【山岡の視点】雇用統計弱めで少し調整もしっかり、パウエル議長講演は比較的強め
雇用統計弱めで少し調整もしっかり、パウエル議長講演は比較的強め
講演では利下げの可能性を示しつつ、景気後退ではないとの姿勢を示した
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《9/6 金曜日》
ドル円 ユーロドル ユーロ円
始値 106.94 1.1035 118.01
高値 107.10 1.1057 118.27
安値 106.62 1.1020 117.82
終値 106.92 1.1029 117.89
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《9/6 金曜日の主要株式指数》
前日終値 前日比
日経 21199.57 +113.63
DOW 26797.46 +69.31
S&P 2978.71 +2.71
Nasdaq 8103.07 -13.75
FTSE 7282.34 +11.17
DAX 12191.73 +64.95
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《9/6 金曜日の商品市場》
NY原油先物10月限(WTI)(終値)
1バレル=56.52(+0.22 +0.39%)
NY金先物12 月限(COMEX)(終値)
1オンス=1515.50(-10.00 -0.66%)
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《9/6 金曜日に発表された主な経済指標》
【日本】
景気動向指数(速報値)(7月)14:00
結果 99.8
予想 100.7 前回 100.4(景気一致指数)
結果 93.6
予想 93.2 前回 93.3(景気先行指数)
【ユーロ圏】
鉱工業生産指数(7月)15:00
結果 -0.6%
予想 0.4% 前回 -1.1%(-1.5%から修正)(前月比)
結果 -4.2%
予想 -3.9% 前回 -4.7%(-5.2%から修正)(前年比)
ユーロ圏GDP・確報値(第2四半期)18:00
結果 0.2%
予想 0.2% 前回 0.2%(前期比)
結果 1.2%
予想 1.1% 前回 1.1%(前年比)
【英国】
HBOS住宅価格(8月)16:30
結果 0.3%
予想 0.2% 前回 0.4%(-0.2%から修正)(前月比)
【カナダ】
雇用統計(8月)21:30
結果 8.11万人
予想 2.00万人 前回 -2.42万人(雇用者数)
結果 5.7%
予想 5.7% 前回 5.7%(失業率)
Ivey購買担当者景況感指数(8月)23:00
結果 60.6
予想 N/A 前回 54.2
【米国】
雇用統計(8月)21:30
結果 13.0万人
予想 16.0万人 前回 15.9万人(16.4万人から修正)(非農業部門雇用者数)
結果 3.7%
予想 3.7% 前回 3.7%(失業率)
民間部門雇用者数
結果 9.6万人
予想 15.0万人 前回 13.1万人(14.8万人から修正)
製造業雇用者数
結果 0.3万人
予想 0.5万人 前回 0.4万人(1.6万人から修正)
平均時給
結果 0.4%
予想 0.3% 前回 0.3%(前月比)
結果 3.2%
予想 3.0% 前回 3.3%(3.2%から修正)(前年比)
週平均労働時間
結果 34.4
予想 34.4 前回 34.3
労働参加率
結果 63.2%
予想 N/A 前回 63.0%
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《9/6 金曜日に発表された主なイベント・ニュースなど》
【日本】
*黒田日銀総裁
現状の-0.1%という短期金利、深堀は従来から掲げる4つのオプションの一つとして必ず入っている。
世界的に金利が低下。
弾力的に市場機能が発揮されているところを無理にというのはいかがなものか。
全く限度がないのかというと、0%程度という操作目標の意味がなくなる。
超長期債の利回りはちょっと下がりすぎ、消費者マインドにマイナス。
超長期債オペ、必要に応じて。
【英国】
*ジョンソン首相
EU離脱延期に同意するぐらいならば野垂れ死にしたほうがまし。
英国の交渉能力を議会が完全にぶち壊すような状況は受け入れられない。
10月15日の総選挙を望んでいる。
*英与党・保守党リースモグ下院院内総務
早期の総選挙実施を巡る動議、週明け9日に再度採決を行う。
*英野党・労働党、スコットランド国民党(SNP)
10月29日の総選挙実施を検討。
*イングランド裁判所
英首相の議会休会に対する異議を却下。
【香港】
*格付け大手フィッチレーティングス
香港のソブリン格付けを従来のAA+からAAに引き下げ。見通しはネガティブ。
香港の自治に対する浸食などを理由、2019年の実質GDP成長率の見通しゼロ。
【米国】
*パウエルFRB議長
米経済は非常に良好。
米経済の見通しは好ましい。
経済見通しには大きなリスクがある。
本日の雇用統計は底堅い労働市場に沿った内容。
FRBは景気後退を予想してない。
貿易政策が企業の投資を圧迫。
