ドル円は100日線付近での推移=NY為替後半
NY時間の終盤に入ってドル円は108.10円付近での推移となっている。きょうのNY為替市場、ドル円はNY時間に入って買い戻しが見られており108円台に戻している。週末にサウジの石油施設が無人機で攻撃されたことで地政学リスクから週明けのドル円は107円台半ばまで下落して始まっていた。東京勢が連休の中、リスク回避の円高が強まっていたが、107.50円付近でサポートされ反転の動きとなっている。
今回の攻撃で原油は急伸する中、為替市場はドル買いの反応を強めている。トランプ大統領はきのう、米戦略石油備蓄(SPR)の放出を認可したと発表。原油について米国は世界有数の産油国に変貌しており従来とは違う。欧州や日本、中国などよりも耐久性が高くなっている面も有事のドル買いを誘発しているのかもしれない。原油価格の上昇が続けば、インフレへの懸念からFRBが利下げをしづらくなることも想定される。
ドル円は108円台前半に来ている100日線に上値を一旦拒まれているが、その水準の突破を視野に入れた動きは続いている。本日の100日線は108.10円付近。
ユーロドルはロンドン時間から一本調子の下げを続けており、1.10ドルを一時割り込んでいる。先週のECB理事会を通過して、ユーロドルは1.11ドル台まで一時買い戻されていたが、突破することができずに上値の重い展開となっている。再び21日線の下に来ており、下げトレンドは継続しているようだ。市場の一部からは米国による欧州車に対する関税賦課の可能性も取り沙汰されており、ユーロの上値を重くしているとの指摘も出ている。
ポンドドルは戻り売りに押される展開。ジョンソン英首相がベッテル・ルクセンブルク首相と会談を行っていたが、予定していた会見をキャンセルした。ベッテル首相は会見を行っており、「英国からは現在の協定の変更に関する具体的な提案はなかった」などと述べていた。ジョンソン首相は離脱協定の再考を求めているが、EU側は変更の意思はない旨をいまのところ強調している。きょうの両首脳の協議は決裂したようだ。
ポンドドルは1.25ドル台前半に来ている100日線で上値を一旦止められた格好となっているが、リバウンドの流れはなお継続。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。