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今週のまとめ2月24日から2月28日の週

為替 

 24日からの週は、リスク回避の嵐が襲った。新型コロナウイルスの感染拡大が、中国から世界各国へと広がりをみせており、5大陸すべてで感染者がでている。米国でも対岸の火事ではなくなった。米保健当局からはパンデミックを警戒する声も上がっており、米株式市場は連日、歴史的な下げ幅で急落している。安全資産として米国債など主要国の債券が買われる一方で、リスク資産である原油など資源価格が大幅に下落している。ドル円108円台、ユーロドル1.10台など主要通貨に対してはドル売りが進行。年内の米利下げを織り込みながら、米10年債利回りは連日、過去最低水準を更新。ユーロにはドイツの財政拡大期待も下支えとなっていた。週末にかけてはパウエル議長が新型コロナウイルスの感染拡大懸念での利下げの可能性を示唆したこともあり、ドル売りが加速。ドル円は107円台半ば近くまで値を落とす展開となった。米債利回りはもう一段の低下と、週末まで不安定な動きが続いた。豪ドルやカナダドルは資源国通貨の面から圧迫されており、対円や対ドルでも軟調。新興国通貨は急落している。ポンドはドル安が進む中でも上値が重い。英政府のEUとの貿易交渉方針が妥協しない姿勢を堅持しており、時間切れによる合意なき離脱のシナリオが浮上している。今週末の中国製造業PMIが注目されるほか、各国のコロナウイルス対策が市場の不安感を落ち着かせることができるのかが、来週の課題になろう。


(24日)
 東京市場は、天皇誕生日の振り替え祝日のため休場。

 ロンドン市場では、円買いが優勢。先週後半は新型ウイルス感染拡大が韓国や日本に及んだことを受けて、円売りやアジア売りの動きが広がったが、週末にはイタリアでの感染拡大が報道され、きょうは4人目の死亡が確認されている。週明けの欧州株や米株先物は大幅安となっており、米債など主要国の債券利回りが低下、NY原油先物が大幅安など全面的なリスク回避相場となっている。特に、感染が報じられたイタリアでは株安に加えてイタリア債も売られ、イタリア売り商状に。ドル円は111円台半ばから前半へ、ユーロ円は120円台後半から前半へ、ポンド円は144円台半ばから143円台半ば割れへと下落。ポンドの下落が大きめ。この日発表された独Ifo景況感指数は予想外に改善した。ユーロの下げの鈍さに寄与したようだ。ただ、Ifoエコノミストは、まだ感染リスクが完全には反映されていないと警鐘を鳴らしていた。

 NY市場では、円高と同時にドル安も強まった。米株式市場でダウ平均が1000ドル超急落するなかで、ドル円は戻り売りを強めた。110.35近辺まで下落と、高値から100ポイント以上の下げとなった。世界各国に新型ウイルス感染が拡大するなかで、これまでの市場では米経済への影響が過小評価されてきたようだ。きょうは、これまで様子見姿勢を滲ませていたFRBが積極利下げに転じるのではとの見方も台頭しているもよう。先週のPMIのデータがかなり弱い内容で、米大手証券も第1四半期の米GDP見通しを下方修正している。米経済への影響も再認識されている。ユーロドルは買い戻しが続き1.08台後半へと上昇。ポンドドルもNY時間に入ってからは下げ渋り、1.29台前半へと戻した。

(25日)
 東京市場では、ドル円の下げが一服。前日NY市場で110円台前半まで下落したあと、110円台後半まで値を戻して東京朝を迎えた。前日米株式の急落を受けて、この日の日経平均は一時1000円超の下落となった。しかし、米株先物の買戻しとともに日経平均も600円台の下落幅に下げ渋り、ドル円は一時111.04レベルまで反発した。その後は110円台後半での揉み合いに。ユーロドルは1.0845から1.0868でのレンジ。ユーロ円主導の展開で方向性を欠いた。

 ロンドン市場では、円買いの動きが再燃した。新型ウイルス感染がアジアのみならず、イタリアやイランなどでも拡大しており、世界的なパンデミックへの警戒感が高まっている。きょうもイタリア債が売られている。欧州株は前日の急落を受けて、序盤はやや反発したものの、再び下落に転じており、主要株価指数は一時1%超安に。米株先物も上げ幅を縮小しており、ダウ先物は一時マイナスに転じる場面もあった。この日は決定的なニュースはでていないが、不安心理は払しょくできていない。ドル円は111円近辺が重く110円台前半へと再び下落。ユーロ円は120円台割れ。豪ドル円は73円台割れ。ポンド円はやや底堅く143円台前半から半ばでの揉み合いとなっている。ポンドには対ユーロや対ドルでも買いが入っている。第4四半期のドイツGDP確報値は前期比変わらずと、速報値と同水準。引き続き低迷した。

