リスク選好のドル売りと円売り、ドル円は上値重い＝ロンドン為替概況

リスク選好のドル売りと円売り、ドル円は上値重い＝ロンドン為替概況

　２６日のロンドン市場は、リスク選好のドル売りと円売りが交錯している。経済再開の動きを受けた株高や原油高を受けて、ユーロドルやポンドドルが買われるなどドル安が進行。クロス円も上昇しており、円安の動きが加わった。ユーロドルは1.09台前半から後半へ、ポンドドルは1.22台前半から1.23台乗せへと上昇。ユーロ円は一時118円台を回復、ポンド円は132円台乗せから132円台後半へと買われた。ただ、取引中盤にかけては欧州株が上げ幅を縮小、原油高も一服しており、やや調整が入っている。そのなかで、ドル円は売りが優勢。東京市場朝方の上昇は107.92レベルまでと108円に届かず。その後は上値重く推移し、ロンドン市場では下押しに転じている取引中盤には107.50台へときょうの安値を広げた。ビルロワデガロー仏中銀総裁は、ＥＣＢの強い政策対応のなかで、ＰＥＰＰは傑作だといえよう、と自画自賛。政策金利の変更は、現時点では必要ない、としてマイナス金利の深堀を否定していた。ホールデン英中銀委員は、マイナス金利についての議論と、実行することは別のものだとしており、マイナス金利導入についての明言を避けていた。５月英ＣＢＩ小売調査指数は４月からやや改善し、最悪期からは回復していた。

　ドル円は107円台半ばでの取引。東京市場朝方の上昇は107.92レベルまでと108円に届かず。その後は上値重く推移し、ロンドン市場では下押しに転じている取引中盤には107.50台へときょうの安値を広げた。株高でリスク選好のドル安と円安が交錯したが、ロンドン午前の取引ではドル安の面がまさっていた。

　ユーロドルは1.09台半ばでの取引。1.09台前半から後半へと上昇し、高値を1.0973レベルに更新した。ユーロ円は117円台後半から一時118.24レベルまで買われたが、その後はドル円の下げとともに117円台後半に押し戻されている。ただ、欧州株や米株先物はプラス圏で推移しており、リスク動向は良好。ビルロワデガロー仏中銀総裁は、ＥＣＢの強い政策対応のなかで、ＰＥＰＰは傑作だといえよう、と自画自賛。政策金利の変更は、現時点では必要ない、としてマイナス金利の深堀を否定していた。

　ポンドドルは1.23台前半での取引。1.22台前半での揉み合いを上抜けると騰勢を強め、1.23台乗せへと上昇している。ポンド円は131円台後半から一時132円台後半まで上伸。その後はやや調整が入っているが、132円台を維持している。対ユーロでもポンド買いが優勢で、ユーロポンドは0.89台を割り込んでいる。ホールデン英中銀委員は、マイナス金利についての議論と、実行することは別のものだとしており、マイナス金利導入についての明言を避けていた。５月英ＣＢＩ小売調査指数は４月からやや改善し、最悪期からは回復していた。

minkabu PRESS編集部 松木秀明