ドル買い優勢、ユーロやポンドが下落、株式市場は不安定に振幅=ロンドン為替概況
ドル買い優勢、ユーロやポンドが下落、株式市場は不安定に振幅=ロンドン為替概況
17日のロンドン市場では、ドル買いが優勢。ユーロドルやポンドドルが東京市場での揉み合いを下放れ、一貫して軟調に推移している。ユーロドルは1.11台後半から1.10近辺へ、ポンドドルは1.22台半ばから1.21割れ水準へと下押しされている。豪ドル/ドルも0.61近辺から0.60割れへと軟化。欧州で新型ウイルス感染拡大が深刻化するなかで、欧州株が極めて不安定な上下動を繰り返している。前日の急落のあとで、米株先物はサーキットブレーカー発動まで反発していたが、欧州時間には一時マイナスに転じるも再びプラスへ、株式市場はボラタイルな展開になっている。米債利回りは小幅上昇。クロス円は全般に軟調。ユーロ円は117円台後半、ポンド円は129円台前半、豪ドル円は64円台前半に本日の安値を広げている。新型コロナウイルスをめぐり経済の落ち込みが懸念されている。3月の独ZEW景況感指数がマイナス49.5と、リーマンショックがあった2008年後半以来の落ち込みをみせた。ZEWによると、独実質GDPは第1四半期のみならず、第2四半期には一段と減速すると見込んでいた。英雇用統計では、2月の失業保険申請が大幅に増加した。そのなかでドル円の値動きは比較的穏やか。106円台半ばから一時107円近辺に上昇とややドル高の動きが優勢。トルコ中銀が19日の会合を前倒しして緊急利下げを発表。政策金利を10.75%から9.75%に引き下げた。流動性供給策も打ち出している。新型ウイルスへの対応としている。
ドル円は106円台後半での取引。ロンドン時間には米株先物や欧州株が激しく上下動する極めて不安定な状況となっている。ただ、ドル円は106円台後半を中心とした値動きにとどまっている。序盤に106.30台まで下落、その後一時107円台乗せとなったが、東京午前のレンジは広げていない。対欧州通貨などでドル買い圧力が強まったが、ドル円にとっては不安定な株式相場が円買い圧力になる面もあり売買が交錯した。
ユーロドルは1.10台前半での取引。東京市場の1.11台後半での揉み合いを下放れると一貫して売られている。ロンドン中盤には1.1000レベルまで安値を広げた。高値からの値幅は200ポイントに迫っている。ユーロ円は119円近辺から下落し続けており、117.55レベルに安値を広げた。欧州株はイタリア、スペイン、フランスなどが空売り規制を導入しているが、序盤の買いは続かず、前日比プラス・マイナスを繰り返している。前日の歴史的な急落劇の後で米株先物は買い方向のサーキットブレーカーが発動されていたが、欧州株の不安定な動きとともに一時下げに転じる動き。3月の独ZEW景況感指数がマイナス49.5と、リーマンショックがあった2008年後半以来の落ち込みをみせた。ZEWによると、独実質GDPは第1四半期のみならず、第2四半期には一段と減速すると見込んでいた。新型コロナウイルスをめぐり経済の落ち込みが懸念されている。
ポンドドルは1.21近辺での取引。ユーロドルとともに下落している。1.22台前半から一時1.2085レベルまで売られた。ポンド円は序盤に131円近辺まで買われたが、不安定な欧州株の動きとともに下押しされ、安値を129.28レベルに広げた。この日発表された英雇用統計では、2月の失業保険申請が大幅に増加した。新型コロナウイルスが影を落としたもよう。総じてドル買いの流れが強まっており、金融市場の不安定な状況に、ドル需要が喚起されている。6中銀がドル資金供給を強めていることが、かえって状況の深刻さを示す面もあり、市場のパニック的な状況はなかなか収拾されていないようだ。トルコ中銀が19日の会合を前倒しして緊急利下げを発表したが、市場は落ち着きを見せるには至っていない。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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