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今週のまとめ12月9日から12月13日の週

為替 

 9日からの週は、注目イベントが盛りだくさんだった。そのなかでも特に、米中通商協議フェーズ1の合意と英総選挙での保守党の大勝利が市場のリスク選好の動きにつながった。15日が期限だった米中追加関税の発動は回避された。英国はようやく保守党の安定政権の基盤が確立し、来年1月末の秩序立った離脱にゴーサインがでた。ポンド主導でクロス円が上昇、株高とともにドル円は109円台後半に上昇した。ポンド円は142円台から147台へ、ポンドドルは1.30台から1.35台まで急伸する場面があった。米FOMCは市場予想通り政策金利が据え置かれた。スタッフ金利見通しでは来年は据え置き予想。注目のパウエル議長会見では、利上げについては、著しくかつ持続性のあるインフレ加速が必要としており、利上げのハードルが高い印象を与えた。ECB理事会は、ラガルド総裁体制になって初の会合だったが、政策金利据え置きとともに来年1月から金融政策の戦略見直しに着手するとした。総じて無難な会合だった。クリスマス休暇の前に、足元の不透明感が払しょくされる一週間だった。


(9日)
 東京市場は、小動き。ドル円は朝方に買われ、108.70台をつけたが、すぐに値を戻すと108.60前後での推移が続いた。先週末の米雇用統計の好結果を受けたドル買いでは108.90台までの上昇にとどまっていた。一方で、108円台半ば割れでは買いも入り、上下ともに動きにくい展開となっていた。今週総選挙を控える英ポンドは朝方にはドル高の動きで1.3116レベルまで下落した。その後は1.31台半ばへと値を戻している。ポンド円も142.40台まで軟化したあとは、142.80近辺まで買われており、しっかり。

 ロンドン市場は、ドル売りが優勢。きょうは特段の材料に欠けており、先週末の米雇用統計後のドル高の動きに対する調整が入る格好に。ドル円は108.43レベルまで下落。先週4日の安値水準に並んだ。欧州株が小安く推移しており、米債利回りも低下。ドル円の上値は重い。米国と北朝鮮の緊張が高まりそうなことも重石。ユーロドルは1.1050台から1.1074レベルまでじり高の動き。序盤はポンド買いが先行した。12日の英総選挙を目前に控えて、週末の各世論調査で保守党の優位が示されたことが背景のようだ。ただ、一部には労働党との差が縮まる結果もあった。ポンドドルは1.3140台から1.3181レベルまで高値を伸ばした、その後の戻りは1.3150近辺まで。クロス円はやや上値が重い。ドル円とともに豪ドル円も軟調に推移し、74円ちょうど近辺へ。ユーロ円は120円近辺と前週末からの安値付近での揉み合い。ポンド円は序盤に143円台に乗せた後は、142円台後半へと上昇一服。

 NY市場は、様子見ムード。ドル円は108円台半ばでの狭いレンジで推移。ユーロドルは1.10台半ばから後半、ポンドドルは1.31台半ばでの推移。この日は、特段の指標発表はなく、週央からの重要イベントを確認したいといったところ。11日(水)にFOMC結果発表、12日(木)に英総選挙とラガルド総裁初のECB理事会、そして、15日(日)の対中追加関税の期限に向けての米中協議も山場に入るものと思われる。米中協議関連では、中国商務省の次官補が「対米貿易交渉できるだけ早く満足な結果を望む」と述べていた。英総選挙については、市場のは保守党勝利の楽観的なムードが広がっており、ポンド相場はしっかりとしている。焦点は保守党が議席を過半数からどの程度上積みできるかに。ECB理事会では、ラガルド新体制が発足したばかり、目立った変化は示されないとの見方が多い。

(10日)
 東京市場は、前日に続いて小動き。ドル円は11銭レンジ、ユーロドルも朝から8ポイントレンジと、いずれも膠着状態が続いた。中国消費者物価指数は予想を大きく上回り、
2012年以来の高水準だった。豚肉価格が前年比110%の上昇となったことが押上げ要因。ただ、ドル人民元相場は大きな反応を見せず比較的落ち着いていた。メキシコペソは午前中に報じられたNAFTAに代わる米・加・墨3国の貿易協定USMCA修正案が10日にも署名されるとの報道で、ペソ買いに。

