値幅限定的も円高圧力は継続、米中対立を懸念=ロンドン為替概況
値幅限定的も円高圧力は継続、米中対立を懸念=ロンドン為替概況
20日のロンドン市場は、円高圧力が継続している。米上下院で香港人権法案が可決したことに対して、中国政府は内政干渉だと憤っており、今後報復措置も辞さない姿勢を示している。米中の政治対立が、通商合意にとって障害となることが大いに懸念されている。欧州株や米株先物はリスク回避の動きで下落、原油相場も軟調。為替市場では序盤を中心に円高水準を広げる動きがみられた。ドル円は108.35近辺、ユーロ円は119.85近辺、ポンド円は139.69近辺、豪ドル円は73.73近辺まで安値を広げた。ユーロドルは1.10台後半から半ばへ、ポンドドルは一時1.29台割れとなる動き。取引中盤にかけては円高一服となっているが、戻りは限定的。株式市場は引き続き軟調に推移している。
ドル円は108円台前半での取引。米中の対立の動きが警戒されており、市場全般にリスク回避ムードが広がった。ドル円は一時108.35レベルと、東京午前の安値をわずかに下回った。ただ、取引レンジは108.30台から108.50台と小幅にとどまっている。米議会や中国などに対するトランプ米大統領の反応待ちとなっている。
ユーロドルは1.10台後半での取引。クロス円の下落に連れて軟調な足取りを示している。ロンドン序盤には1.1070台から1.1056レベルまで下落した。その後は買い戻しが入ったが、上値は重い。ユーロ円はリスク回避の円買い圧力に押されている。120円台を割り込むと、一時119.85レベルまで下げた。その後も120円ちょうど近辺が重くなっている。10月の独生産者物価指数は前月比、前年比ともにマイナスと冴えない結果だった。デギンドスECB副総裁はECB金融安定化報告に関連して、金融機関の収益性などマイナス金利の副作用を指摘。リバーサルレートには至っていないとの認識も、金利階層化などの対応について言及していた。
ポンドドルは1.29ちょうど近辺での取引。1.29台前半での揉み合いから、一時1.2888レベルと大台を割り込んだ。その後は下げ一服も、反発力は弱い。ポンド円は140円台割れへと下落。安値を139.69レベルまで広げた。昨日のジョンソン対コービンの党首討論番組に関連した報道は特段でてきていない。ユーロポンドは0.85台後半での揉み合い。ポンド相場独自の動きにはなっていない。
MINKABU PRESS 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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