来週のECB理事会もユーロ圏GDPも、ユーロの反応は限定的との声も=NY為替
NY時間に入ってドル売りが一服していることから、ユーロドルは伸び悩む動きを見せている。ただ、下押しする動きまでは見られず、1.18ドル台は堅持しており、大きな心理的節目の1.20ドルを目指す流れは維持されている状況。欧州では感染第2波の拡大が悪化しており、フランスなどでは行動規制が再度導入されている。イタリアの新規感染者数も過去最多となり、先行き不安も台頭している。ただ、ユーロドルは、あくまでドル主体の動きに終始しており、堅調な動きを続けている。米大統領選を前に、各国中銀の外貨準備によるドルからユーロへの資金シフトも断続的に入っているとの観測も出ている。
このような状況の中で来週はECB理事会とユーロ圏の第3四半期GDP速報値の発表が予定されている。ただ、どちらのイベントも、ユーロの反応は限定的との声も聞かれる。
感染第2波の拡大の中、市場にはECBによる年内の追加緩和期待が高まっている。パンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の規模を5000億ユーロ拡大といった見方や、期間も6カ月延長し2021年末までとするのではといった見方も出ている。来週の理事会での行動は無いものの、ラガルド総裁は年内の緩和拡大の可能性を示唆してくるのではとの見方も根強い。ただ、それをもってユーロを売ろうという声も少ない。
一方、第3四半期のユーロ圏GDPは前期比で9.5%の急反転が見込まれている。ただ、感染第2波の中で、市場はすでに第3四半期の経済情勢に興味が薄れており、あまり重要視されないのではとの指摘もあるようだ。
EUR/USD 1.1841 EUR/JPY 124.07 EUR/GBP 0.9089
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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