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今週のまとめ7月6日から7月10日の週

為替 

 6日からの週は、次第に調整色が強まった。週前半は香港・上海株が意外な強さを示し、香港ハンセン指数は強気相場入りとなるなどリスク選好の動きがみられた。前週の香港国家安全法の成立が英米などとの政治的摩擦を生んだが、中国ではかえって国内情勢の安定との見方につながったようだ。この動きにつれて各国の株式市場も堅調に推移した。IT株が買われ、米ナスダック指数は連日の最高値更新の動きもみられた。一方、新型コロナ感染拡大は深刻化、ブラジルなど新興国とともに米国や豪州でも一部にロックダウン措置の動きがみられている。週後半には原油相場も崩れており、株式市場は調整に押されている。為替市場では次第に円高やドル高の動きが優勢になった。ドル円は107円台での振幅からの下抜けを試している。ユーロドルは1.12台から1.13台での上下動。ユーロ円は121円台から120円台への下押しされている。ただ、経済活動再開と感染拡大の綱引きの状況には変わりなく、今後も市場のリスク状況は目まぐるしく変化しそうだ。


(6日)
 東京市場で、ドル円は底堅い動き。午前中に107.77レベルまで上昇としっかりの展開。その後の調整は浅く、高値圏でもみ合った。中国株が急騰しており、上海総合指数は5%超高。リスク選好ムードが広がった。中国が財政政策を強化しているとの先週末の報道が好感されたもよう。香港に関する国家安全法後の混乱収束への期待も相場を支えた。新興国を中心とした新型コロナ感染拡大、豪州ビクトリア州とNSW州との州境閉鎖などリスク警戒の材料はあったが、ドル円、クロス円ともに円売りが優勢だった。ユーロは対ドルでも堅調。週後半のユーログループ・EU財務相会議、さらには来週のEU首脳会議での復興基金合意に向けた動きなどが期待されているもよう。

 ロンドン市場は、円安・ドル安の動きが一服。欧州株や米株先物が堅調に推移しているものの、香港・上海株の大幅上昇を受けてすでに東京市場から円安・ドル安が進行していたことから、ロンドン時間には調整、利益確保の動きが交錯。ただ、調整も限定的。三連休明けのNY勢の参加待ちに。ドル円は107円台後半から半ばへと反落。ユーロ円は121円台後半まで買われたあとは一時121円台前半まで反落も、足元では121円半ばでもみ合っている。ユーロドルは1.13台乗せまで買われた後の下げは1.1280台まで。ポンドドルは1.25台乗せから1.24台後半へ、ポンド円は134円台後半から前半へと下げており上昇一服。6月英独建設業PMIはいずれも改善を示した。5月独製造業受注は予想ほどではなかったが、前回からは回復した。豪ドルは反落の動きがやや大きめ。メルボルンでの感染急増を受けて、ビクトリア州はニューサウスウェールズ州との州境の閉鎖を発表した。

 NY市場は、ドル売りが優勢。市場では先週の強い米雇用統計を受けた楽観的ムードが続いており、経済再開と感染第2波の綱引きの中で、足元の予想を上回る米経済指標や、巨額の財政刺激策、大胆な金融緩和策が引き続きムードを支えている。6月のISM非製造業景気指数が発表になっていたが、57.1と予想以上に強い結果だった。ドル円は107円台での膠着相場のなかで、107円台前半に水準を下げた。ユーロドルは買いが優勢で、1.13台を回復。先週、ドイツ財務省とドイツ議会はECBがドイツ憲法裁判所の要求を満たしたため、ドイツ連銀はECBの債券購入の実施と執行に引き続き参加することが許されるとの判断を表明した。ポンドドルは1.2520近辺まで一時上昇。ベイリー英中銀総裁が今週水曜日に与党保守党の議員でつくる有力組織「1922年委員会」に出席し演説を行うと報じられている。

(7日)
 東京市場は、小動き。ドル円は107円台でのレンジ取引が続いた。107.20台まで下げたあとは107.50付近へと買い戻された。ユーロドルは1.1310台から1.1330台まで上昇したあとは、少し値を戻しての揉み合いに。ドル円とともに前日からのレンジ内での推移にとどまった。この日は豪中銀金融政策会合の結果が発表された。事前予想通り政策金利を維持、生命にも目立った点はみられず、豪ドルは反応薄だった。その後、新型コロナウイルスの感染拡大がここにきて急速に広がっているビクトリア州で、同州の中心で豪州としても二番目の都市となるメルボルンでの6週間のロックダウン再開を決定。豪ドルは対ドルで.0.6950前後に値を落としている。

