【NY市場】ドル買い一服しドル円は一時200日線を下回る
きょうのNY為替市場はドル買いが一服しており、ドル円も売りが強まった。朝方発表された米経済指標は、新規失業保険申請件数は弱かったものの、3月の耐久財受注が予想を上回った。特にドル売りを誘発するような材料は見られなかったものの、明日のGDPを控えてポジション調整が出ていたのかもしれない。
ドル円は111.50円近辺に200日線が来ているが、その水準を下回る場面が見られた。今月半ば以降、112円ちょうど付近の狭い範囲での振幅が続いていたが、下向きの流れが出るか警戒される。
東京勢は今週末から10連休に入る。1月の正月休みの時にフラッシュクラッシュが発生し、ドル円は短時間に104円台まで急落したことがあった。それらのリスクを警戒して売りヘッジも出ていたようだ。
ユーロドルはNY時間に入って下げ渋る動きを見せたものの、きょうは一時1.1120ドル近辺と2017年5月以来の水準まで下落した。きょうはスウェーデン中銀が金融政策会合を開催していたが、債券購入を2020年12月まで延長すると述べ、予想外のハト派に転じたこともユーロ売りを助長したとの指摘も聞かれる。ドイツ銀とコメルツ銀の合併協議が破談になったことも重しとなった模様。
イースター明けからの急速な下落で、過熱感を示すRSIは33まで低下してきており、売られ過ぎ感はやや否めないものの、上値は重そうだ。
ポンドも買い戻しが優勢となり、ポンドドルは1.29ドル台まで一時戻した。ただ、きょうもロンドン時間に1.2870ドル近辺まで下げ幅を拡大し、200日線を下放れる動きが続いている。イースター明けからまだ、英EU離脱協議に何も動きがなく、市場も苛立ちを強めている模様。一方、与党保守党内に総選挙への警戒感が強いのか、保守党の一部議員から出ている、メイ首相の辞任を促す規則変更に尻込みしている模様。
きょうはハント英外務相の発言が伝わっていたが、EU離脱前の総選挙は英国にとって良いことにはならないと述べ、否定的な見解を示していた。
minkabu PRESS編集部 野沢卓美