 NY市場では、ドル売りが再燃している。ドル円は一時110円を割り込んだ、米株式市場の下げが止まらない。ダウ平均は一時900ドル超に下げ幅を拡大、米債利回りは過去最低水準を更新するなど、市場のリスク回避の動きが続いている。米市場は株式を中心に新型ウイルスの米経済への影響を過小評価していた面も見られていた。しかし、感染が依然として収束を見せず、世界各国に拡大する中、米経済への影響を改めて意識しているようだ。それに伴い、市場ではFRBによる早期利下げ期待が浮上しており、為替市場はドル売りを強めているもよう。ただ、クドロー米国家経済会議(NEC)委員長やクラリダFRB副議長の発言からは、まだ時期尚早と考えているようだ。ユーロドルは一時1.08台前半へ下げたが、取引後半には1.08台後半へと上昇。欧州へのウイルス感染拡大が重石となる一方、ドル売り圧力が下支え。ポンドドルは1.30台を回復する場面があった。3月11日に公表予定の英予算案への期待もあるようだ。

(26日)
 東京市場で、ドル円は買い戻しの動き。前日の海外市場では一時110円台を割り込んだが、その後は110円台を回復して東京市場を迎えた。引き続き新型ウイルス関連の報道に神経質に反応している。韓国での感染者拡大が嫌気され、ダウ先物がマイナスに転じると、ドル売りに反応。一方、中国政府が中小企業対策で減税を打ち出すとの報道や、死者数の増加ペースが鈍化しているとの報道が好感されて上海総合指数がプラスに転じると、ドル円も110円台半ばを超える動きをみせた。午後には値動きが落ち着く110.30台での揉み合いに。ユーロドルは1.08台後半で下に往って来いの小動き。

 ロンドン市場では、リスク回避の動きが継続。ただ、ドル円は110円台前半を離れず値動きは落ち着いた。序盤は欧州株の下落とともに米債利回りが低下し、ドル円は110.13レベルまで下落、ユーロドルは1.0898レベルまで上昇した。しかし、欧州株が下げ渋り米債利回りが前日終値水準へと戻す動きに、ドル円は110.40近辺へと反発、ユーロドルは1.0870台まで小反落した。ポンドと資源国通貨は軟調。NY原油先物が一時49ドル近辺に低下し、年初来安値を更新する動きが背景となったようだ。ポンドドルは1.30台が重く1.29台前半へと下落、ポンド円も143円台半ばから142円台後半に下げている。ユーロ円が120円台前半で高値を伸ばす動きとは対照的だった。豪ドルやカナダドルも対ドルや対円でこの日の安値を広げる動き。豪ドル/ドルは0.6565レべルと11年来の安値水準となっている。

 NY市場では、ドル円は下げ一服。110円台を維持している。きょうはリスク回避の雰囲気が一服している。ただ、新型ウイルス感染に改善の兆しは特にない。きょうはブラジルでも感染例が確認されており、5大陸に感染が広がっている。米疾病対策センター(CDC)は「米国内で感染が起きると予想している」と述べ、その場合の政府が講じる学校閉鎖やイベントの中止などに繋がる可能性があるとした。現地時間夕方にトランプ米大統領がコロナウイルス関連で記者会見を開く予定となっており、様子見となっている面も。ユーロドルはリバウンドの流れが継続。ドイツのショルツ財務相が債務に苦しむ州政府の歳出余地を広げるため、憲法に基づく借入制限の一時的な解除を検討している、と報じられたことがユーロ買い材料となっていた。一方、ポンドは売りが優勢。対ドルでは1.29台前半まで下落した。来週から始まるEUとの貿易交渉への懸念が売りを誘った。EUのバルニエ首席交渉官は、英国が公正な競争と漁業に対するEU側の要求に同意しない限り、貿易取引は行われないと警告した。

(27日)
 東京市場は、リスク警戒の動きが再燃した。ドル円は一時110円割れまで下落した。昨日の海外市場ではダウ平均が続落したものの、ナスダックがプラス圏推移と下げ渋りの動きが見られた。しかし、米CDCがパンデミックに陥る可能性を指摘した。トランプ大統領は米市民のリスクは依然として非常に低い、としながらも、新型ウイルスの市中感染について不可避ではないと思う、どんな事態が起ころうとわれわれは十分に備えている、と慎重な対応姿勢を見せた。米ダウ平均先物は時間外取引で400ドル超安に。日経平均も一時500円超安に。円台圧力が広がった。米債利回りが史上最低水準を更新、10年債が1.29%まで低下。ドル売りの面も加わった。ユーロは対円で120円ちょうど近辺に軟化、対ドルでは1.09台乗せ。