 ロンドン市場は、ドル買いが優勢。米株先物や欧州株が下落したことを受けて、リスク回避のドル買い圧力がみられた。NY原油先物も軟調。前日まで続伸してきた香港ハンセン指数がきょうは1.38%安と反落して引けており、リスク選好ムードは一服した。株式市場もドル相場も前日までの流れに調整が入る形に。ドル円は107円台前半から後半へと上昇。ユーロドルは1.13台前半から1.12台後半へと下落。豪ドル/ドルは0.69台後半から前半へと下落。ポンドドルは序盤に1.25台割れから1.24台後半に下落も、その後は下げ一服。対ユーロでのポンド買いが交錯している。クロス円も総じて上値が重いが、ポンド円は逆行高とまちまち。ポンドにとっては対ユーロでのポジション調整の影響が大きかった。5月独鉱工業生産は前回4月の落ち込みから急回復したが、事前予想ほどではなかった。欧州委員会は今年の成長予測を引き下げた。豪ドルには原油先物の反落や、対中関係の悪化が懸念された面もあったようだ。

 NY市場では、終盤に入って米株の戻り売りが加速、ドル買いの動きが優勢になった。前半はリスク選好の雰囲気は一服していたもののドル売りが優勢となっていた。ドル円は107円台での膠着相場に変化はみられず。米国での感染第2波への警戒感が強まっていると同時に、きょうは豪州のメルボルンで6週間の都市封鎖を実施すると発表。景気回復への期待と感染第2波への懸念の間で日替わり相場になっている印象だが、きょうは楽観的な見方が一服している。ユーロドルは序盤に1.13ドル台まで戻していたが、終盤になって戻り売りに押されている。ポンドドルも序盤は1.25ドル台後半まで上昇する場面も見られたが、1.25ドル台半ばに伸び悩んだ。

(8日)
 東京市場で、ドル円は小動き。ドル円は午前中に仲値公示にかけて実需関連とみられるドル買い・円売りが入り107.70台まで上昇。その後は買いは一服し、107.50台を中心にもみ合った。ユーロドルは1.1270台を中心として推移が続き、主要通貨に目立った動意はみられなかった。先週の米指標の好結果もあり、今後の景気回復への期待感が広がっているが、新型コロナウイルス感染拡大の動きも広がっており、先行き不透明感が広がる中で、積極的な取引は手控えられた。

 ロンドン市場は、揉み合い商状。欧州株が続落と調整ムードが広がったが、為替市場ではリスク回避のドル買いや円買いの動きは散発的なものにとどまっている。ドル円は107円台半ばで小動き。ユーロドルは1.12台後半で方向性に欠ける動き。ユーロ円も121円台前半を離れず。そのなかでポンドはやや売りに押された。ポンドドルは1.25台後半から前半へ、ポンド円は135円近辺から134円台後半へと軟化した。対ユーロでもポンド売りが優勢。ただ、いずれも前日からの値動きに調整が入る程度と、大勢に変化はみられず。ハンガリーのオルバーン首相は、EUが予算と復興基金で速やかに合意する可能性低い、と発言。ユーロドルが下げる場面があったが、その後は下げ渋った。デギンドスECB副総裁は、最近のデータは成長についてより楽観的になれること示唆、とした。ラガルドECB総裁は、次回理事会での政策維持を示唆していた。バルニエEU首席交渉官が、昨日の英国フロスト氏との協議は有益なものだった、と述べたことでポンドの下げが一服する場面もあった。

 NY市場では、ドル売りが優勢。ドル円は序盤に107円台半ばで振幅したが、次第に107円台前半へと水準を下げた。米株が底堅く推移し、リスク選好のドル売りが続いた。ペンス副大統領は「全米の死亡率は低下している。アリゾナ州、フロリダ州、テキサス州での陽性検査の結果は横ばいを示す初期兆候が見られている」と指摘した。ユーロドルは買いが優勢となり、1.13台半ばまで一時上昇。あすのユーロ圏財務相会合での議長選出人事が注目された。南北EUの共存という現在の認識が維持されるかがポイントに。ポンドドルは1.26台を回復。きょうはスナック財務相が追加刺激策を発表。最大300億ポンド規模で、発表直後はポンド買いの反応も見られていた。ただ、一部からは今回の景気刺激策はポンド押し上げには不十分で、ゲームチェンジャーにはならないとの声も。

