【直前まとめ】ECB理事会 PEPPの拡大・延長・キャピタルキーなどがポイントに
本日20時45分にECB理事会、21時半からラガルド総裁の会見が行われる。
政策金利については現状維持で市場の見通しが一致している。
注目は量的緩和、とくに3月にスタートしたパンデミック緊急購入プログラム(PEPP)の拡大、延長、キャピタルキーなどの条件の変更について。
現在7500億ユーロ規模で今年年末までを期限として実施されているPEPP。
従来のQEプログラム(PSPP)の購入対象に加えて、金融機関以外のCPなど、適格資産として認められていなかった資産も購入対象となっている。
ECBはPEPPにより4月に1030億ユーロ、5月に1160億ユーロの資産を購入した。このペースでは10月にも購入枠を使い切ることもあり、購入額の拡大が見込まれている。
また、ラガルド総裁はユーロ圏の経済について、今年の成長率が-12%近くまで落ち込む可能性を指摘している。こうした状況を受けてPEPPの期限を年末ではなく来年半ばごろまで延長する可能性が指摘されている。
もう一つポイントとなるのがキャピタルキーの問題。ECBがPSPPで国債を購入する場合、ECBへの出資比率に基づいて購入の割り当てを決めるというキャピタルキーというルールがある。PEPPもこのルールは適用されるが、短期的にはニーズの高い国の流動性供給を優先させるとしており、実際、4月5月はドイツとの利回り格差が広がったイタリア国債の購入を増やしている。
このキャピタルキーの運営についてより柔軟な姿勢を示してくるなどの可能性がある。
こうしたPEPPの拡充により、ユーロ圏経済を支える姿勢がよりはっきりすると、ユーロには買い材料となりそう。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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