リスク警戒の動きと利下げ期待で米債利回り大きく低下=NY債券概況
NY長期債利回りが大きく低下する展開となった。
新型コロナウイルスの感染拡大懸念が世界的に広がる中で、安全資産としての米債を買う動きが一気に加速した。ここに来て今月の米FOMC(連邦公開市場委員会)での利下げを見込む動きも広がっており、こちらも利回り低下に寄与した。
米2年債利回りは心理的にも抵抗が大きいと見られた1.0%をあっさりと割り込み、さらに大きく下落。0.90%、0.85%と下げが進み、一時0.8459%まで低下する展開となった。引けにかけて調整が入ったものの、0.9289%で引けている。
2年債はリスク回避に加え、10年債などに比べて利下げの影響を強く受けることから利回りの低下(債券価格の上昇)が強まった。2月20日ごろまでは1.40%、今週初め時点でも1.3%を付けていたところから大きく利回り水準が低下する格好となった。
米10年債利回りも低下が続き、一時1.1143%まで。史上最低水準を大きく更新する展開が続いている。10年債は今月一時1.7%近くを付けた。今週初めでも1.4%台を付けており、そこからの低下。低下幅としては相当に大きいが、2年債の動きがより大きく、金利のカーブとしてはステーブル化している。
各国の長期金利(NY時間17:49)(%)
米2年債 0.927(-0.135)
米10年債 1.160(-0.101)
米30年債 1.681(-0.077)
ドイツ -0.607(-0.064)
英 国 0.442(-0.028)
カナダ 1.136(-0.022)
豪 州 0.818(-0.035)
日 本 -0.153(-0.048)
※米債以外は10年物
執筆者 : MINKABU PRESS
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