ポンドに買い戻しの動き 英予算案への期待が強い=NY為替
ポンドは買い戻しの動きが優勢となっており、ポンドドルは1.3040ドル近辺に戻している。一時1.29ドル台に値を落とす場面が見られた。きっかけはスナック英新財務相の発言で、予定通り3月11日に予算案を発表すると述べた。ジャビド前財務相の突然の辞任により、市場では予算案発表を延期せざるを得ないとの観測も出ていた。ただ、予算案策定に集中するため、今週末に予定されているG20会合は欠席する見通し。
市場では英予算案に期待感が高まっている。ジャビド前財務相が辞任に追い込まれるほど、ジョンソン首相が力を入れていると見られているようだ。しかし、市場からは財政赤字を考慮すると限界があり、噂で買って事実で売る展開になるリスクも指摘されている。
なお、この日は英雇用統計が発表されていたが、10月から12月の平均のILO失業率は3.8%と前回から変化はなかったものの、週平均賃金(除賞与)は前年比で3.2%に鈍化していた。市場からは、英企業はEU離脱や経済の先行きから賃金を引き下げたい意向が強いとの指摘も出ている。
英中銀は先日の英中銀金融政策委員会(MPC)で利下げを見送っている。政策委員の投票行動も7対2の据え置きで現状のままだった。ジョンソン首相の財政刺激策の行方を見守りたい姿勢を滲ませていたが、中国のコロナウイルス感染拡大の影響も警戒される中、年内の利下げ期待は根強くあるようだ。
なお、明日は1月の英消費者物価指数(CPI)の発表が予定されている。
英ILO失業率(10~12月平均)
結果 3.8%
予想 3.8% 前回 3.8%
週平均賃金(10~12月平均)
結果 3.2%
予想 3.3% 前回 3.3%(前年比)
英消費者物価指数(1月)19日18:30
予想 -0.4% 前回 0.0%(前月比)
予想 1.6% 前回 1.3%(前年比)
予想 1.5% 前回 1.4%(コア・前年比)
GBP/USD 1.3026 GBP/JPY 143.02 EUR/GBP 0.8305
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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