【ロンドン市場】ポンド主導で円高・ドル高に、英欧経済に不透明感広がる
16日のロンドン市場は、欧州通貨が軟調に推移している。特にポンドが大幅に下落。7月22日の英保守党党首の決定期日が迫るなかで合意なき離脱への不透明感が相場を圧迫している。アイリッシュ・タイムズ紙によると、次期英首相候補のハント、ジョンソン両氏は、バックストップ案を破棄し、今後のEUとの交渉には含めないとの意向を示しているもよう。合意なき離脱へのリスクが高まっており、ポンド売り圧力となっている。今日発表された英賃金動向が強含んだものの、ポンド買い反応はみられず。ユーロにとっては、7月独ZEW景況感指数の弱さが示したように、欧州の景気動向が弱含んでいることでECBの追加緩和策への期待が高まっているもよう。7月のドイツZEW景況感指数は-24.5と前回の-21.1から一段と低下した。昨年10月以来の低水準となった。ZEWによると指数の悪化は、米中の貿易戦争が中国経済への影響にとどまらない点や、イランをめぐる地政学リスクの高まりなどが影響したと分析している。ポンド円は一時134円割れ、ユーロ円は121.10近辺へと下押し。ドル円は序盤に108円台に乗せたが、再び107円台後半に押し戻されている。
ドル円は108円近辺での取引。序盤に米債利回り上昇とともに108.10レベルまで買われたが、その後は失速して107.90近辺まで反落。欧州株も高安まちまちで、ともに方向感に欠ける取引となっている。ポンドなど欧州通貨が下落しており、円高とドル高の圧力にドル円相場は挟まれた格好。このあとの一連の米企業決算や米小売売上高などの経済指標待ちとなっている。
ユーロドルは1.12台前半での取引。1.1260近辺での揉み合いを下放れており、ロンドン市場では一貫して弱い動き。足元では安値を1.1218レベルまで広げた。ユーロ円は121.60台まで買われたあとは売り一色となり安値を121.12レベルまで広げた。ただ、対ポンドでは買われており、比較的下落幅は抑制された。ユーロにとっては、7月独ZEW景況感指数の弱さが示したように、欧州の景気動向が弱含んでいることでECBの追加緩和策への期待が高まっているもよう。7月のドイツZEW景況感指数は-24.5と前回の-21.1から一段と低下した。昨年10月以来の低水準となった。ZEWによると指数の悪化は、米中の貿易戦争が中国経済への影響にとどまらない点や、イランをめぐる地政学リスクの高まりなどが影響したと分析している。ビルロワドガロー仏中銀総裁は、次回のECB理事会で経済状況の評価を行うとした。市場依存ではなく、経済データ依存で判断するとしている。このあとは、EU議会でフォンデアライエン次期EU委員長の可否が投票される予定。
ポンドドルは1.24台前半での取引。1.2510付近での揉み合いを下放れると、売り圧力が継続した。足元では安値を1.2408レベルまで広げ、2017年4月以来の安値水準となった。ポンド円は135.30近辺まで買われたあとは売りに押され続けている。一時134円台を割り込んで133.97レベルまで下落。1月3日以来の安値水準をつけた。ユーロポンドも0.90台にしっかりと乗せており、高値を0.9040台まで広げた。7月22日の英保守党党首の決定期日が迫るなかで合意なき離脱への不透明感が相場を圧迫している。アイリッシュ・タイムズ紙によると、次期英首相候補のハント、ジョンソン両氏は、バックストップ案を破棄し、今後のEUとの交渉には含めないとの意向を示しているもよう。合意なき離脱へのリスクが高まっており、ポンド売り圧力となっている。今日発表された英賃金動向が強含んだものの、ポンド買い反応はみられず。
minkabu PRESS編集部 松木秀明