【ロンドン市場】ドル円108円台回復も、総じてドル売り圧力は継続
11日のロンドン市場は、ドル売り圧力が継続している。ただ、値動きは通貨ごとにまちまち。ドル円は107円台後半からじり高となり、108.20近辺まで反発した。欧州株が買い先行で取引を開始したことでドル円とともにクロス円が上昇している。米債利回りの低下は一服、10年債利回りは2.06%台に戻している。ただ、欧州株の上値は重く、上昇力は限定的。ユーロ円は122円台手前、豪ドル円は75円台半ばまでの上昇となっている。そのなかではポンド円は135円台後半へと上昇し、本日高値を広げている。ポンドドルは1.2570近辺まで一段高。豪ドル/ドルは0.6986レベルまで小幅に高値を更新。ユーロドルは1.1270-80レベルに高止まりしている。昨日のパウエルFRB議長の議会証言を受けてドル売り圧力は根強いようだ。英中銀金融安定化報告では、合意なき離脱の可能性が高まっている、世界経済見通しへのリスクが高まっている、と警告したが、英銀行は貿易戦争、無秩序な離脱などに耐えうる、との楽観的な見方もあった。クーレECB理事は、政策担当者は市場のシグナルに過剰に反応すべきではない、としながらも、ECBは弱い物価圧力について深刻に受け止めている、と述べた。
ドル円は108円台前半での取引。東京市場で107.86レベルの安値をつけたあとはじり高の動きとなっている。ロンドン序盤には欧州株の上昇スタートもあって108.20近辺まで買い戻された。ただ、欧州株の上値は次第に重くなっており、ドル円の上昇も一服している。米10年債利回りは2.06%台と前日終値付近へと低下一服。
ユーロドルは1.12台後半での取引。1.1270-80レベルを中心に小動き。東京市場からのレンジ内にとどまっているが、水準的には前日のパウエルFRB議長証言を受けて上昇した高値を維持している。ユーロ円はドル円とともに下げ渋り。121.60台から121.90近辺へと反発している。ただ、東京早朝の122円近辺までは戻しきれていない。クーレECB理事は、政策担当者は市場のシグナルに過剰に反応すべきではない、としながらも、ECBは弱い物価圧力について深刻に受け止めている、と述べたがユーロ相場は反応薄だった。
ポンドドルは1.25台後半での取引。しばらくは1.25台前半での揉み合いが続いていたが、取引中盤には買いが再燃しており、高値を1.2571レベルまで広げた。ポンド円は135円台前半から後半へと反発しており、本日高値を135.90近辺に更新した。対ユーロでもポンドは小高く推移している。英中銀金融安定化報告では、合意なき離脱の可能性が高まっている、世界経済見通しへのリスクが高まっている、と警告したが、英銀行は貿易戦争、無秩序な離脱などに耐えうる、との楽観的な見方もあった。カーニー英中銀総裁は、IMFでの職責に興味があるかどうかにはコメントを差し控えた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明