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今週のまとめ10月14日から10月18日の週

為替 

 14日からの週は、円安の動きが広がった。EU首脳会議で英国の離脱修正案について合意した。また、米中通商協議について、中国商務省はフェーズ1の文書化作業を進めており、次のフェーズ2の段階についても協議していると前向きな姿勢が示された。一方で、ファンダメンタルズ関連は弱いニュースが多かった。IMFは世界経済成長見通しを引き下げた。ドイツ政府は2020年成長見通しを下方修正。第3四半期の中国GDPは+6.0%に伸びが鈍化した。米小売売上高は市場予想を下回り、前月比減少となった。ただ、市場ではリスク選好ムードが優勢で、株高、円安の動きが優勢だった。ポンド円が141円台、ポンドドルが1.30台手前へと大幅上昇。ドル円は109円台をうかがう動き。その他主要通貨でも円安やドル安の動きが広がった。ただ、英離脱修正案については英国とEUの議会承認が控えており、特に19日の英議会採決の動向にはまだ不透明感が残っている。週末前には若干調整の動きも見られた。英議会の結果を受けた週明けのオセアニア市場の動向に関心が集まっている。


(14日)
 東京市場は体育の日の祝日で休場。

 ロンドン市場は、リスク警戒の動きが再燃している。ポンドが先週後半の大幅上昇から一転して反落したほか、ドル円、クロス円はは欧州株や米株先物の下落とともに下押しされている。英EU離脱交渉は先週末に一歩前進となったが、今週のEUサミットが迫るなかで英政府は「まだなすべきことが多い」としており、市場に不安感を広げた。ポンドドルは1.25台前半、ポンド円は125円台後半へと反落。さらに、この日は米中協議についても不安材料がでている。先週末は米国が中国と部分合意した、15日からの追加関税措置を延期する、と発表していた。しかし、週明けに中国は米国との「フェイズ1」合意署名の前にさらなる交渉を希望、と報じられている。ドル円は一時108.03レベルまで下落した。豪ドル安も目立った。東京不在のアジア市場では、中国貿易統計が発表されており、輸出入ともに大幅減となった。ロンドン市場にかけて豪ドル売りが続いており、豪ドル円は73円近辺へと下落している。

 NY市場はコロンブスデーの祝日で債券市場休場。カナダは感謝祭の祝日で休場。ドル円はロンドン市場午前に見られたドル売り円買いに調整が入る展開。先週末に合意したと報じられた米中通商協議のフェーズ1について、中国側が追加協議を希望と報じられたことが警戒感を誘った。来月のAPECで予定される米中首脳会談が合意署名のめどとなっているが、その前にライトハイザーUSTR代表やムニューシン財務長官を中国に招いて協議を行いたいという意向が報じられている。ドル円は108.45近辺まで上昇し、その後108.30台での推移。ブレグジット合意期待で先週後半に急上昇いたポンドは不安定な展開。今週のEU首脳会合までに依然としてなすべきことが多くあるという英政府関係者情報などが重石となり、ロンドン市場で大きく調整の場面も、その後買い戻しが入るなど、上昇基調は継続。

(15日)
 東京市場は、小動き。米10年債利回りが朝の1.71%台から一時1.68%近辺まで低下してドル売りの圧力となったが、米中通商合意への期待感からの円売りが支えとなった。ドル円は108円台前半での揉み合いが続いた。米中通商合意については、中国が来月のAPECで開催が見込まれる米中首脳会談を前に、閣僚級の追加協議を希望との報道などが重石となっている。一方、今日から実施予定だった関税引き上げが先送りされたことや、中国による米国産農産物の輸入拡大など、一定の成果がすでに出ていることもあり、下がったところでドルを買う動きも。ポンドは1.26台前半推移。今週の首脳会合での合意には慎重な見方が欧州側から出ており、若干売りが広がる場面も、1.26台は維持しており、期待感が継続した。

 ロンドン市場は、円買いが優勢。欧州株や米株先物が買われるも、米債利回りは低下とまちまちの動き。ドル円は108円台前半で上値重く推移。中国が、米国に500億ドル相当の輸入品に対する関税撤廃を求める、と報じられたことが不透明感を広げた。ブレグジット協議も大詰めの段階でなかなかスッキリと合意できていない。英欧ともに本日中の合意を目指しているが、バルニエEU首席交渉官からは現時点の英提案は不十分だ、としている。ただ、本日中にまとまらなければ、EUサミットの会期延長や今月中の臨時サミット再開などの動きも示唆していた。なんとしてでも合意したい意志はみられた。ポンドドルは1.26台で神経質に振幅した。ポンド円も136.50-137.50レベルでの上下動。この日発表された英ILO雇用統計では雇用者数が4年ぶりの大幅減、失業率も予想外の上昇と冴えなかった。カーニー英中銀総裁は、景気が鈍化した場合、金利をゼロに近づけることできる、と述べていた。ユーロは序盤に上値を試すも反落した。独ZEW景況感指数は予想ほど落ち込まなかったが、6か月連続でのマイナスだった。ユーロドルは1.10台前半、ユーロ円は119円台での上下動。足元では、上値重く推移している。