 ロンドン市場では、ポンドが下落。この日発表された英政府のEUとの貿易交渉姿勢が妥協しない内容だったことが背景。6月までに合意できなければ12月末の合意なき離脱の準備が必要、EUのルールや規制には沿わない方針、などとしており、市場には合意なき離脱が再び意識されている。ポンドドルは1.29台を割り込み1.28台後半へ、ポンド円は142円台割れから141円台半ばへと下落。ユーロポンドは0.85台に上昇。全般的にはドル売り圧力が継続しており、引き続き米国にも新型ウイルス感染が拡大することが警戒されている。米10年債利回りは一時1.28%台へと低下し、再び史上最低水準を更新した。欧州株や米株先物は大きく下落している。ドル円は一時109.85レベルまで下落。110円に戻した後も上値は重い。ユーロドルは1.09台前半で高値を伸ばす動き。ユーロ円は120円割れから120.50超え水準まで振幅している。
 
 NY市場で、ドル円は109円第に再び下落。新型コロナウイルス感染の経済への影響について、市場はより一層意識し始めたようだ。中国での新規感染者数の発生件数は鈍化しているものの、イタリアやイランなど中国以外の国での感染が急拡大しており、世界経済への懸念につながっている。さらに米国疾病管理センターが、旅行歴の無い米国人のカリフォルニアでの感染を確認したことも重石となった。さらに、カルフォルニア州知事が新型ウイルス感染で8400人が監視対象になっていることを明らかにした。この状況を受けて、各方面から、成長や企業収益見通しの下方修正が相次いでいる。一部には金融危機以来の低水準に落ち込むとの見方も。米株式市場では最高値圏からの利益確定いるが加速、米10年債利回りも過去最低水準を更新。米短期金融市場では、米金融当局の年内利下げについて確実視する状況となっている。ユーロドルはドル安の動きとともにドイツの財政拡大策への期待が下支えとなり、1.10台乗せへ。ポンドドルは1.28台まで下落。英政府のEUとの貿易交渉方針に対して、EUのバルニエ首席交渉官は、英国が公正な競争と漁業に対するEU側の要求に同意しない限り、貿易取引は行われないと警告した。

(28日)
 東京市場では、円買いが加速した。ドル円は108円台後半まで円高・ドル安が進行し、今月4日以来の安値を更新した。来週にかけて新型コロナウイルスの感染が各国で広がる可能性が高く、リスク回避の円買いが止まらない。世界保健機関(WHO)がパンデミックを宣言する可能性が意識されている。世界経済のけん引役である中国に続き米国でも景気が急減速する見通しであることもドルを円を圧迫。トランプ米大統領は米連邦準備理事会(FRB)に利下げを要求している。ユーロ円は119円台後半、ポンド円は140円台前半、豪ドル円は71円台前半、NZドル円は67円台後半まで下落。豪ドル円やNZドル円は年初来安値を更新。ユーロドルは1.09台後半での推移。カナダドルや豪ドルなど資源国通貨は対ドルも下落した。

 ロンドン市場では、リスク回避の動きが強まった。欧州株が米株先物が急続落しており、下げ止まる気配をみせていない。世界各国への新型ウイルス感染拡大が続く中で株式市場は投げ売り状態。NY原油先物も続落しており、一時45ドルを割り込んだ。為替市場ではドル円とユーロドルは米債利回りが1.15%台と最低水準を更新するなかで、ドル売り圧力に押されている。ドル円は108円台半ば、ユーロドルは1.10台半ばまでドル安が進行。ポンドドルは序盤に1.28台後半で下値を広げるもその後は反発し、一時1.29台を回復。リスク動向に敏感な豪ドルは冴えない動き。対円、対ドルともに下落。豪ドル/ドルは0.65台前半、豪ドル円は70円台後半へと安値を広げている。2月のドイツ失業者数は予想外の減少となったが、ユーロ相場に目立った反応はみられなかった。

 NY市場では、ドル円が一時107円台半ば近くまで下落と、ドル売り円買いの動きが加速した。ロンドン市場で下値を支えた108円台半ばでいったんは下落を抑えたが、その後割り込むと売りが加速。108円ちょうど近辺にも買いが入っていたが、戻りが鈍く大台を割り込むと、ストップを巻き込んでの売りが強まり、107円台半ば近くを付けた。ダウ平均株価が連日の下げとなり、寄り付き後に一時1100ドル近くまで下げてドル安円高を誘う展開に。株はその後戻したが、今後は米債利回りの低下が止まらずドル売りに。米2年債は一時0.2%近く下げる展開に。パウエル議長が新型コロナウイルスの感染拡大懸念での利下げの可能性に言及したことなどが金利の低下要因となった。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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