感染への懸念で米利下げ期待高まる中、ユーロに見直し買い=NY為替
きょうの為替市場はユーロの見直し買いが活発化しており、対ドルのみならず、対円、ポンドでもユーロは上昇している。ユーロドルは21日線を回復し、一気にショートカバーが強まり、1.10ドル台まで一時回復する場面も見られた。
ドイツを始めとしたユーロ圏各国の財政拡大策への期待感もあるものの、ユーロ買いの材料は米利下げ期待の高まりによる、ドル安であろう。これまでのドル高の逆風をユーロが最も受けて来たことから、その巻き戻しが出ているものと思われる。
新型ウイルス感染の影響が世界に拡大する中、市場は米経済への先行きの見方に調整を入れており、米株は急落している。その過程の中で、米利下げ期待が高まっており、年内にFRBが3回以上の利下げを見込む動きも出ている。一方でECBの緩和余地は小さい。
きょうはラガルドECB総裁のインタビューが伝わっていたが、「ウイルス感染はまだ、ECBの対応を必要とする段階にはない」と述べており、追加緩和には消極的だ。もし、市場の期待通りにFRBの積極緩和が再開した場合、FRBとECBの金融政策の格差が縮小との見方がドル安・ユーロ高を誘っているのかもしれない。
EUR/USD 1.0977 EUR/JPY 120.89 EUR/GBP 0.8523
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。