円が強い動き

【著者】

昨日からの流れ

昨日は本邦の貿易収支が3ヶ月連続で黒字となったことや米国による日本の為替介入への牽制などが材料視され、円買いが強まりました。その他の通貨に関しては方向感の薄い状態となっています。

欧州時間に発表されたユーロ圏のPMIはドイツのものは前回よりも改善となりましたが、ユーロ圏全体としてはほぼ横ばいの結果となりました。発表後は多少ユーロが売られる動きとなりましたが、影響は限定的なものにとどまっています。

米国時間に発表されたマークイットの製造業PMIは50割れは免れたものの、市場予想を下回る冴えない結果となり、引き続き製造業が元気のない状態ということを示唆する結果となりましたが、市場への影響は限定的なものとなっています。また数人の地区連銀総裁のコメント機会が予定されていましたが、6月利上げの可能性を肯定する前向きなものが多く、6-7月の利上げ期待を支える材料となりました。

また、株式市場がやや軟調な推移となったほか、山火事で停止していたカナダのオイルサンド企業が操業を再開したことやイランの国営会社が輸出拡大を示唆したことなどを背景に原油が伸び悩む動きとなり資源国通貨の上値を圧迫する材料となり、カナダドルなどは上値の重い推移となっています。

主要通貨ペアの推移(2016/5/24)

USDJPY

昨日のドル円(USD/JPY)は上値の重い推移となりました。日足チャートを見ると3月からの高値を結んだトレンドライン付近で上値が詰まり失速するという嫌な動きとなっています。今のところ、短期の上昇トレンドの押し目とも考えられますが、現在の1月と4月の高値を結んだラインの延長線上の水準を割り込んでしまうような動きとなると、再度下値を探る動きが活発化という可能性が高くなりそうです。それを見極めるためにも本日は109円台を守れるかどうか、先週末のレジスタンスからサポートに転じた109.70付近を上抜けることができるかどうかで短期的な方向感を探っていきたいところです。

ドル円

EURUSD

昨日のユーロドル(EUR/USD)は方向感の薄い推移となりました。1.12を挟んで上下に振れる状態が続いています。先週末からのレンジである1.118-1.124付近をどちらに抜け出すかで方向感を探っていきたいところです。下げ渋り、1.124を上抜けるような動きとなれば、先週、大きく売られているだけに短期筋の買い戻しが活発化する可能性がある反面で、1.118を割り込むような動きとなると再度下落が勢い付く可能性も挙げられるため、上下どちらに抜けるかを見守りたいところです。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円(EUR/JPY)はドル円の下落に足を引っ張られ、5月16日の安値である122.60付近を割り込む動きとなっています。122.50付近では下げ渋る動きとなっており、本日はこの水準を割り込むことができるかどうかに注目が集まります。割り込んでしまうようであれば、年初からのサポート水準である121円台後半を試す動きとなり、その水準も割り込むようであれば、本格的な大きな下落へとつながるというシナリオも浮上します。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは上値が重いものの、1.444付近で下げ渋る動きとなり、方向感を欠く動きが続いています。日足チャートを見ると、高値更新ができず、下値を試しそうな動きとなっていましたが、下げ渋る状態となっており、方向感の掴みにくい状態となっています。再度下値を探る動きとなった際には1.44を割り込むことができるかどうかに注目したいところです。
この水準を割り込む動きとなると、4月からの安値を結んだトレンドラインを割り込むような動きとなり、さらに下値を探る動きが活発化する可能性が出てくると思います。逆に市場のポジションが依然として売りに傾いていることを考えると、昨日のレジスタンスとなっていた1.455付近を上抜けるような動きとなると、上昇基調が続くというシナリオもありそうです。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは方向感を欠く動きが続いています。先週から0.7175-0.726付近の少し右肩上がりのチャネルを形成しての推移が続いているため、このチャネルを上下どちらに抜けるかを観察したいところです。3日ほど均衡した状態が続いているため、抜け出した方にはそれなりに動きが出るかもしれません。しばらく売り込まれているため、上昇となった際にはショートスクイーズによる短期的な急騰にも警戒が必要です。

本日はアジア時間にスティーブンス総裁の講演が予定されており、コメント次第で大きく上下に振れる可能性があるため注意が必要です。

豪ドル

本日の注目材料

本日はアジア時間にスティーブンス総裁の講演が予定されています。先週のRBA議事録にて、政策金利据え置きも議論されたことが確認され、追加緩和観測が和らぎ、豪ドルが急上昇する動きとなりましたが、スティーブンス総裁の口から、追加緩和に関して慎重なコメントが出てくると豪ドルが底堅い動きとなることが想定される反面で、追加利下げの可能性を示すような内容となってしまうと、豪ドルの上値圧迫材料となることが想定されます。いずれにせよ、講演中は豪ドルが不安定な推移となることが予想されるため、注意が必要です。

欧州時間にユーロ圏の要人コメントが複数予定されているほか、ドイツGDP確報値、ZEW景況指数などの発表が予定されています。市場の関心は現在、米国の利上げに向いていることを考えると、サプライズとならない限り、市場への影響は限定的と考えられますが、ユーロを中心に一応の注意は必要です。

米国時間は新築住宅販売件数の発表が予定されています。前週の中古住宅販売件数に続き底堅い結果となれば、利上げ観測を後押しする材料となりそうです。ただし、比較的ブレの大きい経済指標となるため、サプライズにも注意が必要です。

また、軟調な動きとなることが増えた株式市場や上値が詰まり始めた原油市場の動向にも注意が必要です。米国の利上げ機運が高まるなかで、株式市場が軟調な動きとなり、リスク回避色が強まる動きとなると、円やスイスフラン、ユーロなどが買われる動きとなる可能性が挙げられます。

本日の予定

ユーロ圏財務相会合
07:30 ハーカー米フィラデルフィア連銀総裁(投票権なし)講演
12:05 スティーブンスRBA総裁講演
15:00 独13月期GDP(確報値)
15:45 仏5月企業景況感
16:00 プラートECB理事講演
16:00 ノボトニー・オーストリア中銀総裁、議会証言
17:30 英4月財政収支
18:00 独5月ZEW景況指数
18:00 ユーロ圏5月ZEW景気期待指数 
18:10 リーカネン・フィンランド中銀総裁コメント機会
19:00 英5月CBI流通取引調査 
20:00 トルコ中銀政策金利発表 
23:00 米4月新築住宅販売件数
23:00 米5月リッチモンド連銀製造業指数 
翌2:00 米2年債入札

OANDA Japan   オアンダ ジャパン<本記事ご協力>
OANDA Japan株式会社
チーフストラテジスト 佐藤甲様
佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト