次世代の高金利通貨はこれだ!
知る人ぞ知る、「チェココルナ」の魅力を徹底解説!

次世代の高金利通貨はこれだ!
            知る人ぞ知る、「チェココルナ」の魅力を徹底解説!

プラハなどの美しい街並みが印象的なチェコ共和国。FX投資ではあまりなじみのない同国の特徴と魅力、取引にあたっての注目ポイントなどをまとめていきたいと思います。

世界遺産だけじゃない、実は工業国であるチェコ

プラハ以外にも多くの世界遺産を有し、中世の風情が残る町や村がおとぎの国の様とも称される中欧の代表的な観光国チェコですが、自動車生産などが盛んな中欧を代表する工業国でもあります。新型コロナの感染拡大前5年間の平均経済成長率は3.9%とユーロ圏の先進国ドイツの1.7%などを大きく上回る高成長を記録。新型コロナの影響で2020年は多くの国同様にマイナス成長となりましたが、2021年は3.5%成長、2022年も1.9%の成長見込みと、堅実な成長を見せています(データはいずれもIMF調査)。

チェコの地図
チェコの写真

知らなきゃ損!
高金利でいて高格付け、さらに少額から取引できる良いとこどりの通貨

チェコの通貨であるコルナは、主要通貨はもちろん、南アランドやメキシコペソといった新興国通貨と比べても取引量が小さいですが、3年に一度、銀行間での通貨の取引状況を国際決済銀行(BIS)が調査したデータによると、2022年の取引量は2001年と比べて10倍以上、2016年と比べても倍以上と、着実に伸びており、世界でも注目される通貨となっています。

コルナのFX取引を行う場合の魅力は3つあります。

魅力① 高金利
スワップポイントの例
10万コルナあたり、1日200円!

1点目は高金利です。2020年のパンデミックの後、政策金利を0.25%まで引き下げたチェコ中銀は、2021年6月から22年7月までの利上げで7.00%まで金利を引き上げました。この高金利により、FX投資でコルナ円を10万コルナ買った場合、一日200円のスワップポイントの獲得が出来ます。この大きなスワップポイントは、中長期投資の大きな魅力です。

魅力② 経済の安定性
国債格付け比較

出所(みんなのFX:https://min-fx.jp/start/currency-pair/czkjpy/)

高金利通貨の中で、断トツの高格付け

2点目は上述した経済の安定性です。高金利通貨というとトルコや南アのように政治的にも経済的にも不安定な国が多く、中長期でのポジション保有のリスクとなっています。また、天然資源頼みで経済基盤がぜい弱な国が多いことも高金利通貨国の特徴です。チェコは自動車の生産ランキングが欧州で第5位、自動車部品の生産ではドイツに次ぐ位置を占め、欧州自動車産業のバリューチェーンの中核的存在となっています。源国などと比べて、かなり健全な産業構造資と言えます。S&Pの外国通貨建て格付けはAA-を10年以上維持しており、南ア、トルコ、メキシコといった主要な高金利通貨の国よりも高い水準となっています。1点目の高金利を生かすために必要な中長期のポジション維持に重要なポイントです。

魅力③ 少額取引が可能
必要資金の計算例
1,000通貨で、約5800円!

3点目は少額から投資が可能な点です。コルナ円は1コルナ=5円80銭前後。 最低取引単位である1000通貨単位で約5800円です。必要証拠金でいうとなんと232円。わからないうちは少額の取引で始めたいところで、 1000円で初めても必要証拠金の4倍という状況はかなり嬉しい状況です。

チェココルナ取引の際の注意点

いいところだけを見ず、注意するべき点にも目を向けましょう。気になるのは情報の少なさです。情報があふれている日本の状況はともかく、ドル円の投資であれば、米国の中央銀行システムである米連邦準備制度理事会(FRB)要人の発言、雇用統計や消費者物価指数をはじめとする経済指標の動向など、相場に役立つ情報が、様々なメディアから発信されており、専門家による解説記事なども見かけます。一方、チェコの経済状況のニュースなどを探すのはなかなか難しいところとなっています。

とはいえ、せっかく魅力の多い通貨であり、少額から試せるということもあって、取引を考えていきたいところ。相場展開次第でスワップポイントだけでなく、ポジションでもうまく儲かると言うことなしです。

みんかぶFX編集長が解説!どうなる?2023年のチェココルナ

2023年のコルナの相場展望を見ていきましょう。2022年のコルナ円は、ドル円、ユーロ円の10月ころまでの上昇もあり、比較的しっかりとした動きを見せていました。ウクライナ情勢が深刻化した際には、ユーロ圏以上にウクライナに近いという地理的な状況もあって警戒感が強まり、5円40銭前後から4円80銭近くまで一時的に大きくコロナ安が進む場面が見られました。しかし、その後はコルナ買いが進み10月に6円を超えるコルナ高円安となっています。12月に入っても6円超えでの推移が見られるなど、コルナ高傾向が続いていましたが、その後日銀金融政策決定会合を受けた市場全体での円買いに5円80銭前後を付けています。

