【ロンドン市場】円売り先行も続かず、欧州株が軟調
29日のロンドン市場では、 円売りが先行したが持続していない。週明けのアジア市場は東京不在で様子見ムード。ロンドン勢は円売りから入った。週末のスペイン総選挙でひとまずサンチェス首相率いる与党が第1党を確保したことや、米S&Pがイタリアのソブリン格付けを据え置いたことなどが好感されたようだ。ドル円、クロス円が買われた。しかし、欧州株が序盤の上げを消してマイナスに転じると、円売りも一服。ドル円は111.60近辺から111.78レベルまで買われたあとは、高止まり状態に。ユーロ円は124.60近辺から124.86レベルまで買われたがその後は上値が重い。ポンド円は144.40近辺から144.72レベルまで上昇も、元の水準に押し戻されている。英首相報道官が、与野党協議が進展していない、両党首の会談予定は現時点ではない、としており、失望売りを誘った面も。
ドル円は111円台後半での取引。週明けのアジア市場は東京不在で様子見ムードで、111.60近辺での揉み合いが続いた。ロンドン勢は買いから入り、111.78レベルまで上昇。欧州株が買い先行で始まったことが好感された。しかし、欧州株はスペイン株の下落とともにマイナスに転じており、ドル円も111.70台での高止まりに落ち着いた。このあとの米PCEデフレータなどの結果を見極めたいとのムードもあるようだ。
ユーロドルは1.11台半ばでの取引。序盤に1.1166レベルまで買われたが、その後は上昇一服。値幅は20ポイント未満と限定的だった。ユーロ円は124.60近辺から一時124.86レベルまで上昇も、欧州株が反落したことで124.70近辺へと小反落。この日発表された4月ユーロ圏業況判断指数は0.42と事前予想0.49に届かず。4月ユーロ圏消費者信頼感・確報値は-7.9と速報値と変わらず。いずれも強調材料にはならなかった。
ポンドドルは1.29台前半での取引。アジア市場でのじり高の動きを受けて、ロンドン序盤には1.2947レベルまで高値を伸ばした。しかし、英与野党の協議が進展していない、両党首の会談予定は現時点ではない、との英首相報道官の発言で反落。1.2920近辺とアジア時間からの上げを帳消しにした。ポンド円も上に往って来い。144.40近辺から144.70近辺での振幅。対ユーロではややポンド売りが優勢。今週は英中銀のスーパーサーズデーを控えている。現状では合意なき離脱の不安を抱えたままとなっている。
minkabu PRESS編集部 松木秀明