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今週のまとめ11月4日から11月8日の週

為替 

 4日からの週は、ドル円が109円台へと上昇した。米中通商協議をめぐる報道が飛び交うなかで、協議の進展期待が広がったことが背景。「米中が段階的に関税撤廃合意」といった報道が市場のリスク選好の動きを強めた。ただ、通商合意フェーズ1の署名は12月にずれ込むもようで、詰めるべき点は多々残されているようだ。週央には米ダウ平均やS&P500指数が最高値を更新。米国など主要国の長期債利回りが上昇した。一方、IMFやEU委員会の経済見通しではユーロ圏などの成長予想が引き下げられた。英中銀金融政策発表とともに公表されたインフレ四半期報告でも、英成長およびインフレ見通しが引き下げられた。英政策金利は据え置かれたが、票割れは7対2となり、利下げ派が新たに出現した。ユーロやポンドに売り圧力がかかったことが、ドル高をもたらした面もあった。豪ドルはリスク選好の動きで対ドルでも底堅さを維持した。


(4日)
 東京市場は、「文化の日」の振り替え休日で休場。

 ロンドン市場は、先週末からのリスク選好ムードが継続。前週末のNY市場では、米雇用統計をめぐって相場が振幅したが、米中通商協議の進展期待などで米株が上昇、為替市場にはリスク選好ムードが広がって週末を迎えていた。米中双方ともフェーズ1の署名合意については、前向きな姿勢を示している。チリAPEC会議が中止となったが、トランプ米大統領は米国での署名を希望している。また、週末にロス米商務長官は、欧州や日本などの自動車メーカーとの話し合いが良好だ、として今月中に期限を迎える輸入車に対する追加関税は必要ないかもしれない、と述べた。東京不在のアジア市場で香港・上海株などが続伸し、続く欧州株や米株先物も買い先行となっている。ドル円は108.50手前へと上昇。ユーロ円は121円台、ポンド円は140円台、豪ドル円は75円台などに乗せる場面があった。円売り一巡後はドル買いの動きがみられ、ポンドドルは1.29台前半、ユーロドル1.11台半ば、豪ドル/ドル0.69台前半でやや軟化している。ただ、クロス円は総じて先週末よりも円安の水準を維持しており、リスク選好ムードが優勢。この日発表された独仏ユーロ圏の製造業PMI確報値は、いずれも小幅に上方改定された。英建設業PMIも前回からは改善した。ただ、50割れ水準の結果が多く、力強い回復とはなっていない。

 NY市場では、ドルの買い戻しが優勢。ドル円は一時108.65近辺まで買われた。21日線を上回っている。米中貿易協議への期待感からきょうの市場は、リスク選好の雰囲気が強まった。ブルームバーグが関係者の話として、米中両国は貿易交渉の事態打開に向けてさらなる進展があったと伝えていた。月内にトランプ大統領と習近平国家主席の首脳会談が実現し、一定の成果が生まれる可能性があるという。中国側は「第1段階」の貿易合意署名で習主席が訪米する場合には、公式訪問とすることを望んでいた。だが、公式訪問でない訪米も受け入れる用意があると伝えた。ユーロドルは戻り売りが優勢で、ロンドン時間にサポートされていた1.1150レベルを割り込んで、1.1125近辺まで下落。ラガルドECB総裁が初のスピーチを行ったが、特に金融政策への言及は無かった。ポンドドルは1.28ドル台へと下落。。ポンド相場は12月12日の総選挙を巡って結果待ちの雰囲気が強まっている。少なくとも合意なきリスクは大きく後退したとの見方からポンドはサポートされているが、一部からは選挙の結果次第ではその可能性が再浮上するとの見方もあるようだ。

(5日)
 東京市場は、リスク選好の動きが広がった。前日の海外市場で見られたリスク選好の動きが連休明けの東京市場でも優勢となり、ドル高円安の動きにつながった。日経平均が400円を超える大幅高、米10年債利回りが一時1.80%超えなど、株高・債券利回り上昇など、他市場でもリスク選好の動きが優勢。ドル円は一時108.83レベルまで上昇した。米国が中国に対する関税の一部撤廃を検討との英紙報道などが支えとなった。ロス商務長官が第一弾合意の署名に向けたプロセスは非常に順調と発言するなど、米中協議の進展に向けた動きが強まっている。豪中銀は事前予想通り金融政策を据え置いた。声明にも目立った変化はなかった。発表直後はサプライズ感のない結果に反応は限定的も、その後豪ドル買いが優勢に。豪ドル/ドルは0.69台に乗せた。中国人民元は対ドルで8月15日以来の元高水準をつけた。