ロンドン市場は、ややドル売りが優勢。ただ、主要通貨の値動きは限定的。種々のイベントを控えて、前日と同様に積極的な売買は手控えられている。欧州株は軟調。米株先物も前日の売りの流れが継続している。ドル円は108.55-65レベルでの揉み合い。10銭程度の下押しに。ユーロドルは1.1065近辺から1.1080近辺へと小高い。この日発表された独ZEW景況感指数は予想以上に改善しており、8か月ぶりのプラス領域回復となった。以前よりもドイツの輸出や個人消費に対する見方が改善したという。ポンドドルは神経質に振れるも1.31台前半から高値を1.3190近辺に伸ばした。月次の英GDPは前月比横ばいと伸び悩み、鉱工業生産や貿易統計も冴えない結果だった。しかし、総選挙での保守党過半数獲得への期待が継続しているもようで、ポンド買い圧力が優勢。ユーロ円が120円台前半で揉み合う間に、ポンド円は再び143円台に乗せた。一方、豪ドルは欧州株安などに素直に反応して小安い。豪ドル円は一時74円割れとなった。

 NY市場は、ドル円がやや買われた。「米中交渉担当者が12月予定の関税発動見送りを検討」「中国側は、関税引き下げ協議の中で、15日予定の関税の発動の見送りを想定している」などと複数の報道機関から伝わったことに反応した。ただ、108円台後半での推移にとどまり、全体的なレンジ取引には変化はない。ユーロドルは1.10台後半で底堅く推移。ポンドドルは一時1.32台に上昇する場面があった。きょうからFOMCが始まり明日結果が発表される。12日には英総選挙、ECB理事会、そして、日曜日にはなるが、15日の追加関税発動期限と重要イベントが目白押しの中で、動向を確認するまで見守るといった姿勢に。

(11日)
東京市場では、朝方にポンドが売られた。英総選挙を控えて、精度が高いとされる英ユーガブ調査が発表された。保守党の見込み議席が単独過半数を上回ったが、前回調査から20議席も減少したことが背景。ポンドドルは1.3180近辺から1.3108レベルまで急落。その後の戻りは1.3140台まで。一方、ドル円は108円台後半での静かな取引。ナバロ米大統領補佐官が15日に予定されている対中関税発動が予定通り実施されるとの見込みを示したことで、一時円高に振れたが、10銭程度の小動きにとどまった。FOMCを今晩に控え、上下ともに動きにくい状況だった。

 ロンドン市場は、小動き。米FOMCの結果発表をNY市場後半に控えて、様子見ムードが広がっている。欧州株は買い先行も、その後一時下げに転じるなど方向感に欠けている。ドル円は108円台後半で20銭弱の狭いレンジ取引。ユーロドルは1.10台後半で小幅に軟化。ユーロ円は120円台後半から半ば割れへと小安い。一方、豪ドルは小幅上昇。豪ドル/ドルは0.68台前半、豪ドル円は74円台前半でじり高の動き。東京早朝に英世論調査を受けて下落したポンド相場は、ロンドン朝方に再び下値を試したが、抜け切れず下げ一服となっている。ポンドドルは1.31台半ば、ポンド円は143円付近に小反発して取引されている。各通貨ともまちまちも、小動き。

 NY市場は、午後になってドル売りが強まった。FOMCの政策金利据え置き発表に続いて、パウエル議長の会見が行われた。注目されていたFOMCメンバーの金利見通し(ドット・プロット)は来年の金利据え置きを示唆し、声明では「見通しへの不確実性」の文言が削除されていた。パウエル議長は現在の金利が適切との見方を示し、当面の金利据え置きを強調したが、一方で利上げについては「著しくて持続性のあるインフレ加速が必要」と述べ、利上げについてはハードルの高さを強調していた。当初はドル買いの動きがみられたが、次第に一服。パウエル議長発言でドル売りが加速した。ドル円は一時108.50割れ。ユーロドルは1.11台を、ポンドドルは1.32台を回復した。

