ドル売りが一服 ドル円は104円台後半まで戻す=NY為替概況
きょうのNY為替市場、ドル円は買い戻しが優勢となり、104円台後半まで戻している。きょうはドル安が一服しており、ドル円も追随している状況。ただ、ドルを買い戻す特段の材料は見られていない。前日の下げが急だったことから値ごろ感の買い戻しとみられる。米追加経済対策の協議が続いているが、市場は合意への期待感が高まっている。
ペロシ米下院議長の発言が伝わっていたが、「追加経済対策の合意が、すぐそこにある。今週は協議に進展が見られている」と述べていた。米大統領選前に米追加経済対策が合意できれば、ポジティブ・サプライズとなりそうだが、その場合でも為替市場のシナリオはドル安で、ドル円の上値は抑えられる。きょうはドル円も買戻されているものの、ブレイクした105円は抵抗感が強まっているようだ。
前日のドル円は104.35円付近まで下落したが、目先は9月安値の104円ちょうどが下値サポートとして意識される。テクニカル勢からは、その水準をブレイクすれば、底割れとなり、トラップドア効果から、102円台まで一気に下落するリスクもあるとの声も聞かれる。しかし、短期筋の急速なショート・ポジションの積み上がりも想定され、ショートカバーのきっかけになるとの見方もあるようだ。
ユーロドルは1.18ドル台前半に伸び悩む展開。前日は1.1880ドル近辺まで急上昇し、21日線を上放れる展開が続いている。大きな節目として意識されている1.20ドルを再び試しそうな気配を見せているが、EUでは感染第2波の拡大が続いており、景気の先行き不安から、インフレ期待も後退しており、市場ではECBの追加緩和期待が高まっている。
ファンダメンタルズ的にはユーロを買う材料はない。それを反映してか、ヘッジファンドはユーロのロングポジションを減らす動きが見られている。先週末に公表になったCFTC建玉報告によると、レバレッジ・ファンドのユーロの買い越しが大幅に縮小しており、10月13日時点で6892枚と、この2カ月で最も低い水準まで縮小させていた。ただ、目先はドル安の潮目に変化があるとも思われず、ユーロドルは1.20ドルに向かって堅調に推移するものとみられている。
ポンドドルも上げが一服しており、1.30ドル台に値を落としている。英国とEUとの貿易交渉が再開しており、合意への期待も根強くあり、ポンドは、しばらく上値追いの展開が続くとの見方も多い。しかし、感染拡大が英国の経済と財政に与える影響により、貿易交渉の合意ありの離脱になったとしても、ポンドの上値は限定になるとの指摘も出ている。一方、英国とEUはきょう、ロンドンで貿易交渉を再開しており、双方が交渉の最終段階に入るのに十分な進展見せれば、短期的にはポンドは上昇するとも述べている。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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