英EU離脱は流動的もリスク回避の雰囲気なくドル円は買い戻し=NY為替前半
きょうのNY為替市場でドル円は買い戻しが続いており、108.70円近辺まで戻している。前日の英議会の決定を受けて、リスク回避からドル円は東京時間に108円台前半まで値を落としていた。ただ、NY時間に入ると米株も底堅く推移しており、リスク回避の雰囲気が強まっていないことからドル円も買い戻されている状況。
先週から108円台後半の上値が重く、109.10円付近に来ている200日線を目指す動きまでは見られない中、108.75円を超えてくると売り圧力も強まりそうな状況ではある。
ポンドはNY時間に入って買い戻しの動きが優勢となっている。ポンドドルは1.2840ドル近辺まで下落していたが、1.28ドル台後半まで戻している。英議会は第2読会で離脱協定法案自体は可決させ成立に向け前進が見られたものの、審議日程の短縮は拒否しており、ジョンソン英首相がこだわっていた10月31日での離脱は難しい情勢。
先日、議会で成立させた法律により英政府はEUに対して離脱延期の要請を行っている。英離脱延期申請への回答は恐らく25日(金)にツスクEU大統領が決定するとの報道も流れていた。ブリュッセルでEU各国の代表が協議を続けており、本日は結論が出ないとしている。EU内でコンセンサスが得られない場合は首脳会議を開催する可能性にも言及している。最も可能性の高い選択肢は1月31日までの延長だという。
場合によっては、ジョンソン首相は法案を破棄し、クリスマス前の総選挙に向けて動く可能性も示唆しており、いずれにしろ情勢はなお混沌としている状況。
ユーロドルはNY時間に入って下げは一服しているものの、戻り売りの流れは続いている。特に材料もない中、ややドル買い戻しの動きが出ていることから、ユーロドルは軟調な推移となっている模様。ただ、下押す動きまでは出ていない。
明日はドラギ総裁最後のECB理事会が予定されている。特に政策変更はないことが確実視されており、静かな理事会になるものと思われる。ただ、ユーロ圏経済が低迷から抜け出す気配は依然としてなく、景気の下振れリスクは繰り返し言及してくるものと思われる。
MINKABU PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。