ドル円106円台前半に上昇、米中貿易協議再開への期待で=ロンドン為替概況
ドル円106円台前半に上昇、米中貿易協議再開への期待で=ロンドン為替概況
29日のロンドン市場は、リスク警戒感が後退し、円売りが優勢になっている。中国商務省報道官 米中は9月の訪米に関して協議している、と報じられたことが市場のリスク警戒感を後退させた。米債利回りが上昇し、欧州株や時間外取引での米株先物が買われている。ドル円は105.90近辺での揉み合いを上放れ、106.36レベルまで上昇。クロス円も総じて買われており、ユーロ円117円台後半、ポンド円129円台後半、豪ドル円71円台後半へと本日高値を伸ばしている。また、イタリアではマッタレッラ大統領がコンテ首相に新たな組閣を委任しており、伊債券や伊株式が買われている。英EU離脱については不透明感が根強いが、労働党は立法による離脱延期を探るのが最善策だが、限られた議会開催期間では政府不信任投票の要求が最も有効との見方を示していた。ポンドドルは1.21台後半まで下落したあと、1.22台を一時回復した。一方、ユーロドルは1.10台後半で上値重く推移している。
ドル円は106円台前半での取引。東京市場では106円台を維持できず105.80台まで軟化したが、ロンドン市場では買いが優勢になっている。中国商務省報道官 米中は9月の訪米に関して協議している、と報じられたことが市場のリスク警戒感を後退させて、株高・米債利回り上昇などでドル円の買いを誘った。一時106.36レベルまで高値を伸ばした。
ユーロドルは1.10台後半での取引。小動きではあるが、1.1085近辺から1.1070近辺までじり安となっている。米10年債利回りが1.45%近辺から1.50%台へと上昇しており、ドル買い圧力となっている。ユーロ円は117.30近辺を底値に一時117.77レベルまで上伸した。米中貿易協議再開への期待や伊政局安定化への期待が背景。マッタレッラ伊大統領がコンテ首相に新たな組閣を委任しており、伊債券や伊株式が買われている。8月のドイツ雇用統計は予想通りの結果で反応薄。8月のユーロ圏景況感指数は前回からは改善したが、今年に入って2番目の低水準と引き続きさえない数字だった。
ポンドドルは1.22ちょうど近辺での取引。1.22挟みの小動きで、序盤に1.2182レベルまで下押しされたあとは、一時1.2222レベルまで反発した。ただ、上値重く再び1.22台割れの場面もあった。ポンド円は序盤に129円ちょうど近辺まで売られたあとは、急反発しており、高値を129.81レベルまで伸ばした。対ユーロでは0.9070-90レベルで方向感に欠ける動き。昨日はジョンソン英首相が英女王に10月半ばまでの議会休会宣言を要請へとの報道がポンド売り圧力となったが、きょうも上値は抑えられている。労働党のマクドネル氏は、合意なき離脱を阻止するためあらゆる手段を駆使できる、としており、政府不信任投票の要求、立法による離脱延期、などの可能性を示したが、ポンド買いの反応は一時的だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明
執筆者 : MINKABU PRESS
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