ドル安・円安の動き広がる、欧州株や米株先物堅調で＝ロンドン為替概況

ドル安・円安の動き広がる、欧州株や米株先物堅調で＝ロンドン為替概況

　７日のロンドン市場は、ドル安と円安の動きが広がっている。週明けの米欧での新型コロナウイルスの感染拡大ペースが鈍ったことを受けたリスク選好ムードが継続している。米株先物は時間外取引でダウ平均が８００ドルを超える上昇幅になっている。欧州株も全面高となっており、独ＤＡＸ指数は一時４％高に。米債利回りも上昇し、１０年債は０．７５％近辺に上昇。この日は、スペインでの感染拡大ペースが再び上昇、ジョンソン英首相は人工呼吸器は使用していないが、引き続き入院している。また、安倍首相が正式に緊急事態宣言を行った。ただ、不安材料には目立った反応をみせていない。ドル円は109円台乗せへと反発。ユーロドル1.08近辺から1.08台後半へ、ポンドドルは1.22台半ばから1.23台前半へ、豪ドル/ドル0.61台前半から後半へと上昇。クロス円もユーロ円が118円台前半から後半へ、ポンド円は134円台乗せ、豪ドル円は67円台乗せなどへと上伸している。

　ドル円は109円台前半での取引。東京市場では108.67レベルまで下押しされたが、米株先物や欧州株の大幅上昇とともにロンドン市場では109円台を回復している。安倍首相が正式に緊急事態宣言を行った。罰則はないものの、行動を控えるように強く要請している。

　ユーロドルは1.08台後半での取引。ロンドン序盤に1.08台前半から一時1.0893レベルまで上伸した。ユーロ円も117円台後半から118.85レベルまで大きく買われた。その後はやや動き一服も調整は浅い。スペインでの感染拡大ペースが再び上昇したと報じられたが、目立った反応はみられなかった。

　ポンドドルは1.23近辺での取引。東京市場ではジョンソン英首相の容態が悪化したとの報道を受けて1.2166レベルまで下落する場面があった。しかし、その後は買いに転じている。ロンドン市場では1.22台後半から1.2350レベルまで上伸、東京市場での下げを消した。ポンド円も東京市場で一時133円台を割り込んだが、その後は買いが強まった。ロンドン市場では134円台に乗せており、高値を134.52レベルまで伸ばした。ジョンソン英首相は入院しているが、人工呼吸器は使用していない、酸素吸入を使っている、と報じられた。予断は許さないものの、深刻な状況ではないようだ。

MINKABU PRESS 松木秀明