【来週の注目材料2】製造業の景況感は依然低水準か<独製造業・非製造業PMI>
さて、先ほどの第一弾に続いて、来週注目の材料としてドイツの経済指標をみてみましょう。
二つ目の注目指標は21日17時半に発表される独製造業・非製造業PMI(購買担当者景気指数・2月)速報値です。
ドイツの製造業の景況感は米中通商摩擦問題などを受けてかなり厳しい状況にありましたが、ZEW同様に前回1月分は両国の通商協議第一弾合意を受けて少し改善。12月分の43.7、事前予想値の44.5に対して速報値ベースで45.2。その後上方修正され、改定値ベースで45.3となっています。もっとも好悪判断の境である50はかなり遠いという印象で、独製造業の先行き不透明感の強さを印象付けました。
今回は新型コロナウイルスへの警戒感もあり、若干後退しての44.8が見込まれています。悪化幅は小さいですが、2019年1月に50を割り込んで以降、厳しい状況が続くドイツ製造業の景況感回復の流れが進まないという印象はユーロにとっての売り材料に。予想をさらに下回る弱めの数字が出ると、売りが加速する可能性もあります。
非製造業PMIは前回54.2と好結果。4カ月連続で上昇しており、今回も期待されるところです。予想は前回と同じ54.2となっていますが、予想を上回って5か月連続での上昇を示すと、ユーロには買い材料となります。
ユーロ圏最大の経済大国であるドイツの景況感は、ユーロ相場に大きな影響を与えます。13日に欧州委員会がイタリアの今年の経済成長見通しを引き下げ、イタリア政府による見通しの半分である+0.3%とするなど、欧州の景気鈍化傾向が目立つ状況。ユーロ圏全体を牽引する立場のドイツの景気動向は今後のユーロの中期的な流れに影響してくる材料だけに要注目です。
MINKABU PRESS 山岡和雅
執筆者 : MINKABU PRESS
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