 ロンドン市場は、リスク選好の動きが継続した。ドル円は一時108.90レベルまでじり高に。クロス円は神経質な上下動を伴っているが、総じて円安方向への動きが優勢だった。ユーロ円は121.30レベルまで高値を伸ばしたあと、一時121円割れも再び大台を回復している。ポンド円は一時売りが入るも、押しは浅く、高値を140.50近辺へと伸ばしている。豪ドル円は人民元高の動きもあって堅調な足取り。75円台乗せから75.40近辺に高値を更新。米債利回りが上昇しており、ドル高圧力となる面もあって、ユーロドルは1.11台前半で、ポンドドルは1.29近辺での振幅となった。米中通商協議の進展期待が続いており、欧州株や米株先物が小高く推移している。9月ユーロ圏生産者物価指数は前月比+0.1%、前年比-1.2%と予想通りだった。10月英非製造業PMIは50.0と事前予想を上回ったが、発表元のIHSマークイットは、四半期ベースでのマイナス成長を示唆、スタグネーション状態であるとの悲観的な認識を示していた。ただ、米中関係改善への期待感が、経済指標への反応を限定的なものとしていた。

 NY市場で、ドル円は109円台を回復した。10月のISM製造業景気指数が予想を上回ったことでドル買いが加速した。さらに、米中貿易協議の行方に楽観的な見方が広まっており、リスク選好のドル買い・円売りも優勢。中国の習主席が訪米にも前向きとも伝わり、トランプ大統領はアイオワ州での署名を検討しているという。そのほか米国は中国への関税の一部撤回を検討との報道も流れ、今月中旬の署名との見方も。ユーロドルは戻り売りが加速し1.10ドル台に下落。21日線を下回り、下値警戒感が広がった。ポンドドルは一時1.2860ドル近辺まで下落。しかし、対ユーロ、円では上昇しており、さほど弱さまでは感じられない。英総選挙に関する世論調査では、保守党の優勢が伝えられている。ただ、メイ前首相の例もあり、世論調査を過信できないとの声も。

(6日)
 東京市場で、ドル円は109円台前半での揉み合い。株高の動きが一服、日経平均が一時マイナスに転じるなかで、ドル円は109.01レベルまで小安く推移した。ただ、大台は維持されている。日経平均もプラス圏に持ち直した。ユーロドルは、朝方にユーロ円の軟化とともに1.1067近辺まで下押し。その後は一時1.1080近辺までの小動き。NZドルは軟調。朝方に発表されたNZ失業率が予想を上回ったことが背景。市場では今月の利下げ見通しが強まった。0.63台後半で軟調に推移した。

 ロンドン市場は、リスク選好相場が一服。欧州株や米株先物は高値警戒感もあって積極的に買い進む動きにはならず。利益確定売りなどで売買が交錯した。米10年債利回りは1.84%台から1.85%台での揉み合い。ドル円は一時108.91レベルまで下押しされたが、その後は109円を回復した。クロス円はロンドン早朝にドル円とともに下押しも、欧州株の取引が開始すると買い戻された。ドル相場は総じて売り戻しの動きが優勢。ユーロドルは1.10台後半で、ポンドドルは1.28台後半で小幅の上昇。きょう英議会が解散されるが、目立った報道はみられていない。一連の欧州の非製造業PMIは、ドイツやユーロ圏確報値が上方改定されるなど良好な結果。ユーロ圏小売売上高も予想を上回る伸びだった。全般にやや調整の動きが優勢も、リスク選好の流れは維持された。

 NY市場で、ドル円は108円台に下落した。最高値更新を続けていた米株式市場も上げ一服といった雰囲気の中、「米中首脳会談は条件と場所について折り合わず、12月まで延期される可能性がある」との米政府高官発言が報じられた。ドル円は109円台を割り込んだ。ユーロドルは1.1065近辺、ポンドドルは1.2845近辺まで一時下落した。ユーロにとってはIMFが欧州の経済見通しを引き下げ、財政刺激策が必要とした。しかし、独財務相は財政刺激策は現時点では必要ない、と述べた。ポンドにとっては、あすの英中銀政策委員会を控えて、一部の委員が利下げを主張するとの見方がでていた。ブレグジット延期で不確実性が高まったととの前回声明もあり、緩和方向への思惑がきかれた。

