ドル円は上げ一服も本日高値圏での推移=NY為替後半
NY時間の終盤に入って、ドル円は上げが一服しているものの本日高値圏での推移が続いている。きょうのNY為替市場は円売りが強まり、ドル円はロンドンフィキシングにかけて買いが加速した。NY時間に入って突如ドル円に買いが強まり、ストップを巻き込んで108.75円付近まで上昇。
ドル自体は軟調で、きょうは円安がドル円を押し上げたようだ。ユーロ円やポンド円といったクロス円も上昇。ただ、円売りを誘発する特段の材料は見当たらず、実需の円売りがまとまって入った可能性もありそうだ。
ドル円はきょうの上げで一気に200日線を回復。ドル買いのフォローが見られない中で、どこまで上値を追えるか、明日以降の動きが注目される。
ユーロドルは買い戻しが加速し、1.12ドルをうかがう動きも見られた。200日線を上放れる展開が続く中で、1.1150ドルの水準は意識されていたポイントだったが、その水準を突破したことでテクニカル的にも弾みがついたとの声も聞かれる。ただ、過熱感を測るテクニカル指標であるRSIは、買われ過ぎの水準である70に接近しており、過熱感も否めない状況ではある。
この日はメルケル独首相が与党の党員に対して、第2次の景気刺激策で譲歩を求めているとの報道が伝わったこともユーロをサポートしている模様。報道では、ドイツ政府は最大1000億ユーロの第2次景気刺激策を模索するという。
ポンドドルも買い戻しが続き、一時1.2575ドル近辺まで上昇。きょうからEUとの貿易交渉が再開しているが、英タイムズ紙が、「英国が漁業権などで譲歩する用意がある」と伝えたことでポンド買いが強まった。ただ、この報道に対してスナック英報道官は「それはEUの希望的観測であり、英国は公平な競争条件確保や漁業権で妥協はしない」と否定していた。
市場も懐疑的で、バルニエEU首席交渉官は日曜日のサンデータイムズ紙のインタビューで「英国はより現実的になるべきだ」と発言しており、今週中に大きな進展はないのではとの見方も少なくない。もし、必要最低限の合意が形成できれば、ポンドのポジティブな反応も期待できるが、内容次第では、上値は限定的になるとの指摘も出ている。完全解決の道筋が見えない限り、ポンドの上昇は短期的になるとの見方も根強い。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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