28日トランプ大統領演説を前に、ドル/円はレンジ主体の展開に?

【著者】

トランプ丸、問題山積の船出に

トランプ新政権がスタートしてからもうすぐ1カ月が経過しようとする中、その政権運営に暗雲が立ち込めるようなニュースが次々と入ってきています。

まずは、トランプ大統領の“懐刀”とも言えるフリン米大統領補佐官の辞任。大統領就任前の段階でロシア側と米国の対ロ制裁について協議したとの疑いが表沙汰となり、民間人による外交政策への介入を禁止した法律に抵触することとなり、トランプ大統領の任命責任が問われる可能性も。

さらに、次期労働長官に指名されていたパズダー氏が指名を辞退、また、トランプ大統領の上級顧問であるコンウェイ氏によるトランプ大統領の実娘イバンカさんのブランドに関する発言が、連邦倫理規定違反に問われる可能性も取り沙汰されるなど、問題山積の船出模様となっています。

新政権スタートから時を置かずして相次ぐ政権中枢メンバーの離脱や問題発言は、今後の政権運営にも少なからず悪影響を与え、米国政治史上でも異例といえるほどの遅いペースとなっている閣僚承認が、さらに遅れる可能性も。

そんな中、今月28日米上下両院合同本会議において、通常の「一般教書演説」にあたる施政方針演説を行う予定となっており、その中で「減税」「大型インフラ投資」について市場参加者にとってポジティブな内容が飛び出すのではないかとの憶測も。

トランプ大統領としては、出来るだけ煌びやかな政策を掲げて、ネガティブな話題から耳目をそらしてもらう必要性もあり、その意味でも実現可能な政策か否かはさて置き、いかに大きく、そしていかに派手な風呂敷を広げるかどうかがポイントとなりそうな気がします。

今や、トランプ政権を象徴するワードになりつつなるオルタナティブ・ファクト”(代替的事実)ですが、28日に予定されている演説内容も、その“オルタナティブ・ファクト”となり得るのでしょうか。

ドル/円の方向性はレンジ主体の動きに?

ドル/円の足もとを探るために、週足・一目均衡表を見てみると、1) ローソク足が先行スパン(いわゆる“雲”)の上方にあること、2) 遅行スパンがローソク足の上方にあること、3) 転換線が基準線の上方にあることから、三役好転となっており、依然強気基調が継続していることが分かります。

一方で、相場の方向性を示唆するDMI(方向性指数)を見てみると、マイナスの方向性を示す-DIがプラスの方向性を示す+DIを上回っていることから、足もとのドル/円相場の方向性は下向きと捉えることが可能です。

これら2つのテクニカルシグナルを総合すると、ドル/円の方向性は「横向き」「レンジ相場」主体の展開と想定することが可能で、当面の間、その主体となり得るレンジ(=コアレンジ)は、2015年6月高値(125.86円、図A)と2016年6月安値(98.76円、図B)を結んだフィボナッチ・50.0%(図C)ラインから61.8%(図D)ラインの間のゾーンである、112.31-115.51円となりそうです。

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津田 隆光|マネースクウェア・ジャパン

投資こそ、おもしろおかしくシンプルに 津田 隆光

NTAA認定テクニカルアナリスト(CMTA)。 テクニカル分析をベースとしたレポートを執筆する他、ラジオNIKKEI「ザ・マネー ~西山孝四郎のFXマーケットスクウェア」では隔週金曜日にコメンテーターを務める。