今週のまとめ5月20日から5月24日の週

 20日からの週は、リスク回避の動きが広がった。米国のファーウェイなど中国企業に対する制裁禁輸措置といった日米貿易戦争がメインテーマとなって、市場全般にリスク回避圧力が席巻した。影響は米中以外の各国企業にも及んできている。また、OECDは世界経済見通しを再び引き下げた。欧州の景況感関連指標が低迷するなど成長持続が危ぶまれる状況になっている。欧州議会選挙が23日から26日にかけて実施されるが、ポピュリズム勢力の台頭が警戒されている。英国ではEU離脱をめぐり与野党の合意がみられないまま、離脱案の採決時期を探る展開。メイ首相は6月7日の保守党党首辞任を表明した。ドル円は109円台に下落、クロス円も総じて軟調。原油相場が大幅安となり、カナダドルや豪ドル相場を圧迫。豪州では年内の利下げ観測も高まっている。ドル相場は、リスク回避のドル買いと米債利回りのドル売りが交錯した。


(20日)
 東京市場は、ドル円が堅調。週末の豪総選挙で事前見通しに反して与党保守連合が勝利し、朝から豪ドル円での買いが入ったことや、日本の第1四半期GDPがマイナス予想に反して、前期比+0.5%と予想を大きく超える結果となったことなどで、リスク警戒の動きが後退した。ドル円は110.32近辺に高値を更新。豪ドル/ドルは0.69台乗せから0.6938近辺まで高値を伸ばした。ユーロドルは1.1150近辺で上値重く推移。今週の欧州議会選挙を前にフランスの世論調査で極右国民連合(旧国民戦線)が支持率でトップに立ったことが材料視された。

 ロンドン市場は、円買い優勢に転じた。中国外務省が、中国政府と企業がどのような対抗策を講じるか、見ていてほしい、と表明しており、米中貿易戦争への警戒感が再燃。東京市場で110.32レベルまで買われたドル円は売り優勢となり、取引中盤には110円台割れから109.90付近まで反落。クロス円も総じて下落。ユーロ円は122円台半ばへ、ポンド円は140円割れへと下押し。東京市場では豪総選挙での与党勝利を受けて豪ドルが上伸したが、ロンドン市場では上げ一服。豪ドル円は一時76円割れとなった。欧州株が下落、米株先物も時間外取引で下げに転じている。NY原油先物は62ドル台後半へと反落。リスク回避ムードが優勢になっている。週後半に欧州議会選を控えて調整が入りやすい面も指摘されている。

 NY市場は、ドル円の下げが一服。東京市場で110.32近辺まで上昇後、ロンドン市場では109.90付近まで反落していたが、NY市場では下値で買いが待ち構えており110円台を回復している。ユーロドルは下げ渋っているが、上値は重い。ファンダメンタルズよりも米株にらみの動き。1.1175近辺までの買戻しが入った。独連銀によると第2四半期のドイツ経済は脆弱との見通しが示された。世界需要の下振れで大手製造業が圧迫されているとの見方。ポンド売りが目立った。ポンドドルは1.27台前半に下落、対ユーロでも3か月ぶり安値水準に。特にポンドのネガティブな材料は出ていないが、英EU離脱協定に対する超党派協議がまとまらず、依然として合意なき離脱への懸念は高い。一方で、EU残留の可能性も指摘されており、混とんとしている。

(21日)
 東京市場では、豪ドル売りが目立った。豪中銀議事録で、もし雇用が改善しなければ利下げが適切になるだろう、との見方が示された。さらに、ロウ豪中銀総裁が、6月の会合で委員は利下げについて考えるだろうと発言した。豪ドル/ドルは0.69台前半から0.6870台まで下落。ドル買い圧力へと波及して、NZドル/ドルやユーロドルは上値が重かった。ドル円は豪ドル円の売りもあって売買が交錯。110.02から110.26までと110円台前半でのレンジ取引が続いた。
 