FOMCは適切に行動する。
米国も世界も緩やか成長が最も可能性が高い。
経済を支援するために手段を引き続き使用。
貿易問題の不確実性が企業の投資を遅らせている。
個人消費は力強い。
米経済は個人消費によって拡大している。
マクロ経済の状況は低インフレ、低成長、低金利。
全般的に中央銀行は刺激策の余裕がない。
今年の米成長見通しは2~2.5%を見込む。
インフレは2%を下方乖離させない。
中立金利はこの20年で2%から3%に低下。
*クドロー米国家経済会議(NEC)委員長
中国の事務レベル級のチームが9月に訪米する。
中国は10月1日からの関税延期を要求していない。
10月の米中閣僚級協議に向けて条件はない。
関税は中国との会話の一部。
テクノロジーの最先端において米国を保護する必要。
【その他】
*ムガベ前ジンバブエ大統領が9月6日に死亡。95歳だった。
【中国】
*中国
預金準備率を0.5%引き下げ、9月16日から実施。
預金準備率を10月15日と11月15日に追加引き下げも。
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《本日予定されている主な経済指標》
【日本】
GDP・2次速報値(第2四半期)8:50
予想 0.3% 前回 0.4%(前期比)
予想 1.3% 前回 1.8%(前年比)
GDPデフレータ・2次速報値(第2四半期)8:50
予想 0.4% 前回 0.4%(前年比)
国際収支(7月)8:50
予想 -210億円 前回 7593億円(貿易収支)
予想 20472億円 前回 12112億円(経常収支)
予想 17006億円 前回 19419億円(経常収支・季調済)
【スイス】
失業率(8月)14:45
予想 2.3% 前回 2.3%(季調済)
予想 前回 2.1%(季調前)
【ユーロ圏】
ドイツ貿易収支(7月)15:00
予想 N/A 前回 166億ユーロ(168億ユーロから修正)
ドイツ経常収支(7月)15:00
予想 N/A 前回 206億ユーロ
【英国】
商品貿易収支(7月)17:30
予想 N/A 前回 -70.09億ポンド
鉱工業生産(7月)17:30
予想 0.0% 前回 -0.1%(前月比)
予想 -1.0% 前回 -0.6%(前年比)
製造業生産高(7月)17:30
予想 0.0% 前回 -0.2%(前月比)
予想 -1.0% 前回 -1.4%(前年比)
【ブラジル】
小売売上高(7月)21:00
予想 N/A 前回 -0.3%(前年比)
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【東京市場】黒田総裁マイナス金利深堀に言及
昨日の米中通商協議再開を好感したドル買い円売りに加えて、米ISM非製造業景気指数の好結果も支えとなり、昨日のNY市場で107円台を付けたドル円。少し調整が入って東京朝を迎え、東京市場で再びの107円台に。
もっとも今晩の米雇用統計を前に、107円台からの買いなど、積極的な取引には慎重姿勢が見られた。
黒田日銀総裁が日経新聞のインタビューでマイナス金利の深堀は選択肢の一つと発言したことで円売りが入った場面でも107円10銭近辺まで。長期金利の低下を懸念する発言もあり、その後は106円台に戻すなど、ドル買い円売りは続かず。
ユーロドルは1.10台前半でもみ合い。来週のECB理事会を前に頭の重い展開が続くが、1.10割れには慎重姿勢も見られる。
【ロンドン市場】ポンド売りなど
ポンド売りの動きなどが目立っている。
米雇用統計を前にして、これまでの買いに調整が入る格好。
ドル円は107円ちょうど前後での推移。
ユーロドルももみ合いで雇用統計をにらんだ展開が続いた。
【NY市場】雇用統計さえず106円台に下落も値幅は限定的
注目の米雇用統計は非農業部門雇用者数が予想を下回るなど
かなり弱めの数字となった。
ドル円は週末前のポジション調整も加わえり一時106円60銭近辺まで。
もう一つの注目材料パウエル議長講演では
米経済は非常に良好で、FRBは景気後退を予想してないなどの発言があり
その後少し戻して106円90銭台で週の取引を終えている。
<h2>【本日の見通し】FOMCでの利下げ見通し継続も下値では買い</h2>
FOMCでの利下げ期待が継続でドル円は頭の重い展開も
下がったところでは買いが出そう。
来月の米中協議再開に向けた期待感などが下支えに。
人民銀行による対ドル基準値動向なども注目材料として残る。
今週のECBは利下げ(主要金利は据え置きも中銀預金金利の引き下げ)はほぼ確実視されているが
量的緩和についてはECB内での意見が分かれており
今回の実施については微妙。実施もしくは今後の実施可能性をしっかり示すとユーロ売りも。
ECBまではユーロは動きにくい展開。
1.10割れでの売りに慎重で値幅は限定的か。
<h2>【本日の戦略】押し目買い</h2>
流れ的には押し目買い。
米雇用統計は弱め、今月は利下げという流れも
米中関係の改善期待がある以上売り切れない流れか。
とはいえ107円台での買いには慎重。
106円台半ばあたりでの押し目狙い。
※山岡和雅個人の見解です
為替や、その他いかなる商品について売買を推奨するものではございません