ドル円は108円を挟んで上下動 ドル需要緩和も再び高まるリスクはまだ燻る=NY為替概況
きょうの為替市場はドル買いが優勢となり、ドル円は108円台を一時回復。週明けの原油相場が20ドルを割り込んだことや、新型ウイルス感染の拡大が依然として続いていることが、リスク回避のドル買いを呼び込んでいるようだ。トランプ大統領が4月中旬までの正常化の目標を撤回したことも懸念を強めたほか、月末及び期末のフローもドル買いをサポートしている模様。
先週に成立した2.2兆ドル規模の景気刺激策や、FRBの無制限の量的緩和(QE)の発表で、市場ではドル需要の圧力が緩和している。しかし、短期金融市場では、6月に向けて再びドル需要が高まる可能性はまだ燻っているとの指摘もあるようだ。
その一方で、一部からはリスク資産は底との楽観的な見方も出始める中、米株が反発しており、円安がドル円をサポートしている。
ユーロドルは軟調な展開。先週は急速に買い戻しが強まったが、きょうは一服感が出ているのかもしれない。1.10ドルを下回った水準には買い圧力もあるようで、1.10ドル台は維持。ただ、一部には新型ウイルス感染の影響は米国以上にユーロ圏への打撃が大きいとして、ユーロドルは第3四半期にかけて1.02ドルまで下落する可能性があるとの予測も聞かれる。
ポンドドルも売り優勢となっているものの、ユーロほどの下げは見られていない。ただ、ポンドに対する弱気な見方は少なくない。先週、フィッチ・レーティングスが英国の格付けを引き下げたが、財政と経済活動へのウイルスの影響を理由に挙げている。英政府の企業と雇用を支援する措置はかなり強固なもののようだが、今回のパンデミックは、EUとの貿易交渉の行方も不透明にしているという。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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