 NY市場は、ポンド買い主導で、リスク選好の動き。一部報道で「EU離脱協定に関して英国とEUの交渉担当者がブリュッセルで会合を開いており、きょう中にもEU離脱協定の草案合意に近づいている」と報じられた。ポンドドルは1.27台後半、ポンド円は139円台乗せまで急伸。ドル円もリスク選好ムードに乗って109円手前まで上昇した。ユーロドルは1.10台を回復、ユーロ円は120円台乗せまで買われた。米株が上昇、米債利回りも上昇した。米中貿易協議の部分合意については署名されるまでは予断を許さないとの慎重な見方があった。一方、今月のFOMCでの利下げ観測が株式市場に好感される面もあった。IMFは世界経済成長見通しを再び引き下げた。EU離脱交渉については、北アイルランド民主党DUPの支持がカギになるとみられている。

(16日)
 東京市場は、やや円高の動き。ドル円は108.80台から108.60台へと水準を下げ、その後は揉み合いとなった。米下院で15日(日本時間16日朝)に香港法案が可決されたことについて、中国が法案成立の場合相当な報復措置と表明したことが警戒感を誘った。プラス圏で始まった上海総合がマイナスに転じるなど、警戒感が広がる格好も影響は限定的。NZドルが振幅。早朝の消費者物価指数が強めだったことだ買われたが、バスガンド中銀副総裁が追加緩和の可能性を示唆したことで反落。さらに、米中関係悪化の懸念によるオセアニア通貨売りが上値を抑えた。対ドルでは0.63台乗せから0.62台後半へと軟化した。EU離脱交渉が16日午前に再開との報道で、ポンドは底堅く推移。

 ロンドン市場は、ポンドが神経質に上下動。あすのEU首脳会議を目前に控えて、離脱合意に向けたギリギリの交渉が続いている。DUPが抵抗していることで離脱合意の可能性は低いとの英政府筋の発言、EU関係者からは英国が動かない限り離脱合意は不可能と認識しているとの報道などでポンドが売られた。一方で、バルニエEU首席交渉官はEU委員会で16日中の離脱合意を楽観していると発言した。ポンドは持ち直したが、前日からのレンジ内の動きにとどまっている。ポンドドルは1.26台半ばから1.27台後半、ポンド円は137円台半ばから139円近辺で激しく振れた。一連の英物価指標は予想をやや下回る結果だったが反応薄。ユーロは序盤に上値を試したが、すぐに売り戻された。ドイツ経済およびGDPの数字が打撃を受けるようであれば、景気刺激策を用意、とのドイツ当局者の発言報道が買いを誘い、ユーロドルは1.1060近辺、ユーロ円は120.28近辺まで上昇。その後発表された8月ユーロ圏消費者物価指数確報値は前年比+0.8%に下方改定され、約3年ぶりの低水準となった。ユーロドルは1.1020台、ユーロ円は119円台後半に反落も、東京市場の揉み合い水準に落ち着いた。ドル円は108円台後半と、東京市場からの揉み合い圏を離れず、静観している。欧州株も様子見ムード。

 NY市場で、ドル円は狭いレンジ取引だった。米小売売上高を受けてFOMCでの利下げ期待が更に高まっており、ドル売り圧力がドル円の上値を抑えた。一方、英EU離脱協定の合意へのセンチメントも高まり、株式市場が底堅く推移する中、ドル円は下値を支えられる展開。 ドル円は108円台後半での揉み合いにとどまった。ポンドは堅調。ポンドドルはロンドン午前に神経質に振れたあとは1.28台にしっかり乗せており、NY中盤には高値を1.28台後半へと伸ばした。EU離脱関連の報道が錯綜しているが、市場ではEUとの合意に向けての期待感がまさっていた。ただ、英BBCによると、英政府関係筋の話として、今夜は英国とEUの離脱合意はないと伝えており、やや戻り売りの反応も出ていた。ユーロドルは1.10台後半で高値を伸ばす動き。ユーロ自体の材料はみあたらず、米国や英国発の材料に左右されている。

(17日)
 東京市場で、ドル円は108円台後半で揉み合った。。昨日の米小売売上高の衝撃的な弱さを受けてのドル安局面でもドル円は108円台半ば手前の買いがしっかりするなど、堅調地合いが持続。もっとも109円を試す動きにも慎重と、上下ともに動きにくい展開に。米中通商協議の進展期待がドル円の押し上げ要因となっているが、香港問題に絡んでの不透明感もあり、高値追いには慎重姿勢。ポンドは午後に急落。朝から1.2835-1.2815近辺の狭いレンジでもみ合っていたポンドドルは、14時50分前後に出たDUP(北アイルランド統一党)の現状の提案を指示できないとの姿勢表明で1.2750近辺まで急落した。英議会での過半数獲得が難しくなることで、離脱合意に暗雲との懸念が広がった。

