【ロンドン市場】米中貿易協議への警戒感高まる中、ポンド売り先行
8日のロンドン市場では、ポンド売りが目立っている。市場のムードは全般的にリスク警戒に傾いている。米中貿易協議が9-10日に開催されるが、トランプ大統領の関税引き上げツイートに続いて、一部報道では中国側がこれまでの合意内容のほとんどを撤回する意向と関係者が発言したもよう。表面的にせよ双方から強硬姿勢が示されており、市場では株安・円高など警戒モードとなっている。ロンドン市場では特にポンドが軟調。英与野党の協議に具体的な進展は見られない状況で、メイ首相の辞任についての思惑もくすぶっているようだ。ポンドドルは1.30近辺、ポンド円は143円近辺へと下押し。対ユーロでも軟調。ユーロドルは1.12台乗せからは上値を抑えられており、1.12ちょうど挟みで上下動。ユーロ円は123円台前半で振幅。ドル円はいったん110円台前半に買い戻されたが、再び上値が重くなっている。米株先物や欧州株は軟調。NY原油先物も時間外取引で売られている。
ドル円は110円近辺での取引。東京市場で109.90レベルまで下落したあとは、買戻しが入った。ロンドン序盤には110.15近辺までの反発。その後は米株先物や欧州株の軟調な動きに上値を抑えられている。米中貿易協議が9-10日に開催されるが、トランプ大統領の関税引き上げツイートに続いて、一部報道では中国側がこれまでの合意内容のほとんどを撤回する意向と関係者が発言したもよう。表面的にせよ双方から強硬姿勢が示されており、市場では株安・円高など警戒モードとなっている。
ユーロドルは1.12近辺での取引。東京市場からのじり高の流れを受けて、ロンドン朝方には1.1213レベルまで買われた。その後は、ポンドや豪ドルなどの下落に連れて1.1190台まで反落。足元では1.12ちょうど近辺で取引されている。ユーロ円は東京午後につけた123.50レベルを高値に123.11レベルまで一時軟化した。その後は123円台前半での取引が続いている。3月ドイツ鉱工業生産は予想を上回る結果だったが、ユーロ買い反応は一時的にとどまった。
ポンドドルは1.30台前半での取引。1.30台後半では売りが強まり、ロンドン序盤には安値を1.3002レベルまで広げた。大台割れには至らずも上値重く推移している。ポンド円は143円台後半から143.04レベルまでの下落。英与野党の協議に具体的な進展は見られない状況で、ロンドン市場ではポンド売りが先行する場面が多くなっているようだ。一部報道によるとメイ首相の辞任についての思惑もくすぶっているもよう。ラムスデン英中銀副総裁は、ブレグジットに関する安定性リスクは緩和されてきている、と指摘。4月英ハリファックス住宅価格は予想を上回る伸びを示したが、いずれにもポンド相場は反応薄だった。
minkabu PRESS編集部 松木秀明