 ロンドン市場は、円高の動きが一服している。序盤は東京市場後半の流れを受けて、円買い優勢に始まった。欧州株は買い先行で取引を開始したが、ドル円は110.10近辺、ユーロ円122.70近辺、ユーロドル1.1140近辺などへと下押し。しかし、OECD世界経済見通しでの世界経済成長下方修正は0.1%ポイントと最低限にとどまり、ユーロ圏や米国などは見通しが引き上げられた。これをきっかけに欧州株が一段高、米株先物も買われドル円、クロス円は反発。ドル円は110.32レベルと前日高値に並んだ。ユーロ円は123円手前、ユーロドルは1.1150挟みでの揉み合い。ポンドは反発力が弱い。EU離脱をめぐる英政治混乱が引き続き懸念されているもよう。豪ドルも利下げ観測が根強く、上値は重い。一方、原油高とともにカナダ円は本日高値を広げている。

 NY市場では、ドル円が上昇。110.70近辺の21日線を試す動きとなっている。トランプ大統領が事実上のファーウェイ向けの制裁措置を発動しているが、米商務省が既存のネットワークやスマホの保守などに限って8月19日までの猶予を設定したことで懸念が緩和した。きょうはポンドやユーロが急速に上昇する場面が見られた。メイ首相はEU離脱協定に関連した新たな法案提出を発表した。3度否決され4度目の正直だが、同首相がこれまで頑なに拒否していた2回目の国民投票実施に関しても議会採決にかける可能性があるとした。ただし、条件として自身の法案が通過したならば、国民投票実施の是非を議会採決にかけるとした。ポドドルは1.26台から一時1.28台まで急伸。その後は再び1.27近辺へと反落。ユーロドルもポンドに連れ高し1.1190近辺まで上昇したが、1.1160ドル近辺に戻す展開。
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(22日)
 東京市場で、ドル円は110円台での振幅。朝方には110.60台までのしっかりとした動き。しかし、前日NY高値はつけきれず上値を抑えられた。その後、米国がハイクビジョンを含む中国の監視関連会社最大5社に対してエンティティリスト起債を検討と報じられたことで、警戒感が拡大した。ドル円は110.39レベルまで反落。上海総合指数が軟調に、人民元が売られる展開となり、リスク警戒感が広がった。ユーロ円は123円台半ばから123.15近辺まで軟化。

 ロンドン市場は、ポンド売りが再燃。各報道機関からメイ英首相不信任に向けた動きが報じられており、ポンドが一段安となっている。ポンドドルは1.2640近辺、ポンド円は139.60近辺へと下落。ユーロポンドは0.8830近辺に高値を更新した。きょうは一連の4月英物価指標が発表されているが、コアCPI前年比は+1.8%と英中銀目標を下回っており、市場での利上げ観測は後退している。また、英第2位の鉄鋼メーカー、ブリティッシュ・スチールが破産手続きに入ったとの報道もあった。その他主要通貨は小動き。序盤はややポンド売りに引きずられたが、欧州株の持ち直しとともに下げ一服。ユーロドルは1.11台後半、ユーロ円123円台前半、ドル円110.40近辺での取引となっている。

 NY市場では、ドル円の戻り売りが優勢。一時110.25近辺まで安値を広げた。米政府は大手ビデオ監視機器メーカー、杭州海康威視数字技術など中国企業最大5社について、米国の重要技術利用を事実上禁止することを検討との報道が伝わった。米政府はファーウェイに加え、ブラックリスト掲載企業を監視機器大手まで広げる構えだという。ムニューシン財務長官が北京訪問の計画はまだないと述べたことも重石に。午後に公表されたFOMC議事録への反応は限定的だった。議事録では「大半がインフレの低下は一時的と考えており、辛抱強いアプローチがしばらく適切」とした。ユーロドルは1.11台半ばから後半での振幅。ポンドドルは一時1.26台前半まで下値を広げたあと、下げ一服。メイ首相辞任観測がくすぶっている。
 