(9日)
 東京市場で、ドル円は107円台前半での推移が続いた。前日海外市場での流れを受けて、朝方には107.18近辺まで下押しされた。その後は値を戻して107.30近辺まで下げ渋り。 新型コロナウイルスの感染拡大懸念が継続も、経済再開への期待感もあり、動きがとりにくい展開となっている。午後に入るとユーロドルが上昇。1.1330付近から前日NY高値を上抜けると、1.1370近辺まで上昇した。この後のユーロ圏財務相会合、明日はEU財務相会議、来週にはEU首脳会議が控えており、EU復興基金の議論が深まるとの期待が見られている。

 ロンドン市場は、ドル高方向に調整されている。欧州株や米株先物に利益確定売りが入り乱れるなかで、為替市場では東京市場でのドル売りの動きが反転した。ユーロドルは1.13台後半から前半へ、豪ドル/ドルは0.70付近が重く0.69台後半へと押し戻されている。ドル円は107.20近辺までの下げにとどまると、107.40近辺へと下げ渋り。そのなかで、ポンドドルは1.26台前半から後半まで買われる場面があり、対円や対ユーロでも堅調に推移している。株式市場では引き続きIT関連株が堅調で、ナスダック先物が堅調。ただ、それ以外の業種では調整の動きがみられている。

 NY市場は、ドル買いが優勢。米株に戻り売りが強まり、ダウ平均は一時500ドルの下落となった。米国債利回りも低下する中で、為替市場ではリスク回避のドル買いが強まった格好。感染第2波の拡大が続いており、きょうはそれに敏感になったようだ。フロリダ州の死者と入院者数が過去最高となっている。全米の1日の新規感染者数は6万2000人を超えるなど悪化が続いており、期待ほどの景気回復は見られないのではとの不安も根強い。米新規失業保険申請件数が発表され131.4万人と前回からは数字が低下した。市場は反応薄だった。ドル円は107円台前半での上下動に終始。ユーロドルは1.12台へと反落。ポンドドルは1.26ちょうど近辺へと下押しされた。先月退任を表明したセンテーノ議長の後任にアイルランドのドナフー財務相が選任された。ユーロ相場は目立った反応を示さなかった。

(10日)
 東京市場では、円高の動きが優勢。ドル円は107円を割り込む動きとなっている。クロス円も軒並みの円高進行。ユーロ円は120.50レベルを下回り、ポンド円は134.50レベルを下回った。前日の海外市場から続くリスク警戒の動きが円高の背景。ドル円に関しては、昨日はドル円以外の通貨でのドル買いが下支えとなったが、きょうの東京・アジア市場では円買いの動きが勝っている。ユーロ円やポンド円は戻りがあまりなく、頭の重さが印象的。ユーロドルは1.12台後半、ポンドドルは1.25台後半で上値重く推移している。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。ドル円は東京市場からの下落の流れが継続し、ロンドン序盤に106.71レベルまで下落。その後は下げ渋りも106円台後半にとどまっている。東京市場で軟調に推移していたユーロドルやポンドドルは、ロンドン市場に入ると反転上昇した。ユーロドルは1.12台半ばから1.13手前水準へ、ポンドドルは1.25台な半ばから1.26台乗せへと上昇。米5年債利回りが過去最低水準を記録、同10年債利回りも一時0.56%台まで低下。ドル売り圧力となっている。欧州株は売り先行で取引を開始したあとは、プラスに転じての揉み合いに。米株先物はマイナス圏推移が続いているが、売買交錯の揉み合いとなっている。原油安や金高とリスク警戒の動きは残っているが、株や為替では一服している。

 NY市場はドル売りが優勢となり、ドル円は106円台に下落した。経済再開への期待と感染第2波への懸念の綱引きの状態の中、フロリダ州、テキサス州、カリフォルニア州でのウイルス感染による死亡者数が過去最多になっており、次第に警戒感が高まって来ているようだ。終盤には米株の上げが加速したことから、ドル円も買い戻しが見られたものの、107円台には戻せていない。 

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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