ドル円は106円台後半での推移が続く 107円台に入ると売り圧力も=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は106円台後半での推移が続いている。きょうのNY為替市場はドル買いが優勢となっているものの、ドル円の上値は重い。ドル円はロンドンフィキシングにかけて買いが強まり、107円台に戻す場面も見られたものの一時的な動きに留まった。基本的には106円台後半での狭い範囲での上下動が続いている状況。107円台に入ると売り圧力も強まり上値が重くなるようだ。
アップルが感染拡大で一部店舗を再閉鎖していることや、きょうもフロリダ州の感染拡大の加速が見られるなど、感染第2波への警戒感が根強い。そのような中で為替市場ではドル買い戻しの動きが続いている。
目先は今月安値の106.60円が下値サポートとして意識される。この水準を割り込むと下げが加速し、5月安値の106円ちょうどを試すとの声も聞かれる。ただ、米株や原油が底堅く推移しており、上値は重いものの、下値を試す雰囲気はまだ見られていない。
ユーロドルは売り優勢。一時1.1170ドル近辺まで下落する場面も見られた。本日の21日線が1.1185ドル付近に来ているが、その水準を一時割り込んでおり、来週以降の動きが注目される。
きょうはEU首脳会談が開催されていたが、特に声明も出なかった。一部報道では7500億ユーロ規模の復興基金について議論を行った模様でドイツとフランスは来月までの合意成立を呼び掛けたという。この復興基金について一部からは、承認が予想されるものの、市場はすでにその大半を織り込んでおり、期待ほどユーロ押し上げにはつながらないとの見方も出ている。ユーロドルが上昇するとすれば、下半期にかけて世界経済が回復を示し、リスク回避のドル買いが弱まれば、ユーロは恩恵を受ける可能性があると言う。
ポンドドルも戻り売りが続いた。きょうは1.2350ドル付近まで下落し、21日線を下放れる動きが見られたほか、5月安値から6月高値の上昇波のフィボナッチ61.8%戻しの水準まで到達している。対ユーロや円でもポンドは下落し、ポンド円は132円ちょうど付近まで一時下落。
きょうは英政府債務残高がGDP比で100%を突破したことが伝わり敏感に反応していたようだ。1963年以来の悪化で財政赤字に対する懸念がポンドを圧迫した模様。英財政赤字については以前から言われていた話で特に驚きはない。ドル買い戻しの流れが強まる中で、これまで市場も看過していたポンドの悪材料に敏感になっているのかもしれない。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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