日銀が12月の会合で事実上の利上げとなる長期金利の変動幅拡大を見せたとはいえ、スワップポイントなどの基準となる短期金利を見ると、コルナと円の金利差は相当に大きいです。経済的に強い結びつきのあるユーロなどと比べても金利差が大きく、コルナを支える材料となっています。

今後については主要輸出先であるユーロ圏の景気鈍化懸念などが重石となり、コルナ安がある程度強まる可能性がありますが、チェコの堅調な経済状況などから、長期的な流れはまだコルナ高方向と見ており、下げ一服後は上昇基調に復すと期待しています。

対米ドルでみると、2022年初めに1ドル=21コルナ台前半を付けたドルコルナは、2022年9月末に26コルナに迫るところまでドル高コルナ安となりました。その後は一転してコルナ高が強まり22コルナ台での推移となっています。この対ドルでのコルナ高の流れもコルナ円の追い風となりそうです。

2023年チェココルナ相場の2つの重要ポイント

続いて2023年のコルナ相場を見る際のポイント2点です。

  • ドイツの経済状況に注目!
    1. 1点目はユーロ圏特にドイツの経済状況。チェコ経済はかなりの部分を主要輸出先であるドイツに依存しています。米国とメキシコの関係に近いものがあります。ユーロ圏の中では底堅いドイツ経済ですが、ECBの積極的な利上げ姿勢がどこまで響いてくるのかが未知数です。2023年のドイツ経済は世界的な物価高の一服と、ゼロコロナ政策を修正してきた中国の景気回復などをばねに今年以上の成長が期待されるところ。期待通りであればチェココルナもチェコ経済の堅調な動きからのコルナ高が期待されます。

  • 物価高はどこまで続くか?
    1. 2点目は、チェコの高金利の背景であり、一方で懸念材料でもある物価高がどこまで抑えられるかです。チェコの消費者物価指数は最新11月分が前年同月比16.2%と、9月の18%からは鈍化しているものの、ユーロ圏の10.1%などと比べてかなり高い水準となっています。7%という現状の政策金利は物価を抑えるのに不十分という見方もあり、2022年6月22日に一気に1.25%の利上げを実施して以降、4会合連続で据え置いている政策金利を再び引き上げてくる可能性があります。実際据え置きを決めた7月以降の会合を見ると、全会一致での据え置きではなく、大幅利上げを主張する委員が出る中での多数決での据え置きとなっています。ただ、すでに32年ぶりの金利水準となっており、これ以上の利上げがチェコ経済に与える影響が懸念されます。世界的に物価のピークアウト感が見られる中、現状の金利水準を維持する中で、チェコの物価も抑えられ、さらに主要輸出先であるドイツなどの景気回復を受けてチェコ経済も堅調な推移とみせるという状況が最も理想的となります。

みんかぶFX編集長直伝、チェココルナ/円 投資戦略とは

最後に、これまで書いてきたことを踏まえての、筆者の考えるコルナ円投資の投資戦略プランです。出来れば高いスワップポイントを生かして、中長期でのコルナ買いを狙いたいところです。ただ、見慣れない通貨をいきなり大きく、しかも長く保有するのは気持ち的にも難しいところ。少額投資からできるメリットを生かして、ほんの少しだけポジションを作って、スワップポイントがどれぐらい入って、為替損益がどれぐらいのものか、しっかりと実感しましょう。その上でこれはいけるぞ!と自分で納得出来れば初めてポジションを大きくしていきます。長期保有が基本ですが、ウクライナ情勢の急変などには要注意。情報が少ない通貨を持つ際のコツですが、ストップロス注文を確実に入れ、おかしいと思ったら躊躇せずポジションを外すことです。FX投資の大きなメリットは取引手数料が無料で取引に際するコストがスプレッド分しかないこと。いったん外して、もう大丈夫かなとなってから再びポジションを取りに行きます。その間の値動きで少し不利になることもありますが、相場状況の急変を避けるリスクを考えれば小さいものです。

高金利狙いの取引は長期保有が基本となるにもかかわらず、トルコや南アなど、国に対する信頼性が厳しい国が多いことが悩みどころでした。 チェココルナという選択肢が加わったことは、投資家にとって大きなポイントとなりますので、ぜひ投資を検討してみて下さい。

執筆者情報

山岡和雅
MINKABU PRESS
外国為替情報担当
編集長

山岡和雅

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。
(社)日本証券アナリスト協会検定会員

執筆者情報

山岡和雅|MINKABU PRESS 外国為替情報担当 編集長

山岡和雅

1992年米チェースマンハッタン銀行(現JPモルガン・チェース)東京支店入行、ディーリングルームに配属され、外国為替ディーラーに。英ナショナルウェストミンスター銀行、RBS銀行などで10年以上外国為替ディーラーとして市場の最前線に。その後大手FX会社などで外国為替市場のアナリストとして個人向けの外国為替情報の配信業務に携わり、2016年3月から、みんかぶグループに参画。
(社)日本証券アナリスト協会検定会員

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