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今週のまとめ5月18日から5月22日の週

為替 

 18日からの週は、円安の動きが先行した。米欧主要国でロックダウンの緩和・解除の動きが相次いでおり、経済再開への期待感が広がったことが背景。5月の英欧PMI速報値は予想以上の改善を示しており、今後の経済活動への期待を示していた。多くの市場で株式相場は前週比上昇している。ただ、週後半にかけては米中の対立を警戒した動きもみられており、やや調整に押されている。WHO、台湾、香港などについてトランプ米大統領の言動に中国が不快感を示した。また、政策期待もあった中国全人代だが、経済成長目標の発表が見送られる異例の事態となった。個別通貨では、ポンドが軟調。6月MPCでのQE拡大やマイナス金利検討などが話題になっていた。日銀は臨時会合を開催し、中小企業向け資金供給策を発表したが、ドル円相場は反応薄だった。前週のメキシコ中銀に続いて、この週にはトルコ、南ア、インドなど新興国の各中銀が利下げを実施した。新興国ではやや遅れて新型コロナに対応する景気下支えの動きが強まっている。

(18日)
 東京市場は、資源国通貨が堅調。先週末中国鉱工業生産の回復による需要増への期待や、稼働リグ減少での供給抑制の期待から大きく上昇したNY原油先物が、週明けも上昇基調を続け、3月17日以来の30ドル台を回復したことを好感してカナダドル、豪ドルなどに買いが集まった。豪ドル円は一時69円台乗せ。本邦第1四半期GDPは2期連続のマイナスでリセッション入りとなったが、想定されたこととして反応薄だった。ドル円は107円台前半の狭いレンジで揉み合った。

 ロンドン市場は、やや円売りが優勢。NY原油先物が32ドル台へと上伸、米株先物や欧州株が堅調に推移していることが背景。ドル円は107円台前半、ポンド円は130円台乗せ、豪ドル円は69円台前半で本日の高値を広げている。独連銀月報では、第2四半期の経済活動が第1四半期を大幅に下回る見込みと指摘された。デコス・スペイン中銀総裁は、新型コロナ対策はまだ不十分だとしている。その一方で、レーンECB理事は、状況がタイトになればPEPPの規模と期間を調整すること可能だとした。レグリングESM最高経営責任者は、独憲法裁の判断後もECBのアプローチは変わることないだろう、と述べた。ポンド関連では、6月の英金融政策委員会(MPC)を控えて、アナリストの約半数がQE増額を予測との調査結果が報じられた。豪ドルなど資源国通貨が堅調。豪ドル/ドルは0.64台半ば超えへと高値を伸ばしている。ポンドは対ドルや対ユーロでも買われた。

 NY市場は、ドル円が堅調。107.50付近まで一時買われた。リスク選好の雰囲気が強まり、円安の動きがドル円をサポートしている。パウエルFRB議長の発言と原油高、そして、ワクチン開発への期待が市場のムードを高めている模様。パウエル議長は「弾薬が尽きているわけではない。貸し出しプログラムに制限はない」と述べた。ただ、107.50近辺から上にはいまのところ慎重な気配だ。2次感染の拡大や米中対立への警戒感から不透明感は根強い。ユーロドルは1.09台を回復。EUが5000億ユーロ規模の復興計画を検討していると報じられた。ポンドドルも6日ぶりに反発し、1.22ドル台を一時回復。ただ、途中から上値が抑えられている。テンレイロ英中銀委員が「英中銀がすべての選択肢を排除しておらず、自身の見解ではマイナス金利はポジティブな効果があった」と述べていた。

(19日)
 東京市場で、ドル円は107.40前後での揉み合い。前日の米株高、NY原油高などの動きを受けて、ドル高円安基調が継続も、前日NY市場での高値107円台半ばからの買いには慎重で上値進行も抑えられた。ユーロドルはドル高の動きに1.0920台から1.0902近辺まで下落する場面が見られたが、1.09の大台を維持したこともあり、その後は少し戻しての揉み合いに。豪ドル円は堅調。朝方にNY原油先物が一段高となると直近高値を上回り、一時70.36レベルまで高値を伸ばした。しかし、原油が反落すると70円台割れ。その後は70円ちょうど付近に落ち着いた。

