いよいよトランプ政権始動

【著者】

今年最初の当欄(2017年の始まりにあたり)にて、今年のテーマは「国際政治」であるとお伝えをしておりました。昨日、その第1弾として英メイ首相によるEU離脱に関する演説が行われました。今回メイ首相は良いとこどりの退路を断ち、EUからの明確な離脱を表明しました。直後のポンドの動きは買い。「?」と思われた方も多かったのではないでしょうか。これは一旦材料出尽くし(週末にトランプ大統領就任式もあることから)によるものであり、期間を広げてチャートを確認していただくと、ポンドは依然として安値圏での推移であることに変わりはありません。依然として、売りトレンドは継続しています。

これまでは通貨安による株高となっていた英国経済ですが、ここからの道のりはかなり厳しいものと思われ、これまでの様な通貨安→株高の構図は維持されにくいと見ています。

トランプ大統領就任式に向けて

そして、今年最大のイベントとも言えるトランプ大統領就任式が今週末に迫ってきました。先週の記者会見でもお分かりの通り「ソフト・トランプ」は影を潜め、本来のトランプ氏の素顔が垣間見えたように感じられました。注目の就任演説で何を語るのか?こればっかりは蓋を開けてみるまで分からないというのが本音です。

今回オバマ政権より、完全雇用の状況でバトンの受け渡しがなされます。好況での引継ぎは、今後のトランプ政権次第で不況に転換することも考えられますので、もしかしたらトランプ氏は就任直後に株式市場の下落を望んでいるかもしれません。というのも、就任早々の株式下落であれば、それをオバマ政権・イエレン議長の運営に問題があったと責任を転嫁することが可能だからです。さすがに、少し穿った見方ですかね?!

ただ、このところの米株式市場を見ていると、トランプリスクを織り込んでいるとは考えにくい値動きとなっています。別の言い方をするならば、「なめている」とも言えるわけです。通常、就任式から100日間はハネムーン期間と言われているわけですが、果たしてトランプ政権にも当てはまるのでしょうか?これまでの期待上昇がハネムーン期間であったという見方も出来ます。

チャートを確認すると、かなりボリンジャーバンドは収縮、これは今後大きな値動きになる可能性を秘めています。

また、VIX指数もドル安が進んでいる中で、低位安定の状況が続いています。一般的にVIX指数が上昇する場面では、株式が下落する局面であり、今後の株式市場の動きが為替市場にも波及してくると見ています。

ポジションを軽くしておく、あるいは、資金を厚めにしておく、そしてストップ注文を入れておくなどのリスクマネージメントを意識したトレードが大事になってきます。
そして、イベント前に決め打ちは避けるべきでしょう。

<資料>VIX指数(恐怖指数)の推移
vix
出所:Bloomberg

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比嘉 洋|マネースクウェアジャパン シニアコンサルタント

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米金利の裁定取引に長く従事。 相場の読みには定評があり、人気ストラテジストとして活躍中!