米雇用統計は予想上回るもポジティブな印象は少ない=NY為替
きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっており、ドル円も買い戻しが優勢となっている。一時106円台に上昇する場面もみられた。この日は米雇用統計が発表になったが、非農業部門雇用者数(NFP)は176.3万人増と予想を上回った。失業率も10.2%まで低下している。労働市場の改善を示す内容ではあったが、改善のペースが鈍化したことに懸念も示されている。米労働市場の回復基調を示唆したというよりも、7月は弱さを見せなかった程度との指摘も出ていた。
トランプ大統領がきのう、国家安全保障上のリスクを理由に、TikTokを運営するバイトダンスと、WeChatを運営するテンセントとの取引を禁じる大統領令に署名したことで、米中対立への懸念が強まっている。また、米追加経済対策は依然として協議が難航しており、失業給付の上乗せで意見の隔たりが大きいようだ。
米株や原油も上げが一服する中で、為替市場ではリスク回避的なドル買い戻しが入っているのかもしれない。ドル安に過熱感も出ており、夏休みシーズンを控える中での米雇用統計の通過で、ひとまずポジション調整が出ているものと思われる。
ドル円については106円台に一時上昇したが、ドル安期待は根強く、上値での売り推奨の声も聞かれる。
USD/JPY 105.90
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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