円高の動き一服、欧州株高や米債利回り上昇で=ロンドン為替概況
円高の動き一服、欧州株高や米債利回り上昇で=ロンドン為替概況
30日のロンドン市場は、円高の動きが一服している。欧州株が堅調に推移しており、米株先物も時間外取引で上げ幅を拡大。米10年債利回りが一時1.54%近辺に上昇するなど、リスク警戒の動きが後退している。9月1日には米国が対中追加関税第4弾を開始するが、市場では双方が協議を再開することが期待されているもよう。ドル円、クロス円の下押しは一服しており、ドル円は106.50台、ユーロ円は117.50台へと下げ渋った。豪ドル円も71円台後半へと一時反発。ユーロドルは1.10台前半で小安い動き。安値を1.1030台へと広げた。9月のECB理事会を見据えて、一部当局者からは市場の過度な緩和期待を抑制する動きがみられた。ラウテンシュレーガー理事は、QE再開については最終手段だとしている。8月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+1.0%と引き続き中銀目標を大幅に下回った。ポンドドルは1.21台後半での神経質な上下動。ジョンソン英首相の議会休会を阻止するために裁判所に差し止めを求める動きがでている。いったん拒否されたものの、再び来週には審理が行われる予定。
ドル円は106円台前半での取引。ロンドン朝方に106.29レベルまで下落したあとは、106.54レベルまで反発した。その後はレンジ内での取引が続いている。欧州株が寄り付き直後の下げを消して堅調に推移。米株先物も時間外取引で上げ幅を拡大している。米10年債利回りは一時1.54%近辺まで上昇した。リスク警戒の動きが一服しており、円高圧力も緩和されている。
ユーロドルは1.10台前半での取引。米債利回りの上昇がドル買い圧力となり、序盤に安値を1.1033レベルまで広げた。その後は1.10台前半にとどまり、上値重く推移している。ただ、値幅は20ポイント未満と限定的。ユーロ円はドル円とともに117.35レベルの安値から117.50台まで下げ渋ったが、上値は抑えれられている。9月のECB理事会を見据えて、一部当局者からは市場の過度な緩和期待を抑制する動きがみられた。ラウテンシュレーガー理事は、大規模刺激策には時期尚早、QE再開はデフレリスクがあるときのためのラストリゾートだとしていた。8月ユーロ圏消費者物価速報は前年比+1.0%と引き続き中銀目標を大幅に下回った。
ポンドドルは1.21台後半での取引。1.2159レベルから1.2200レベルでの振幅と、方向性に欠ける動き。ポンド円も安値129.37レベルをつけたあとに129.88レベルまで反発。その後はレンジ内にとどまっている。EU離脱をめぐり神経質な値動きとなった。ジョンソン英首相の議会休会を阻止するために裁判所に差し止めを求める動きがでている。いったん拒否されたものの、再び来週には審理が行われる予定。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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