【これからの見通し】調整の調整、深追いは禁物に 材料への感応度鈍く
【これからの見通し】調整の調整、深追いは禁物に 材料への感応度鈍く
為替市場ではドル相場主導の展開が続いている。7月からはかなり息の長いドル安の流れが続いた。その後、8月に入ってからはドル買い方向へと調整が入っている。そのドル買いも足元では一進一退となっており、調整の調整といった趣きになっている。
目先の材料は比較的リスク警戒感を高めるものが多い。主役は中国関連の話題。ファーウェイに続いて、ティックトックなどをめぐり米国が注文をつけてきている。台湾をめぐって米国と中国の関係が悪化。さらに、国家安全法で香港の著名民主活動家やメディア創設者らが逮捕される事態となっている。米英などから中国に対する批判が強まっている。
その一方で、米国株はどこ吹く風といった風情で堅調地合いを続けている。トランプ米大統領が中間層に対する減税、失業給付の維持など、大統領選を視野に入れた景気対策を強める意向を示している。米株式市場では時折、調整売りが入るものの、流れは常に上向きだ。
しかし、前述のように為替市場の値動きは先細り傾向。材料に対する感応度は鈍くなっている。新型コロナの感染拡大はより一層深刻化しており、世界的な拡大ペースは加速している。ただ、連日のように耳にタコができるような報道の連続で、市場では馬耳東風状態だ。新薬開発関連の報道も最近ではあまり決定打となる内容はでてきていない。市場は夏休みモードに入っており、ポジティブにせよネガティブにせよ「サプライズ」「ショック」な材料でなければ反応しにくくなっているようだ。
この後の海外市場で発表される経済指標は、ドイツZEW景況感指数(8月)、南アフリカ製造業生産高(6月)、インド鉱工業生産(6月)、カナダ住宅着工件数(7月)、米生産者物価指数(7月)などが予定されている。8月のドイツZEW景況感指数は改善ペースがやや鈍る見込み。一方、7月の米生産者物価指数は前月比、前年比ともに前回からは改善する見込みとなっている。
金融当局者の講演・イベント関連では、バーキン・リッチモンド連銀総裁、デイリー・サンフランシスコ連銀総裁などのオンライン講演やイベント参加が予定されている。また、米3年債入札(480億ドル)が実施される予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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