(7日)
 東京市場は、ドル円が上値重く推移。前日に「米中通商協議第一弾合意の調印が、条件、場所の交渉が難航し、本来期待されていた今月中ではなく、来月にずれ込む見込み」と報じられたことが懸念された。ドル円は109円近辺から108.65近辺まで一時下落した。寄り付きからマイナス圏で推移した日経平均がプラスに転じる場面が見られたほか、中国株も落ち着いた動きとなっており、影響は限定的だった。ドル円以外でも調整の動きが目立ち、米中問題に神経質な反応を見せやすいオセアニア通貨などが軟調。NZドル円は10月28日以来の68円台を付ける動きが見られた。

 ロンドン市場は、円売りに転じた。ロンドン序盤に「米中が段階的に関税撤廃合意」と報じられた。一気にドル円、クロス円が上昇。リスク選好ムードが再燃して、欧州株や米株先物が買われた、米独仏など主要国債券利回りも上昇。中国商務省は、米中が通商協議のフェーズ1で合意できれば、双方が同規模で既存の関税撤廃行うこと合意、どの程度の範囲で関税を撤廃するのかは、交渉中だ、としている。また、中国政府は、ハイテク産業における海外からの投資を奨励する、との報道や、中国が米国からの鶏肉輸入制限撤廃を検討、との報道もあった。ドル円は高値を109.20レベルまで広げた。ユーロ円は120円台前半から121.11レベルまで、ポンド円は139円台後半から140.53近辺まで上昇。昨日のIMFに続いて、きょうはEU委員会がユーロ圏の成長見通しを引き下げたが、ユーロ相場は反応せず。ポンド相場も素直に買われたが、英中銀金融政策の発表前には買い一服に。

 NY市場では、ドル買いが強まった。ドル円は一時109.45近辺まで上昇、5月以来の高値水準となった。米中貿易協議への期待が再び高まっており、米10年債利回りが1.97%まで急上昇するなどリスク選好の雰囲気が強まり、ドル円を押し上げた。しかし、終盤になって、「ホワイトハウスの対中関税撤廃計画が米政権内部で強い反対に直面しており、まだ最終的な決定は下されていない」と伝わった。ドル円は買い一服も109円台は維持した。ユーロドルは1.1050割れまで一時下落。ポンドドルは一時1.28台割れとなった。英中銀は予想通りに政策金利を据え置いたものの、2名の理事が予想に反して0.25%の利下げを主張したことがポンドを圧迫した。経済が予測通りに改善すれば、小幅な引き締めを検討する可能性を示していたものの、カーニー英中銀総裁は会見で景気の下振れリスクを強調していた。全体的にはハト派な印象が強かった。

(8日)
 東京市場は、前日からのドル高水準で揉み合い。ドル円はホワイトハウス関係者の「米中協議に非常に楽観的」との報道もあり、午前中に一時109.40近辺まで買われた。ただ、前日NY市場での高値には届かず。トランプ大統領の弾劾調査を行っている下院の委員会が「大統領首席補佐官代行を本日召喚」との報道もあり、その後は109円台前半で上値重く推移した。ユーロドルは1.10台半ばの狭いレンジでもみ合い。豪中銀四半期金融政策報告が発表された豪ドルは少し頭の重い展開。目立った内容の変化はなかったが、豪ドル/ドルは0.69台割れとなった。

 ロンドン市場は、ドル買いの動きが再燃している。序盤は静かな取引で、動意薄だったが、次第にドル買いの動きに押される展開となっている。ドル指数は前日から小幅に高値を伸ばしている。ドル円は109円台前半で高値を109.41レベルに更新。ユーロドルは1.10台前半で安値を1.1026レベルに広げており、前日から一段安となっている。ポンドドルは1.28台を割り込み、1.2795レベルまで軟化。豪ドル/ドルは0.68台後半で安値を0.6862レベルまで広げた。いずれも値幅は小さいものの、今週のドル高の流れは継続している。米10年債利回りは1.92%近辺へと再び上昇している。

 NY市場でドル円は戻り売りに押される展開となった。一時109.10付近まで値を落としている。序盤は米国債利回りの上昇に追随して、きのうに引き続き109.50を試す動きも見られたが、トランプ大統領の「米国は中国と関税撤廃で合意していない」との発言をきっかけに戻り売りが優勢となった。また、大統領は米国内での調印にこだわっているようだ。本日の200日線は109.05付近に来ており意識されたが、200日線の水準は堅持した。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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