(12日)
 東京市場で、ドル円は108円台半ばでの揉み合い。東京早朝に行われた米FOMCでのパウエル議長会見は、利上げのハードルの高さを強調する格好となり、ドル売りの反応が広がっていた。東京市場でも上値は重く、一時108.46レベルまで軟化したが、その後は108.60近辺まで買い戻される動き。狭いレンジ取引となった。本日は英総選挙が実施される。ポンドは直近の上昇傾向が継続している。ポンドドルは1.32台で底堅く推移した。総選挙では英保守とうが単独過半数を確保するとの見通しが広がっている。

 ロンドン市場は、ポンドが反落。英総選挙投票が始まっており、ポンド相場に神経質さが増している状況。ポンドドルは1.32台割れから1.3150近辺へと下落、ポンド円は143円台半ばから143円割れまで下落。対ユーロでもポンド売りが入っている。特段の新しい情報はみられていないが、これまでのポンド買いの流れに調整が入る形。その他主要通貨ではややドル買いの動き。前日の米FOMC後のドル売りの流れに調整が入っている。ユーロドルは1.11台前半で小安い動き。ドル円は108円台後半でじり高に。その中では欧州株が小高いことを受けて、豪ドルは底堅い。このあとのECB理事会の結果、ラガルドECB総裁の会見内容などを確かめたいとのムード。英総選挙はあすの日本時間午前7時に投票が終了する。

 NY市場では、ドルの買戻しが強まった。トランプ大統領の発言などがきっかけ。大統領は「中国との大きな取引に非常に近づいている。彼らはそれを望んでおり、私たちもそうだ」と述べていた。関係者の発言として、米交渉担当者は中国と原則合意しており、トランプ大統領の署名を待っているとも報じられていた。米株式市場で、ダウ平均は一時300ドル超上昇、米債利回りも急上昇した。ドル円は108円台後半から一時109.45近辺まで買われた。ユーロ円の上昇とともに、ユーロドルも1.1155近辺まで上昇する場面があった。きょうはラガルドECB総裁のもとでの初のECB理事会が開催されていたが、大方の予想通りに政策は据え置きとなった。ただ、その後のラガルドECB総裁の初の会見で、「底打ちの暫定的な兆しがある」との認識を示したことで、ユーロは買いが強まる場面が見られた。ポンドドルは戻り売りが強まり、一時1.30台半ばまで下落。しかし、取引終盤には一気に1.3185近辺まで買い戻される神経質な動きだった。英総選挙への思惑が錯綜している。

(13日)
 東京市場は、ポンドが急騰した。英総選挙は午前7時に投票が締め切られた。締め切り直後に国営メディアBBCが出口調査結果を報道。与党保守党が358議席との見通しを示し、単独過半数である326をはるかに上回る議席見込みとなったことに反応した。ポンドドルは1.31台後半から1.35台へ、ポンド円は143円台後半から148円手前まで急伸。ドル円は、前日NY市場で報じられた米中協議の合意を受けた円安基調が継続した。トランプ米大統領が合意を承認、と報じられたNY夕方に109.43レベルまで買われたあと、109円ちょうど近辺まで反落したが、再び109.60台まで買い上げられた。日経平均は一時600円超の大幅上昇となった。ユーロドルは1.11台後半へ、豪ドル/ドルは0.69台乗せへと上昇。リスク選好ムードが広がった。

 ロンドン市場は、リスク選好ムードが広がっている。米株先物がプラス圏で揉み合う中で、欧州株は上げ幅を拡大している。為替市場ではドル円やクロス円が高値を広げる動き。それに伴ってユーロドルや豪ドル/ドルなども上値を広げている。英総選挙で保守党が労働党に大差をつけて勝利しており、下院での過半数を確保した。来年1月末までの秩序立った離脱に向けた動きが進展することになる。また、米中通商協議フェーズ1が合意したことも市場の不透明感を払しょくした。そのなかで、東京早朝の急騰したポンドには利益確定売りの動きが先行した。ポンドドルは1.34台割れ、ポンド円は147円割れへと反落する動き。ただ、大幅上昇を消す動きには至っていない。ドル円は109.70近辺、ユーロ円は122.65近辺などへと高値を伸ばしている。ユーロドルは1.1180台へと小高い動き。

 NY市場でドル円は米中貿易協議を巡る発言などで上下動の末、戻り売りが優勢となった。トランプ大統領のツイッターや中国政府の会見で上下動した。ただ、ドル円は109円台を維持しており、底堅さは堅持している。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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