ドイツ刺激策へのユーロの反応はネガティブとの見方も=NY為替
きょうの為替市場は全体的にドル売りが優勢となる中、ユーロドルの買い戻しが強まっており、1.1050ドル付近まで上昇している。前日は心理的節目の1.10ドルを割り込む場面も見られたが、サポートされたことでショートカバーの機運が高まっている模様。11月に入ってからの下降波のフィボナッチ38.2%戻しが1.1060ドル付近に来ており、目先の上値メドとして意識される。
前日に第3四半期のドイツGDPが発表となり、予想外のプラス成長となった。市場は警戒感を強めていただけにポジティブ・サプライズではあったものの、ユーロの反応は鈍かった。テクニカル的リセッションは回避された格好となったものの、この結果が逆にドイツの景気刺激策への期待を後退させている。ドイツのショルツ財務相は、「ドイツ経済は危機にはなく、いまのところ景気対策は必要ない」と述べていた。
ユーロ圏の景気低迷が叫ばれる中、ドイツの財政刺激策に対する市場の期待は高い。しかし、それに対するユーロドルの反応はネガティブとの見方も出ている。ドイツが刺激策を拡大した場合、ユーロ圏の経常黒字を削減する可能性が高いという。
さらに、欧州の抱えている問題は、米国が直面している問題よりも遥かに大きく、米経済がそれほど悪い状態でもない中、ECBとFRBの金融政策の格差拡大が予想され、ユーロドルを圧迫すると見ているようだ。
EUR/USD 1.1048 EUR/JPY 120.23 EUR/GBP 0.8566
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
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