ドル円は109円台前半での推移 ピークアウトへの期待感=NY為替前半
NY為替市場でドル円は109円台前半での推移が続いている。きょうは新型ウイルス感染関連のリスク回避の雰囲気が一服しており、ドル円は買いが優勢となっている。200日線を上放れる展開を見せており、109円付近に来ている100日線も上回る動きを見せている。
新型ウイルス感染による全米死者数のうち約半数を占めるNY州のクオモ知事が日曜日の会見で「1日の死者数が初めて前日よりも減り、新たな入院患者も前日と比べて半減した」と述べたことで、ピークアウトへの期待感を市場では高めているようだ。米当局者は、「最も厳しい1週間になる」と述べるとともに、トランプ大統領も「トンネルの先に光が見えている」と語っていた。
ただ、外出制限の解除はいまだ見通しが見えず、経済への影響が懸念される中で、ドル円は底堅く推移を見せてはいるものの、上値に慎重な面も見られている。
明日、安倍首相は東京など7都府県を対象に1ヵ月程度の緊急事態宣言を発令する意向。一部からは円高の反応も警戒されていたが、いまのところは、その動きは見られていない。また、事業規模108兆円程度の緊急経済対策も伝わっていたが、いまのところ市場の反応はない。
ドル買いは一服しているものの、ユーロドルは浮上する気配を見せおらず、1.08ドルちょうどを挟んで一進一退の値動きが続いている。EU内では大型の景気刺激策に伴う財政規律を巡って北欧と南欧に意見の相違が見られ、EUの指導者たちは回復をリードするような効果的な経済対策をまとめるのは難しいとの見方が多い。その意味では明日のユーロ圏財務相会合に注目されるが、ウイルス感染による経済的な打撃に直面している加盟国をどのようにサポートするか、行き詰まりを打開できるか注目される。
直近安値は先月に付けた1.0635ドル付近だが、その水準を再度試しそうな気配はなお続いている。市場の一部の期待通りに世界経済が早期に回復に向かうとの予想が正しければ、下期にはユーロドルは買い戻しが強まるとの見方もあるものの、なお不透明な情勢は続いている。
ポンドドルも買い戻しが出ており、一時1.23ドル台まで上昇する場面が見られた。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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