ドル円、一時110円割れ

【著者】

昨日からの流れ

昨日は前日に続き円の強さが目立つ1日となりました。米国時間に発表された貿易収支は赤字が拡大し、多少ドル売りが進みましたが、市場の反応は限定的なものとなりました。ISM非製造業景況指数は市場予想を若干上回る好結果となったものの、ドル買いは限定的なものに留まり、ドル売りの流れを変えることはできず、また、株式市場の上値の重い動きも継続し、ドル円、クロス円は下値を探る動きとなりました。本邦要人からのドル円の下落に併せての牽制コメントが続いていますが、徐々に効果は薄れてきています。

アジア時間に発表されたRBAの政策金利は据え置かれ、さらに一部市場で期待されていた通貨高を牽制するような内容とならなかったことを受けて、発表直後は豪ドル買いで反応となりましたが、その後は上値の重い資源価格に足を引っ張られるように軟調な推移となっています。

欧州時間に発表されたユーロ圏のPMIの速報値は速報値から下方修正されるものが多かったですが、ユーロへの影響は限定的なものとなりました。英国のサービス業PMIは市場予想通りとなり、市場の反応は薄く、発表後の値動きは静かなものとなっています。

ドル円は年序盤から続いたレンジを下抜けるような動きとなり、テクニカル面でも下落圧力が強まっていると考えられます。週足チャートなどを見ると、110円の心理的節目をしっかりと割り込むような動きとなると105円や100円台も視野に入れた下落につながる可能性も十分に想定できる状態となっているため、警戒が必要です。

主要通貨ペアの推移(2016/4/6)

USDJPY

ドル円(USD/JPY)は上値の重い推移が続き、2月から続くレンジをしっかりと割り込む動きとなりました。週足チャートなどで見ると105円や100円付近も視野に入れた下落圧力が強まりそうな状態となっているため、下方向の動きに特に注意したい状態です。

本日は昨日一瞬割り込んだ心理的節目となる110円を再度試すことができるかどうかに注目が集まります。再度、下値を試す動きとなり、割り込むような動きとなると、下落圧力がさらに強まる可能性が挙げられる反面で、同水準での攻防で下げ止まり、押し戻されるような動きとなってしまうと、短期的に貯まった売りポジションの調整により、一旦は上昇が強まるというシナリオも考えられます。

また、市場では介入警戒感もあり、効力は薄くなっていますが、本邦要人からの強い牽制コメントなどが入ると不安定な動きとなることが想定されるため、注意が必要です。

ドル円

EURUSD

ユーロドル(EUR/USD)は底は硬いものの上値の重い状態が続き方向感の薄い状態が続いています。昨日は1.1400付近がレジスタンスとなり、上値を阻む動きとなり、前日の高値を更新することはできない状態となっているため、下方向の動きにも少し警戒が必要になってきました。
本日は昨日のサポートとなった1.135付近と、レジスタンスとなった1.14のどちらに抜けるかで方向感を探っていきたいところです。

ユーロドル

EURJPY

ユーロ円(EUR/JPY)は上値の重い推移が続き、3月に入ってからの短期の上昇トレンドラインを割り込む動きとなっており、下落圧力が強まりそうな状態となっています。昨日のNY時間午後のサポートとなった125.50付近を守ることができるかどうかでまずは方向感を探っていきたいところです。

ユーロ円

GBPUSD

ポンドドルは日足チャートでの保ち合いを下に抜け出しそうな動きとなっています。しっかりと下に抜け出す動きとなると1.4割れも視野に入れた下落圧力が強まる可能性あるため、注意が必要です。

ポンドドル

AUDUSD

豪ドルは上値の重い推移が続きました。角度のきつい上昇が続いていたこともあり、多少の調整の可能性は十分に考えられ、先月後半のサポートとなった0.747付近までで下げ止まることができるかどうかにまずは注目したいところです。

現在は原油価格がNY時間終了後に急騰となったため、底堅い動きとなっていますが、原油価格が落ち着きを取り戻した後の動きに注目したいところです。

豪ドル

本日の注目材料

本日はアジア時間に中国の3月財新サービス業PMIの発表が予定されています。底堅い結果となると中国景気減速懸念を多少和らげる可能性はありますが、現状の市場のムードを改善させる材料としては力不足と考えられます。
欧州時間はドイツの鉱工業生産の発表が予定されています。
昨日の製造業受注が弱い結果となっており、鉱工業生産も冴えない結果となるとユーロが多少売られる可能性が挙げられます。

米国時間はFOMC議事録の公表が予定されています。今回の議事録はイエレン議長の会見付きの分で、さらにその後、イエレン議長のほか、FOMCメンバーのコメントが出ているため、材料としては新鮮味のないものとなりますが、市場が過敏に反応する可能性があるため、公表前後の動きには注意が必要です。
また、引き続き、原油価格や株式市場の動向にも揺さぶられる可能性があるため、これらの市場の動きにも注意したいところです。

本日の予定

10:45 中国3月財新/サービス業PMI 
15:00 独2月鉱工業生産 
16:40 ケントRBA総裁補佐講演
20:00 米MBA住宅ローン申請指数 
23:00 加3月Ivey購買部景況指数 
23:30 米週間原油在庫 
翌1:20 メスター米クリーブランド連銀総裁(投票権あり)講演
翌3:00 米連邦公開市場委員会(FOMC)議事録公表(3月1516日開催分)

佐藤甲|OANDAJapan チーフストラテジスト

【闘魂注入】シュラスコ佐藤の大胆予想! 佐藤 甲

OANDAJapan㈱チーフストラテジスト。 NY時間を中心にディーリング業務を担当し、2012年より現職。ファンダメンタル、テクニカル、時にはシックスセンスを駆使し相場を斬る。夢と希望と情熱あふれる熱血相場師!風貌はラテン系だが、異性には奥手。日本テクニカルアナリスト協会認定テクニカルアナリスト