モノライン(ものらいん)
米国の金融保証保険会社のこと。生命保険、傷害保険、火災保険など複数の保険商品を持つ通常の保険会社(マルチライン)に対応した呼称。
地方債やABSなどのストラクチャードファイナンスの発行に際して、発行者がデフォルトに陥ったときに、発行者に代わって約定契約どおりの元利払いを保障するという業務を行う。
1971年に、最初のモノライン保険会社であるAmericanMunicipalBondAssuranceCorporation(モノライン大手4社の一つであるAmbacの前身)が設立され、その後地方債市場の拡大を背景に、業績を拡大。1994年にカリフォルニア州オレンジ郡のデフォルトなどにより地方債のデフォルトリスクに対する意識が高まったことなども追い風となって市場が拡大した。その後、地方債市場での競争が激化してきたこともありモノライン保険会社はABSなどのストラクチャードファイナンス部門に対する保証業務を拡大していき、2005年には、同部門の新規保証額(米国)が地方債等公共部門の保証額(米国)を上回るところまで成長した。発行の際の厳しい審査(ゼロロススタンダード)や豊富な資金力などを背景に高格付けを獲得し、その格付けをバックに保証業務を行っていたが、サブプライム問題で損失が拡大し、大きな問題となった。