 ロンドン市場は、ドル円とクロス円が上昇。ロンドン朝方に発表された英ILO雇用統計で失業率が予想外に改善したことや、その後発表された独ZEW景況感指数が予想以上に上昇したことなどが景気底入れ期待を広げた。欧州株は前日の大幅高の反動で売りが優勢だが、米企業決算を受けて米株先物が再び上昇気配を示しており、全般にリスク選好の地合いは維持された。また、日銀が22日に臨時会合を招集すると発表しており、中小企業向けの資金供給について検討されるもよう。ドル円は107.70台へと上昇し、直近高値を試す動きに。ユーロ円は118円台乗せ、ポンド円は132円台をうかがっている。ユーロドルは1.09台後半へと上昇。ポンド円は朝方に1.22台後半まで買われた。ドル円以外の主要通貨ではドル売りが優勢になっている。

 NY市場で、ドル円は一時108円台を回復。日銀が臨時の決定会合を22日に開催すると発表したことが円安を誘っている。前回の決定会合で黒田総裁が執行部に指示した中小企業などに対する新たな資金繰り支援制度の詳細をはじめ、当面の金融政策運営について議論する。総裁は、新たな資金繰り支援制度について6月中旬の決定会合を待つことなく、臨時の会合でも開いて早急に始めたいと早期実施に意欲を示していた。きょうは米株に戻り売りが強まり、リスク選好のドル売りが一服したこともドル円をサポート。トランプ大統領の世界保険機構(WHO)に対する声明で米中対立激化への懸念が再燃。大統領はテドロスWHO事務局長に書簡を送り、資金を恒久的に引き上げると通告した。ユーロドルは伸びを欠き、1.09台前半で推移。ポンドは終盤に伸び悩んだが、きょうは買い戻しが優勢で一時1.22台後半まで買われる場面があった。ポンド円は132円台を回復。

(20日)
 東京市場で、ドル円は107円台後半での取引。朝方はゴトウビ関連のドル買い円売りもあって107.98レベルまで買われた。しかし、前日NY市場で上値進行が抑えられた108円台には乗せ切れず、その後は107円台後半での揉み合いが午後にかけて続いた。2011年以来の臨時会合が22日に開催されることが決まった日銀金融政策決定会合での緩和期待などが支えも、対中小企業向け融資などの対応であり、インパクトに欠ける面も。ただ、日経平均は堅調な動きだった。午前を中心に資源国通貨買いが優勢だった。原油相場が上昇が買いを誘った。一方で、米中対立の激化懸念などが重しとなる面もあった。

 ロンドン市場は、ドル円が軟調となる一方で、クロス円は底堅く推移。朝方に発表された4月の英消費者物価など一連の物価統計が弱かったことでポンド売りが先行。ポンドドルは1.22台後半から前半へ、ポンド円は132円割れから131円台半ばへと下げた。欧州株が前日の米株安を受けて軟調に取引を開始するとポンド円の下げとともにドル円も下押しされる。ユーロ円は117円台後半、豪ドル円は70円台前半へと下落。原油先物にも調整売りが入った。しかし、米株先物が前日の下げから反発し、上げ幅を広げる動きに欧州株も下げ渋る。ポンドドルは1.22台後半、ポンド円は一時132円台を回復。ユーロドルは1.0960台、ユーロ円は118円手前へと下げ渋っている。豪ドル円は70.80近辺へと高値を伸ばす動き。原油先物も再び上昇。リスク動向が目まぐるしく変化しており、為替市場も振幅した。ドル円は取引中盤にかけて107.50台へと下げ幅を拡大している、108円が重かったことで調整売りがでているようだ。

 NY市場では、ドル売りが優勢。きょうの市場はリスク選好の雰囲気が強まり、ドル売り圧力がドル円の上値を圧迫している。ただ、同時に円売りの動きも見られており、下押す動きまでは見られていない。ボラティリティの低い相場展開が相変わらず続いている状況。市場は引き続き経済再開に期待感を強めている模様。午後にFOMC議事録が発表された。マイナス金利に関する言及は何もなく、結果ベースまたは日付ベースのフォワードガイダンスを検討していたことが明らかになった。特に為替市場の反応はない。ドル円は107円台前半まで一時軟化。一方、ユーロドルは買い戻しが目立った。1.10台乗せ目前まで上昇。市場はEUの5000億ユーロ規模の復興基金創設への期待感を高めているようだ。ポンドドルも1.22台後半へと上昇したが、1.23台回復には至らず。きょうの英国債入札で、初めて落札利回りがマイナスとなった。マイナス金利を巡る英中銀の議論を後押しする動きも見られる中、ベイリー英中銀総裁の議会証言に注目が集まっていた。総裁は「英中銀は何事も排除せず、マイナス金利を否定しない」と述べ、含みは残した格好。