 ロンドン市場では、ポンドが急伸、円安の動きが広がっている。まず、中国が貿易協議のフェーズ1の文書化の作業に取り組んでおり、次のフェーズ2に関する協議を行っていると発表した。円安・株高と好ムードとなったところで、英国とEUが離脱合意を達成したと報じられた。ポンドが一気に上昇し、その他主要通貨も追随。円安とドル円の動きが広がった。序盤は軟調だった欧州株や米株先物は両ニュースを受けてプラスに転じ、上げ幅を拡大している。ポンドドルは1.30手前、ポンド円は一時141円台乗せまで急伸。ドル円は109円手前、ユーロ円121円台前半、豪ドル円74円台前半へと買われた。ユーロドルは1.11台乗せ、豪ドル/ドルは0.68台に乗せる動き。全般にリスク選好ムードとなっている。ただ、週末土曜日に英議会で合意について採決が実施される。タフな議会での賛同を得られるのかどうかに焦点が移ってきているようだ。

 NY市場で、ドル円は戻り売りが優勢。英国とEUが離脱協定で合意し、ポンドとともにドル円も108.90近辺まで上昇した。しかし、メイ英前首相の時と同様に、英議会では合意に反対が多く、19日(土)に開会する議会が批准するか不透明な情勢となっている。さらに、米鉱工業生産は予想以上の減少となり、米製造業の低迷を示した。今月のFOMCでの利下げ期待を追認する内容でもあり、ドル売りがドル円を圧迫した面も。ドル円は108.50近辺まで一時反落した。ポンドは激しく上下動。ポンドドルは1.30台まで一時急伸したあとは、急速に売り戻されている。DUPは合意案に不支持を表明。ポンドドルは1.2750近辺まで下落した。その後は1.28台へと戻している。ユーロドルは買い戻しが続き、一時1.1140近辺まで上昇。その後は1.1130付近に膠着している。ドイツ政府は2020年成長見通しを従来の1.5%から1.0%に引き下げたが、反応は限定的だった。

(18日)
 東京市場で、ドル円は小安い動き。108.52レベルまで弱含んだ。値幅は狭かったが、英政府とEUが合意した離脱協定修正案が明日の英議会採決を通過できないとの見方もあって、週明けの相場変動が警戒された。2週間後の英離脱期限を控えて、不透明感は根強い。7-9月期の中国GDPは前年比+6.0%に鈍化し、統計開始以来の最低の伸びとなったが、ほとんど材料視されず。米中貿易摩擦が続くなかで、中国経済の減速に驚きはないとの見方も。ポンドドルは1.28台半ば、ポンド円は139円台半ばへとじり安の動き。ユーロドルは1.11台前半で小動き。前日からの高値圏を維持している。

 ロンドン市場は、ポンドが底堅い動き。東京市場で軟調だったが、ロンドン勢は買いを先行させている。ポンドドルは一時1.29台乗せ、ポンド円は140円台前半へと上昇。ラムズデン英中銀副総裁は、国内のインフレ圧力が増大しつつある、円滑なEU離脱なら利上げが検討の対象になる、と述べたが、報道時はポンド買いには反応せず。離脱案採決後の現地20日夜(日本時間21日早朝)にアジア外為市場を注視、としており、結果を受けた市場動向を気にしていた。コベニー・アイルランド外相は、合意が拒否された場合、アイルランドは離脱延期を強く支持する、と発言したが、特段の反応はなかった。ドル円、クロス円は東京市場の下げを消す動き。わずかに高値を伸ばしたが、小幅の値動きにとどまっている。米債利回りが小幅上昇も、欧州株や米株先物は小安い。

NY市場で、ドル円はポジション調整の動き。NY午後には108円39銭を付ける動きに。19日の英下院で行われるEU離脱修正案の採決動向が依然不透明で、ぎりぎりの攻防を続けていることに対する警戒感や、米中通商問題がもう一段紆余曲折ありそうな中で、週末の政治リスクなどが意識され、ドル買い円売りポジションの調整が強まった格好。ユーロドルが1.1170台を付けるなど、ユーロ買いドル売りの動きも。ユーロに関しては前回9月に行った包括的金融緩和に対する反対意見が広がる中で、来週のECB理事会をにらんだユーロ買いに。ポンドはカーニー英中銀総裁がEU離脱修正案についてジョンソン政権とEUとが合意したことについて、グッドニュースを肯定したことなどが好感され、もう一段の上昇に。態度を表明していない無党派議員への追い風という期待も。

MINKABU PRESS

執筆者 : MINKABU PRESS

資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。

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