響で、前期比年率31.4%減(確報値、速報値時点では32.9%減)と統計を開始した1947年以来最大の減少幅を記録しました。第1四半期は5.0%減となっており、二期連続のマイナス成長で、テクニカルリセッションとなっています。

 前回の内訳から新型コロナウイルスの影響を見てみましょう。
 ロックダウンによって経済活動が停滞したことで、全体的にかなり弱かった前回のGDP。GDP全体の約7割を占める個人消費は33.2%減と大きく落ち込み、GDP減への寄与度でも24.01ポイントと最大になっています。耐久財への消費は1.7%減にとどまっていますが、非耐久財への消費が15.0%の減少。さらにサービスへの消費が41.8%も落ち込みました。レストランや多くの小売店、美容院や映画館などのサービス産業の多くが一時休業に追い込まれていたため、仕方のないところといえます。
 産業別のGDP動向をみるとアート・エンターテインメント・飲食・宿泊業はなんと96.9%減。同部門は働いている人が多い部門ですが、雇用者が3月、4月でほぼ半減するなど、一番厳しい影響を受けました。GDPの結果にもその状況がはっきりと出ています。
ニューヨークやロスアンジェルスなど大都市圏を中心にレストランの屋内営業の制限などを行っているところが多く、映画館なども再開していないことから、同部門はまだまだ完全回復には程遠い状況。米国のシネコン業界第2位のリーガルシネマズが8月下旬にいったん営業を再開した劇場を含め、今月8日から全米で展開する536館すべての閉鎖を決めるなど、厳しい情勢が続いています。

投資部門を見ても、総民間国内投資は46.6%の大幅減。先行きにも影響する設備投資部門は27.2%の減少となっています。GDP減への寄与度で見ると設備投資は3.67ポイント、また在庫投資が3.50ポイントとなっており、個人消費同様に企業活動の縮小もGDPに厳しい影響を与えていたことがわかります。

もっとも米経済の回復傾向自体はしっかりとしています。米国の小売売上高の水準は新型コロナウイルスの感染拡大前の水準を超えてくるなど、米国の個人消費全体が落ち込んでいるわけではありません。経済の回復は受注関連指標の好結果などにも見られ、設備投資なども回復してきていると期待されています。

こうした状況を受けて、今回の第3四半期GDPは前期比年率で32.8%増のV字回復が見込まれています。輸出などはまだ弱いと思われますが、輸入の減少で相殺されると思われます。実際輸出が大きく減少した第2四半期のGDPでも純輸出(輸出ー輸入)ではGDPへの影響は0.62ポイントの引き上げに寄与と、小さくプラス圏(輸入減の影響の方が大きかった)だったことから、大きな問題にはならなさそうです。

 予想前後の数字が出てくると、米景気の順調な回復期待につながると期待され、ドル円にとっては買い材料となります。ただ、11月3日の大統領選をまさに目前にして、サプライズのない経済指標への反応は限定的と見込まれます。

 相場に影響が出るとすると、期待ほどの回復を見せなかったとき。前回のGDP押し下げ要因となったアート・エンターテインメント・飲食・宿泊業部門は、前述のように依然としてかなり厳しい状況下にあることを考えると、予想を下回る数字が出る可能性も十分にあります。

 この場合は、リスク警戒からのドル売りを誘う可能性が高いです。大統領選での現職トランプ大統領に対するマイナス材料にもなりますので、その点でもややドル売り材料となる可能性も(発表時点では事前世論調査動向などで大勢がかなり判明している可能性もありその場合は、影響は限定的)。

 米国の追加経済対策に関する協議や大統領選の動向など、政治情勢を中心に相場が動く展開が続いていますが、四半期GDP速報値は指標の中でもかなり重要度が高いものの一つだけにサプライズな結果には要注意です。

MINKABU PRESS 山岡和雅

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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