(21日)
 東京市場で、ドル円は107円台後半での揉み合い。朝方は、前日海外市場でのドル安・円高の流れを受けて107円台半ばで取引を開始した。その後はドル買いが優勢となり、一時107.75前後まで上昇した。午後にかけては狭いレンジ取引が続いている。下値は堅いものの108円台では売りが待ち構えているようだ。昨日の海外市場で1.10手前まで上昇したユーロドルは、朝方は1.0980前後だったが、その後はユーロ売りドル買いの動きが優勢に。1.10超えを付けきれなかったことで買いに一服感。ユーロ円も118.20前後から118円割れを付ける動きが見られた。午後は118円ちょうどを挟んでのもみ合いが続いた。

 ロンドン市場は、欧州通貨が堅調に推移。欧州株が下落して取引を開始し、序盤は下値を模索する動きがみられたが、一連のユーロ圏5月PMI速報値と英5月PMI速報値が予想以上に改善したことが好感され、反発に転じた。ユーロドルは1.0950台まで下押しされたあと、取引中盤には1.1000近辺へと上昇、前日高値を上回った。ユーロ円は118円割れ水準から118.50付近へと上昇。ポンドドルは1.21台後半から1.22台円台半ばへ、ポンド円は131円台前半から131円台後半へと上昇。ドル円は序盤に高値を107.85レベルまで広げたあとは、107.70-80レベルでの揉み合いに落ち着いている。パネッタECB理事は、仏独首脳の提案は意義深い前進だ、と5000億ユーロ規模の復興基金創設についてコメントした。一方、5月の英CBI製造業受注指数が過去最悪水準を更新しており、ポンド買いに水を差した。安倍首相の5都道府県が今の状況続けば25日にも解除可能、との発言で経済活動再開への期待を広ける面もあったが、ドル円の反応は限定的だった。

 NY市場は、米株動向をにらみながらの落ち着いた展開。ややドル高の動きも見られていた。市場では経済再開への期待とともに米中対立への懸念も強まっている。トランプ大統領が議会に、中国に対する戦略的なアプローチについて書簡を送付したことがドル買いの手掛かりになったもよう。注目の米新規失業保険申請件数も発表され、申請件数は243.8万件と予想を上回ったものの、特に悪材料視はされず。ドル円は107円台後半での揉み合い。あすの日銀臨時会合を控えて動きにくい面も。ユーロドルは戻り売りに押された。1.10台乗せでは上値の重さが確認されている。ポンドドルは1.22台前半での推移。市場では英中銀がマイナス金利を採用するのではとの見方が広がってきている。英国債市場では5年債利回りが初のマイナス領域となり、織り込みを進めていると指摘されている。

(22日)
 東京市場は、円買いが優勢。ドル円は朝方につけた107.76レベルを高値にその後は下落。午後には107.50割れへと軟化した。2012年以来の臨時金融政策会合で、日銀は当初から報じられていたとおり新型コロナウイルスの影響を受けている中小企業に対する新たな資金繰り支援制度の導入を決定した。想定された内容としてドル円は売られた。2カ月半遅れで開幕した中国全人代では、経済成長目標の発表が見送られた。国家安全法の導入を協議するとした。米中の対立が激化する懸念が広がった。香港株が急落している。ユーロ円は118円手前から117.30近辺へ、豪ドル円は70円台後半から前半へと下押し。

  ロンドン市場は、リスク回避の円買いとドル買いの動きが広がっている。WHOや台湾問題に加えて、香港をめぐって米中関係の悪化が懸念されている。中国全人代での国家安全法について米国側が強い措置をとるとしたのに対して、中国側は内政干渉だと反発。また、全人代で経済成長目標の数字が発表されなかったことも市場に警戒感を与えた。今日発表された英財政赤字は新型コロナ対策で過去最大となった。英中銀副総裁は、QE拡大やマイナス金利に含みを持たせていた。ポンドドルは1.22台割れから1.21台後半へ、ポンド円は131円台割れから130円台後半へと下落している。ユーロドルは5月18日以来の1.08台へと一時下落、ユーロ円は117円ちょうど付近へと下押しされている。ドル円は欧州株安とともに107.30台まで一時下落したが、その後は107円台半ばに落ち着いている。原油安、金相場上昇、欧州株や米株先物が下落するなどリスク回避相場となっている。

 NY市場でドル円は、これまでと変わらず107円台でのレンジ取引に終始した。東京時間に107.35付近まで値を落としたものの、NY時間にかけてやや買い戻されている。ただ、情勢に変化は見られず、108円台を試そうという動きまでは見られていない。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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