ドル円は110円を割り込む リスク回避の円高と利下げ期待のドル売りか=NY為替
きょうはリスク回避の雰囲気が強まる中、ドル円は110円を割り込んでいる。リスク回避の円高の動きもさることながら、ドル売りが強まっており、ドル円を圧迫している。
トランプ政権が中国のハイテク企業への制裁を強める中、中国側も米国は間違った行動をとっていると非難しており、市場もハイテク新冷戦への懸念を高めているようだ。大手金融機関から米中貿易問題は長期化するとのレポートも出回っており、市場は改めてこの問題の影響に警戒感を示しているのかもしれない。
ただ、この問題の長期化は既に認知されているところもあり、驚きはなさそうだが、楽観的に見ていた向きの修正が出ている可能性もありそうだ。
ドル売りに関しては、米株式市場でダウ平均が一時400ドル超下落する中、米10年債利回りが2017年以来の低水準に下げている。きょうは原油相場も心理的節目の60ドルを割り込む中、景気の先行きへの懸念も高まっているようだ。前日のFOMC議事録ではFRBが利下げを協議していないことが明らかになっていたが、米中貿易問題を材料にした先行き不安で、FRBが予防的な利下げを実施してくるのではとの見方が根強くあるようだ。
ドル円はロング勢の見切り売りも出て、109.60円近辺まで下げ幅を広げている。目先は109.50円、その下は今月安値の109円ちょうど付近が下値サポートとして意識される。
USD/JPY 109.63
minkabu PRESS編集部 野沢卓美
執筆者 : MINKABU PRESS
資産形成情報メディア「みんかぶ」や、投資家向け情報メディア「株探」を中心に、マーケット情報や株・FXなどの金融商品の記事の執筆を行う編集部です。 投資に役立つニュースやコラム、投資初心者向けコンテンツなど幅広く提供しています。