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今週のまとめ3月23日から3月27日の週

為替 

 23日からの週は、相場の流れが大きく転換した。引き続き世界的な新型コロナウイルス感染拡大が深刻化しており、その経済への打撃が懸念されている。しかし、米FRBが必要なだけ、期限を設けず国債やCPを購入する無制限QEを発表。各国中銀も追加緩和や中小企業の資金繰りへの対応を急いだ。また、G7やG20が緊密に連絡を取り合い、財政面での協調姿勢も確認されている。感染拡大が激しい米国では、ようやく米上院で景気対策法案が可決し、超党派でこの問題に立ち向かう姿勢が示された。コロナ相場で急落した株式市場はようやく大幅な反発の動きをみせた。そのなかで為替市場では緊急避難的なドル買いの動きは影を潜めている。米FRBが各国中銀にドル資金供給を行っており、市場でのドル枯渇感は一掃されてきている。ドル指数は、週明けに上昇がピークアウトしており、その後は連日の低下をみせた。ドル暴騰相場のほぼ半分程度は戻す形になっている。ドル円は111円台から107円台へと下落。ドル買い圧力の軽減とともに、東京での感染拡大が警戒感を高める面も加わった。


(23日)
 東京市場は、ドル売りが優勢。新型コロナウイルスによる世界経済危機に備えるため、先週までの外為市場では現金を確保するためのドル高が続いたが、週明けの東京市場ではドル買いが一巡し、ドル相場は調整安となった。ドル円は109円台後半まで下落。ユーロドルは1.07台半ばまでユーロ高・ドル安となった。その他の通貨に対してもドル高は一巡しており、ポンドドルは1.16台後半、豪ドル/ドルは0.57台後半で推移した。NZドル/ドルは0.56台半ばで推移し、量的緩和を開始することに伴うサプライズは、ほぼなかった。コロナショックによって、各国政府・中銀による緊急対応が相次いでいる。ユーロ円は117円台後半から118円台半ば、ポンド円は127円台後半から129円台半ば、豪ドル円は62円台後半から64円台半ばで推移。ドル円の下げに圧迫された。

 ロンドン市場では、ドル円が反発。東京市場では総じてドル売り優勢だったが、ロンドン市場ではドル買い方向に戻す動き。ドル円は109円台後半まで下落したあと、ロンドン午前には110.70近辺まで反発した。ユーロドルでもドル買いが優勢。1.07台後半まで買われたあとは、1.06台後半へと反落。米株先物は下方向のサーキットブレーカーは解除されている。週明けの欧州株は売り先行も、先週後半の安値は割り込まず、何とか持ちこたえている状況。FRBによる主要中銀へのドル資金融通が始まっており、市場の不安をやや緩和する効果もあったか。ただ、米国での主要州での外出禁止措置やイタリア、スペインでの感染拡大が続くなかで、アジア市場も含めて週明けの株式市場は売りに押されている。そのなかでドル円の方向性が錯綜しているように、ドル高一辺倒の動きからは落ち着く兆しも。このあとの米株式市場の動向が注目される。

 NY市場では、ドル相場が振幅。当初はドル売りが先行した。米FRBが景気支援策第2弾を発表したことに反応。15日に発表したQEの上限枠を撤廃し、必要場だけ購入すると事実上の無制限購入を発表した。企業や地方政府への信用フロー供給のためのプログラムも発表。これを受けて米株先物が大幅上昇。ドル円は110円台後半から110円割れまで下落した。ユーロドルは1.06台後半から1.08近辺へ上昇、ドルが全面安となった。しかし、米株が通常取引でマイナス圏でスタート、その後も売りが優勢となり、再びリスク警戒ムードに。NY午後には米上院で昨日に続いて緊急経済対策法案が不成立となり、市場の失望感を誘った。再びドルが買われドル円は111円台半ばへと上昇。ユーロドルも1.07台前半まで再び下落し、ドル全面高へ転じた。 

(24日)
 東京市場では、ドル買い一巡した。ドル円は110.09近辺まで下落。ユーロドルは1.08台前半、ポンドドルは1.16台半ばまでのドル安推移となっている。コモディティ価格の下げ一服で、資源国通貨である豪ドルの戻りが目立ち、豪ドル/ドルは0.59台半ばまで上昇した。新型ウイルスを背景とした経済危機に備えるために現金でドルを確保する動きが強まっていたが、今週に入ってからはドル買いは一巡する方向にある。米FRBが再び緊急会合で無制限のQEを打ち出したことで、前日の米株式市場は支えきれなかったが、東京市場に入ってからは金融市場の神経質さは緩和されている。ユーロ円は119円台前半を中心に小動き。ポンド円は127円台後半から128円台半ばで上下動。円高と欧州通貨高に挟まれており、方向感は限定的だった。

 ロンドン市場では、ドル売りが強まった。東京やアジア市場での株高の動きに、米株先物も時間外取引で反発。欧州株も大幅反発で取引を開始した。ロンドン朝方はドル売りとともに円安の面もみられ、ドル円がじり高となるなかでクロス円が上昇、ユーロドルなど主要通貨に対してドルが売られた。その後、株高の勢いが弱まる場面があったが、再び息を吹き返した。米株先物が3指数とも上方のサーキットブレーカーが発動されている。欧州株は一段高に。為替市場では次第にドル売りの面が強まり、ドル円も111円手前から110円台前半へと一時押し戻された。クロス円は堅調。ユーロ円は119円近辺から120円台乗せ、ポンド円は128円近辺から130円台乗せとなった。ユーロドルは1.07台後半から1.08台後半へ、ポンドドルは1.16近辺から1.17台後半へと上伸。前日までの値動きに巻き返しが急となっている。顕著な例としては、これまで売り込まれてきたノルウェークローネが対ドルで約6%急反発している。

 NY市場で、ドル円は大きく上昇した。ロンドン昼の時間帯から上昇の流れが継続、111円台に乗せた。米議会が2兆ドル規模の大きな景気対策法案をきょうにも成立させるとの思惑がリスク選好の動きにつながった。ダウ平均が過去最大の上げ幅を記録する動きとともに円売りが進行した。ユーロドルは1.08台後半から一時1.0750近辺まで下落。ただ、ユーロ円が120円台半ばへと上伸しており、ユーロドルの下げを緩和した。ポンドドルは堅調。東京、ロンドン市場と買われたあと、一時1.18ちょうど近辺まで一段と買われた。英国では外出禁止令を受けた景気後退懸念があるなかで、英中銀が追加的なオペの実施を発表しており、英国株が上昇。ポンド買いにつながっていた。ドルカナダは1.45を挟んでの振幅。原油相場動向をにらんで神経質な動きだった。

(25日)
東京市場で、ドル円は下に往って来い。午前の取引では売りが優勢。月末・四半期末に伴う円買い・ドル売り需要が重石となった。5・10日で実需売買が集中した面も。ドル円は111円台割れから一時110.76近辺まで下落した。日経平均の大幅続伸には円売りの動きが限定的。しかし、米大統領補佐官の発言として、景気対策法案の合意が非常に近いと伝わると、ドル円は111円台半ばへと再び上昇した。ユーロ円は119.51近辺まで軟化したあと、120円台半ばまで切り返した。ポンド円は130円台半ば、豪ドル円は65円台後半に下落後、131円台後半、67円台前半まで反発した。ユーロドルは1.08台前半、ポンドドルは1.18台半ば、豪ドル/ドルは0.60台半ばまでのドル安推移。

 ロンドン市場では、円売りが一服。序盤は前日の米欧株急伸やきょうの東京アジア株の大幅高を受けてリスク選好的な動きが。トランプ政権が米議会の与野党指導者らと景気刺激策について合意したとの報道が好感された。欧州株も続伸スタート。為替市場ではドル円とクロス円がそろって買われ、ドル円は111円台半ば、ユーロ円は121円台手前、ポンド円は133円台乗せまで大幅に上昇した。しかし、スペインでの1日の新型ウイルス感染死亡者数が過去最大、チャールズ英皇太子が検査で陽性反応など欧州での感染拡大が報じられると、株式市場は勢いを失った。欧州株、米株先物はともに前日比マイナス圏に転じた。為替市場でも円売りから円買いに反転。ドル円は111円台前半、ユーロ円は120円台前半、ポンド円一時132円台割れとなり、序盤の円安の動きを帳消しにしている。

 NY市場では、ドル円が111円台での取引に落ち着いた。朝方はややドル売り優勢。ロンドン市場での上昇が111.50台で抑えられたことでいったん利益確定売りが入った。その後は昼前にかけてドル買いの動き。2兆ドル規模の米景気対策法案への期待感がドル買い・円売りを支えた。クロス円もしっかりとしており、ユーロ円は121円台に一時乗せた。米株は神経質な動き。ダウ平均は700ドル超の上昇のあと、800ドル以上反落し、マイナス圏に沈むなど不安定な動き。その後は1300ドル超の上昇で22000ドル台回復と強い動きを見せて引けた。ドル円の高値は111.68レベルまで。ユーロドルは上昇し、1.09台に接近。ECB関係者が、2012年の欧州通貨危機の際して用いられた必要な分だけのOMT発動の可能性を示し、市場の期待感につながった。
 
(26日)
 東京市場で、ドル円は下落した。海外市場で111円台半ばから後半で上値を抑えられる展開が続いており、本日もこのパターンに。ドル円は110.46レベルまで下押しされた。この後に発表される米新規失業保険申請件数が急増する可能性が高いことが、ドル円を圧迫した面もあるようだ。コロナショック以前には22万件程度で安定していたが、今回の予想は400万件までの増加を見込んでいる。ユーロ円は120.51近辺、ポンド円は130.57近辺、豪ドル円は64.92近辺まで一時下落。ユーロドルは1.09台前半で堅調。ECBがOMT導入することへの期待があるもよう。新型コロナウイルスによる景気悪化を和らげるための米景気対策法案は協議が難航していたが、ようやく米上院を通過した。次は下院の採決待ちとなっている。