(23日)
 東京市場で、ドル円は神経質に振幅。一時110.13近辺まで下落したが、その後は値を戻しており、一方向の動きにはなっていない。米中関係悪化を懸念した昨日海外市場からの売り基調が継続し、朝は軟調。日経平均が200円超の下げとなるなど株安が進行。米株先物・時間外取引の下げも目立った。中国人民日報が、米国の一部政治家がテクノロジー冷戦を仕掛けていると論評したことも重石に。昨日のレッドサム院内総務辞任を受けて、メイ首相の退陣論が強まっており、ポンドは上値が重い。

 ロンドン市場は、リスク回避の動き。米中貿易戦争が深刻化、米国が中国の個別企業に対して禁輸措置を表明している。米中以外の主要各国にも影響が波及し始めており、貿易戦争の長期化、泥沼化が懸念された。欧州株や米株先物が下げ続けるなかで、米債利回りも低下。為替市場では円買い・ドル買いの圧力が強まった。ドル円は一時110円台割れ。クロス円は総崩れとなり、ユーロ円122円台半ば、ポンド円一時139円台割れへと下落。は一連の欧州PMIや独Ifo景況感の悪化も重石。NY原油先物が急落、カナダ円や豪ドル円を圧迫。英政府は6月7日をメドに離脱法案の採決を行う方針としている。しかし、前日のレッドサム英下院院内総務の辞任、保守党1922委員会からはメイ英首相が明日金曜日に辞任日程を発表しなければ、新たな不信任案を提出へと圧力をかけられた。

 NY市場では、ドル円が110円台を割り込んだ。リスク回避の円買いとともにドル売り圧力も広がっている。トランプ政権が中国のハイテク企業への制裁を強める中、中国側も米国は間違った行動をとっていると非難、市場はハイテク新冷戦への懸念を高めている。貿易戦争の長期化が警戒された。ドル売りについては、株安・原油安とともに米10年債利回りが2017年以来の低水準となったことが影響したもよう。ドル円はロング勢の見切り売りが強まり、109.50近辺まで下げ幅を拡大。ユーロドルは1.11ドル台後半まで買い戻された。ECB議事録は総じてハト派姿勢を示しており、特段のユーロ買い材料はみあたらなかった。ポンドドルは1.2680近辺まで一時上昇。こちらも英政局不安のなかで積極的にポンド買いを進める材料はみられず。

(24日)
 東京市場は、ドル円が上値重く推移。前日のNY市場で米中関係の悪化懸念、米債利回り低下などで109.40台まで下落した。東京午前にはゴトウビ関連の需要観測で109.75レベルまで反発した。しかし、その後は上値重く推移しており再び109.50付近へと押し戻されている。米商務省が通貨安誘導を行っている国に対して相殺関税を実施との方針を示した。週米財務省の半期為替報告がまだ出ていないことも市場の警戒感に。豪ドルが下落。大手金融機関ウェストパックが、豪中銀は今年3回の利下げを実施し、11月には政策金利が0.75%にとのレポートに反応した。

 ロンドン市場は、ポンド相場が振幅。序盤はユーロとともに対ドルでの買いが入った。前日NY市場からのドル売りの動きが再燃した格好。ポンドにとってはこの日発表された英小売売上高が予想ほどは落ち込まなかったことが買いを誘った。さらに、メイ英首相の辞任表明でポンドドルは一時1.27台乗せ、ポンド円は139円台乗せへと買われた。ユーロドルは朝方に1.12台に乗せる動きをみせたが、すぐに1.11台後半に押し戻された。ユーロ円は122円台半ばから後半で振幅。ドル円は米債利回りの低下局面で109.40台へと下押しされたが、前日安値と並ぶ水準までの下げにとどまった。欧州株の上昇で次第にリスク回避圧力は一服。取引中盤にかけてはクロス円主導で円売り優勢に。

 NY市場はドル売りが優勢となり、ドル円は109.30付近まで下落。きょうはトランプ大統領の発言もあって、前日に高まっていた米中貿易問題への懸念が一服しており、ドル円も109.70近辺まで上昇する場面が見られた。しかし、その後は戻り売りに押されている。円高よりもドル売りがドル円を圧迫。

出所: minkabuPRESS

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