【これからの見通し】米FOMC後のドル高の持続性は、今日は英中銀金融政策会合
【これからの見通し】米FOMC後のドル高の持続性は、今日は英中銀金融政策会合
昨日の米FOMCでは0.25%利下げが発表された。これは市場の思惑通りの結果だった。ただ、事前にトランプ米大統領から大幅利下げの圧力をかけられていたことや、2割程度は0.5%利下げ観測があったことで、市場の反応はドル買いとなった。
パウエルFRB議長の会見では、長期的なサイクルに変化はない、としており、出口に向けた流れが基調であることが示された。一方で、サイクル中盤での調整、保険的、予防的など、やや釈然としない理由が今回の利下げにつけられていた。次回以降の利下げについては玉虫色の言及にとどめている。今後の利下げサイクルへの転換が明示されなかったことも株安とともにドル買いにつながっていたようだ。
ドル指数は2年来の高水準となっており、ドル円も上値が重かった109円台に乗せてきている。ユーロドルは1.11のサポートを下抜けて1.10台半ばへと下落している。ドル高圧力のなかには、ユーロなどドルの対価側の売り圧力もある。その意味では、ポンドドルがきょうの英金融政策委員会(MPC)でどのように反応するのかどうかも注目材料となろう。
日本時間午後8時に英中銀は金融政策を発表する。市場の見通しは政策金利、資産購入枠の据え置きがコンセンサスとなっている。きょうは議事録、四半期インフレ報告、カーニー英中銀総裁会見が予定される「スーパーサーズデー」。注目ポイントは多い。
まずは、政策金利の票割れは前回と同様に9対0となるかどうか。また、ジョンソン政権に移行してからは、合意なき離脱に備える動きが明示されており、英中銀が従来から前提としてきた「秩序立った離脱」のシナリオ設定に変化がみられるのかどうか。この場合、慎重かつ緩やか、限定的な引き締めが必要となろう、との文言に変化もしくは削除されるのかどうか。前回6月20日の会合では、ブレグジットに関する英中銀の前提と市場の見方に緊張あること指摘、としており、すでに変化の兆候があった。
また、5月2日の前回四半期インフレ報告では、2019年から2021年にかけての各年のGDP成長見通しが引き上げられていた。インフレ見通しについては、1年先と2年先が引き下げられる一方で、3年先は引き上げられていた。合意なき離脱のケースでは当初にインフレが高まるリスクがありそうだが、この点が盛り込まれるのかどうか。総じて、リスク対応姿勢に傾斜するようだと、ポンド売り圧力がかかりそうだ。
その他の材料としては、経済指標発表はドイツおよびユーロ圏の製造業PMI・確報値(7月)、英製造業PMI(7月)、米新規失業保険申請件数(27日までの週)、米ISM製造業景気指数(7月)、米建設支出(6月)などが発表される。日米閣僚級通商協議が2日まで行われる。米自動車販売台数(7月)が発表される。GM、モトローラ、ベライゾン、クラフトハインツなどの米企業決算が発表される。
minkabu PRESS編集部 松木秀明

執筆者 : MINKABU PRESS
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