【これからの見通し】月替わりで、ドル安の流れに戻るのか
先週末は、ドル円が急反発する動きとなった。先週は通貨オプションでの短期ボラティリティー上昇が示すように、円高方向への警戒感が高まり短期的な円高ヘッジの動きが強まっていた。そのような状況下で、月末フローや投資家の新規ドル買いなどが入ったことで、円高方向をもくろんだ投機的な円買いポジションが一気に巻き戻されたようだ。GAFA株が人気化したことや、週明けには本邦流通大手が米コンビニ店舗数3位グループの買収の報道もあり、ドル円の買いを想起させた面も加わった。
一方で、足元はやや調整気味であるものの、ユーロドル、ポンドドル、豪ドル/ドルといった主要なドルストレート通貨ペアでは、7月初頭からのドル安の流れには反転のシグナルはみられていない。ドル円は106円台半ばが重くなっており、105円台後半が新たな売買均衡水準となっている。このあとの海外市場では、再びドル安の流れに復するのか、実需フローのドル買い・円売りが残っているのか、まずは見極めたいところだ。
また、週末の米雇用統計について語ることは時期尚早かもしれないが、直近の米新規失業保険申請件数が再び増加傾向を示しているように、雇用改善の動きにも陰りがみられる可能性は市場にある程度は想定済みとみられる。米債利回り動向で、そのあたりの市場の織り込み度合をチェックしておきたい。
このあとの海外市場で発表される経済指標は、スイス消費者物価指数(7月)、スイスSVME購買担当者景況指数(7月)、ドイツ、ユーロ圏、英国など一連の製造業PMI・確報値(7月)、米ISM製造業景気指数(7月)、米建設支出(6月)などが予定されている。
イベント・発言関連では、ブラード・セントルイス連銀総裁、バーキン・リッチモンド連銀総裁、エバンス・シカゴ連銀総裁などの講演や会見などが予定されている。なお、きょうはトルコは「犠牲祭」、カナダは「市民の日」の祝日で休場となる。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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