 ロンドン市場では、ドル円は110円を割り込んだ。欧州株や米株先物が再び下落し、リスク警戒ムードが再燃している。ただ、各国中銀の対応でパニック的なドル買い需要は影を潜めている。ドル円にとっては東京での感染拡大が懸念材料。また、政府月例経済報告では基調判断が引き下げられた。「厳しい状況」としており、「回復」の文言が6年9か月ぶりに消えた。ユーロドルは1.09近辺から1.09台半ばへと上昇。一方、ユーロ円は120円台後半から120.16近辺まで下落。ECBは18日に発表したコロナウイルス対応の債券購入プログラムをきょうから発動している。イタリア債やギリシャ債が買われ、ドイツ債との利回り格差が大きく縮小している。このあとに英金融政策発表を控えて、ポンドは目立った動きを示していない。ポンドドルは1.19台半ばへと小高く、ポンド円は132円近辺から130円台後半での方向感に欠ける値動き。

 NY市場では、ドル安の動きが優勢。ドル円は110円が重くなり、午後に109.21レベルまで下落した。米新規失業保険申請件数が予想を超えて、328.3万件となったことがドル売りを誘った。これまでの過去最大件数をはるかに上回る数字だった。FRBによる潤沢な資金供給からドルのひっ迫感がかなり後退していることも、ドル売り圧力となっている。ユーロドルは一時1.1050超え水準まで上昇した。ECBによるOMT発動への動きが、ユーロへの安心感に。ドル安の流れをまともに受ける形で、東京朝の1.08台から上昇した。本日の金融政策会合(MPC)で、政策金利、資産買い入れ枠共に据え置きとなったポンドは、対ドルを中心に買いが優勢。今月に入っての2回の利下げ、量的緩和再開、中小企業向け融資の促進など、やるべきことをこなした後の定例会合ということだが、FRBやECBが無制限での国債購入を志向する中で、追加緩和との期待感も一部で出ていた。

(27日)
 東京市場で、ドル円は108円台へと下落。朝方の109円台前半から午前には売りが勢い付き一時108.24レベルまで下落した。月末・四半期末の円買い・ドル売りが観測された。また、新型ウイルスの感染拡大を防ぐための首都閉鎖が警戒されていることもドル円の重石。一方で、日経平均は反発した。米景気対策法案が下院でも成立する見通しで、株式市場は買われている。為替市場とはちぐはぐな動き。米国での新型ウイルス感染拡大が加速している。米CDCが発表した26日時点の感染者数は6万8440人まで増加、週末をまたいで10万人超となることが確実視されている。ドル円とともに、ユーロ円は119.62近辺、ポンド円は132.13近辺、豪ドル円は65.81近辺まで下落。ユーロドルは1.10台後半、ポンドドルは1.23ちょうど付近、豪ドル/ドルは0.61台前半へと上昇。

 ロンドン市場では、ユーロが軟調に推移している。序盤はドル買いの動きが優勢となり、ドル円は109円台乗せへと反発。ユーロドル1.10台前半、ポンドドル1.22台割れへと軟化した。欧州株が大きく下げており、米株先物も下げh幅を拡大。今週の大幅上昇に調整が入るとともに、週末の新型コロナウイルス感染拡大リスクが意識されたようだ。次第にドル買戻しの動きも一服しており、ドル円は108円台半ば、ポンドドルは1.22台後半などへと再びドル売りの動きがみられている。そのなかでは、ユーロドルの反発力は弱く、1.10挟みの水準で取引されている。ユーロ円は120円近辺から119円台後半へと上値重く推移。一時本日安値を119.60レベルまで広げた。一方、ポンド円は132円近辺まで下げたあとは、133円台乗せへと往って来いに。その後、ジョンソン英首相がウイルス検査で陽性と報じられると、再びポンド売りに。スペインでの新型ウイルス死亡者数の増加ペースが再び最悪となっており、週末にかけての感染拡大リスクが一段と高まっているようだ。

 NY市場ではドル全面安の動きに。週末を前にドル売りが強まる展開となった。ドル円はロンドン市場で109円台を回復する場面が見られたが、ユーロドルが反転をきっかけにドル売りが加速し107円台まで値を落とす展開に。NY朝方まで売りが出ていたユーロドルはポジション調整の買い戻しにドル全面安の動きが加わり、NY朝の安値から200ポイント近く一気に上昇する展開。緊急利下げを実施したカナダは、利下げ直後のカナダ売りから、一転してカナダ買い。カナダ政府なども加わった積極的な緩和と信用供与の動きが市場に好感された。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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