【ロンドン市場】独長期金利低下でユーロが軟調、パウエル議長講演待ち
25日のロンドン市場は、ユーロが軟調。独10年債利回りが一時マイナス0.33%に低下、史上最低水準を更新したことに反応した。ユーロドルは1.14台を維持できず反落、安値を1.1377レベルに広げている。ユーロ円は122円近辺が重く再び下値を模索し、安値を121.73レベルに広げた。対ポンドでもユーロは軟調。デギンドスECB副総裁は、欧州の銀行の収益力は依然として弱い、マイナス金利が銀行に及ぼす影響を注視する、と述べた。売りが先行した欧州株は次第に下げ渋っている。ただ、序盤に下げ一服となったドル円やクロス円は再び上値が重くなっており、ドル円は107円を挟む水準で上下動。ポンド円は136円台で上に往って来い。豪ドル円は買い戻し優勢も74.60台までと東京市場の下げを戻しきれず。ボルトン米大統領補佐官は、制裁などの圧力でイランは交渉の場に引きずり出されるだろう、と述べており、強硬姿勢を崩していない。パウエルFRB議長の講演待ちとなるなかで、リスク警戒感の根強さが確認された格好。
ドル円は107円ちょうど近辺での取引。東京市場での売りの流れを受けて、ロンドン早朝に106.78レベルまで下落した。しかし、米10年債利回りが1.98%台から2.02%台まで反発するなかでドル円も107.15近辺まで一時上昇した。ただ、ボルトン米大統領補佐官は、制裁などの圧力でイランは交渉の場に引きずり出されるだろう、と述べており、強硬姿勢を崩しておらず、再び中東情勢のリスクが意識された面があった。また、あすにかけて107円近辺に大規模なオプション期限設定が観測されており、ドル円の上昇を阻んだ面も指摘されている。ドル円は107円ちょうど付近での取引に押し込められている。NY市場でのパウエルFRB議長の講演を控えて動きにくくなっている面もあったようだ。
ユーロドルは1.13台後半での取引。前日海外市場からのドル安の流れを受けて、東京午後には1.1412レベルまで高値を伸ばした。しかし、その後は上値が重くなった。ロンドン市場に入ると独10年債利回りが一時マイナス0.33%に低下、史上最低水準を更新、ユーロ売り圧力となった。ユーロドルは1.1370台へと下押しされている。ユーロ円は東京市場からのリスク回避の動きが継続。戻りは122円近辺までに限定され、121.70台へと下値を広げている。対ポンドでも売りが先行した。デギンドスECB副総裁は、欧州の銀行の収益力は依然として弱い、マイナス金利が銀行に及ぼす影響を注視する、と述べた。この日は主要な欧州経済指標の発表はなかった。
ポンドドルは1.27台前半での取引。ロンドン早朝は買いが先行し、高値を1.2784レベルに伸ばした。その後は買い一服となり、足元では1.2730台へと押し戻されている。ポンド円は東京午後に136.10台まで下押しされたあと、ロンドン序盤は買い戻しが優勢となった。一時136.85近辺まで買われた。しかし、再び上値が重くなっており136.30台へと反落している。ユーロポンドは売りが先行し、0.8910台まで下落したが、足元では下げ一服。この日発表された6月の英CBI小売調査指数は-42と2009年3月以来の低水準に落ち込んだ。温暖な天候やサッカーワールドカップの影響が指摘されたが、特殊要因を除いても基調が弱含んでいることが懸念されている。また、英首相候補の筆頭であるジョンソン氏は、ハント氏ではブレグジットに遅れが生じるだろう、自身はブレグジットに向けて議会にチャレンジする、と述べていた。
minkabu PRESS編集部 松木秀明